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令和メディア研究所主宰 下村健一様から、本プロジェクトへの応援メッセージをいただきました。
時に情報の伝え手として、時に伝え手をサポートする立場として、また受け手側のリテラシー教育にも広く、そして長きにわたってご活躍されています。
そんな下村様から、当プロジェクトの目指すビジョンやその背景にある課題へ大いにご賛同いただきメッセージをお寄せいただくにいたりました。
下村様、ありがとうございます。
下記、お寄せいただいた応援メッセージです。
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≪応援メッセージ≫
伝えるべき現場からWEBメディアで動画発信―――という着想自体は、今どき特に珍しくは無い。そんな中、僕がここを推すのには、ワケがある。
●[震]は収まっても、[災]は続く。だが現場に《外から来る》報道陣は、どうしても《帰っていく》しかない。他にも報じねばならぬテーマが、彼らにはたくさんある。だから、必然的に被災地報道は減っていくしかない。
でも、現場に暮らす者が発信の当事者ならば、報道は減らない。日々様相を変えていく[災]の姿を、日常の中で伝え続けることができる。
―――このチームはそれがわかっていて、そんな発信を手伝おうとしている。
●大規模災害には、避けがたく”有名被災地”と“無名被災地”が生まれる。《外の人》が伝え手である限り、そのマンパワーは限られているから、万遍なく一隅を照らす事は難しい。
でも、まさにその一隅に暮らす人が発信の当事者ならば、何も難しい事は無い。こんな支援のニーズが今ここにありと、自ら狼煙(ノロシ)を上げることができる。
―――このチームはそれがわかっていて、そんな発信を手伝おうとしている。
●復旧よりも、復興ははるかに難しい。どうしても[再び災害に遭わないために]を最優先課題に据える《外の人》と、[何を失ってはならないか]を大切に持っている《中の人》では、悪気はなくともベクトルはズレる。
そうした外と中のズレや、中どうしのズレを丁寧に補正していくには、《中の人》がそれぞれの思いを折々に細やかに声に出していくしかない。黙っていたら、ただ巨大土木工事の音に圧倒されるだけだから。
―――このチームはそれがわかっていて、そんな発信を手伝おうとしている。
●被災地の映像を外から眺めている人たちは、自分たちの居場所も“未災地”に過ぎないという認識がなかなかできず、永遠にこんな目には遭わない“非災地”だと無意識に思い込んでいる。
実は、被災地の人たちもまた、発災の寸前まで多くは「まさか自分たちは」と思っていた。そのリアルな悔悟に立脚して、それぞれの居場所(職場なり学校なり家庭なり)に何が足りなかったのか/今どう改めようとしているのかを痛切に当事者目線で語ること。それはきっと、《外の人》たちの[自分ゴト化]への架橋となる。
―――このチームはそれがわかっていて、そんな発信を手伝おうとしている。
●代表の加藤愛梨と僕が初めて会ったのは、まだ彼女が高校生の時。「僕たちの阪神大震災ノート」プロジェクトのメンバーとして、一生懸命に動いていた。
初対面の日、制服の彼女は風邪気味でマスクで顔を覆っていたが、唯一見えていた《目》の力が、僕の記憶に強く残った。物事をまっすぐ見つめて、何が必要かを見出そうとする眼力。
―――以来今日まで、彼女の目は変わっていない。期待を込めて、応援したい。
《プロフィール》
TBSアナウンサーからフリーキャスターへ転身、「筑紫哲也NEWS23」「みのもんたのサタデーずばッと」等で報道現場25年。 2010年、民間任用で内閣審議官に着任。民主・自民の3政権で約900日間、首相官邸の情報発信に従事。 「振り回されない情報の受け取り方・発し方」を指導テーマに、東京大学客員助教授、慶應義塾大学特別招聘教授、関西大学特任教授などを経て、現在白鴎大学特任教授。 若手メディア人の勉強会「令和メディア研究所」主宰、「インターネットメディア協会」リテラシー部会担当。小学校教科書(5年・国語)執筆から企業研修まで、幅広い年齢層のメディア教育を実践中。
◯主著
『答えはひとつじゃない!想像力スイッチ』第3巻(2021年)汐文社
『窓をひろげて考えよう』(2017年)かもがわ出版
『想像力のスイッチを入れよう (世の中への扉)』(2017年)講談社
『10代からの情報キャッチボール入門』(2015年)岩波書店
『首相官邸で働いて初めてわかったこと』(2013年)朝日新書
『マスコミは何を伝えないか』(2010年)岩波書店
『報道は何を学んだのか』(2004年)岩波ブックレット
◯Facebook https://www.facebook.com/kenichi.shimomura.359