もっちゃんは、全身(ぜんしん)が白いしば犬、いわゆる「白(しろ)しば」です。おはなは、すこしピンクがかった色(いろ)をしています。みんなに、「かわいい」と言(い)われますが、とくにもっちゃんをかわいがっている人たちに注目(ちゅうもく)されているチャームポイントがあるのです。
それは、まつ毛(げ)。わんちゃんにしてはめずらしく長(なが)いまつ毛が、体(からだ)とおなじまっしろで、目をふせている時(とき)はもちろん、ぱっちり見ひらいている時(とき)も、黒いお目々(めめ)をバックにうき上(あ)がって、みんなひと目で、「あ、もっちゃんだ!」とわかるのです。
ある時(とき)、もっちゃんがよく似(に)たおともだちとさん歩(ぽ)で出会(であ)って、一(いつ)しょに写真(しゃしん)をとったことがありました。パパはその写真(しゃしん)をもち歩き、会(あ)う人みんなに、「どちらがうちのもっちゃんでしょう」と聞(き)いたのです。ほとんどの人は、いつものふんいきか、リード(※1)の色(いろ)などで、正(せい)かいをこたえましたが、中には一人(ひとり)二人(ふたり)、この白いまつ毛(げ)を決(き)め手(て)として、「こっちがもっちゃん!」とこたえた人がいたのです。
それから、もっちゃんはなんとなく、じぶんの白いまつ毛(げ)がお気(き)に入(い)りになりました。ときどき、「あたしのまつ毛をよく見てー!」とうったえているのではないかと思(おも)うほど、キラキラした目の上に白いまつ毛(げ)をひからせて、写真(しゃしん)にうつっていることがあります。
そういえば、もっちゃんにはまつ毛(げ)のことで、とてもなつかしい思(おも)い出(で)があったのです。まえにおともだちだったタヅくんは、黒しばで、まつ毛(げ)ではなく、まゆ毛(げ)がりっぱなわんちゃんでした。もっちゃんはタヅくんに会うと、それは元気にとびはねて、パパをびっくりさせるほどでした。パパをはじめ、だれが見ても、もっちゃんはタヅくんのことが好(す)きなんだろうな、と思(おも)っていましたが、おうちのおひっこしで、もっちゃんはタヅくんに会えなくなってしまいました。もっちゃんは今(いま)、タヅくんのことをどんなふうに思(おも)っているのでしょうか。
※1 リード・・・おさん歩(ぽ)の時(とき)にかいぬしがもっている、ひものようなもの。
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