自己紹介
山梨県山梨市牧丘町にあるCantina Hiro(カンティーナ ヒロ)です。2000年頃からサラリーマンとぶどう栽培の兼業を経て、2013年に専業農家となりぶどう栽培を始め、ワイナリー立ち上げの準備も行いました。そして、2018年の4月にワイナリーもオープンでき、生食用・醸造用のぶどう栽培とワイン醸造を行っているワイナリーです。
『はじまりは、ぶどう作りから』
東京のNECに就職し10数年働いたのち、生まれ故郷である山梨県に戻ってきました。「30歳のころ山梨県にUターンし、NEC関連のIT企業で働き始めました。ぶどう作りを兼業で始めたのは40歳くらい。母が寝たきりになり、父が介護をするようになってぶどうを作れなくなってしまったからです。初めは何をすればいいかが全くわからず、嫌でしょうがなかった。父に聞いても喧嘩になるだけで、途方に暮れて畑で寝そべっていた時、近所のおばちゃんが『大丈夫だよ、ぶどうの樹がちゃんと教えてくれるから。だから樹と話をしな。』と教えてくれた。当時は、「おばちゃんは何を言ってるんだろう」と不思議に思っておりました。しかし、ぶどう作りを始めて10年を過ぎたころから『あの言葉はこういうことだったのか!!』と納得するようになりました。そして、本気モードで有機栽培を意識し始め、色々と試行錯誤しながら有機栽培を実践してきました。
そして、近年のスマート農業を駆使して、有機栽培で高付加価値のぶどうを作りを次世代につなげていこうと考えるようになりましたが中々実践につながらずいたところ、根域制限栽培のぶどう作りを知り、試験栽培を経て、いける可能性ありと判断し、プロジェクトを立ち上げました。
今回は有機栽培の証として、農林水産省の有機JAS(以下有機JASと言います。※1)の取得を生食用ぶどう栽培の圃場で目指し、その後、醸造用ぶどう栽培の圃場と認証取得を広げ、オーガニックぶどう、オーガニックワインを商品化し、最終的には『GLOBALG.A.P.』(以下グローバルGAPと言います。※2)の取得を目指します。そのために、スマート農業(※3)を生かして新しいぶどう栽培方法を確立させようと思っております。
※1有機JASとは、有機食品(農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないことを基本として自然界の力で生産された食品)について農林水産大臣が定める国家規格です。
※2グローバルGAPとは、世界基準の農業認証のことです。グローバルGAPは、食品安全、労働環境、環境保全に配慮した「持続的な生産活動」を実践する優良企業に与えられる世界共通ブランドとなっており、対象となる農作物を欧州へ輸出する際には原則認証を取得する必要があります。
※3スマート農業とは、ロボット技術やICT(情報通信技術)、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などの先端技術を活用し、超省力化や生産物の品質向上を可能にする新しい農業のことを言います。
※ 有機栽培の定義:肥料は化学肥料は一切使用せず有機肥料を使用、農薬・有機肥料とも有機JASで認められているもののみ の使用。
SDGs達成に向けた経営方針等
当社は、「やまなしSDGs登録制度」に登録しており、SDGs達成に向けた重点的な取組として「有機栽培に向けた取り組み」「自然破壊にならぬよう高齢者の畑の借入・耕作放棄地の活用」等を実施しています。
また、世界農業遺産の継承として、扇状地における果樹栽培(ぶどう)の維持のため、耕作放棄地を甲州棚式のぶどう棚に再生することも積極的に行い、体験型苗木オーナー制のぶどう園として、苗木のオーナー権利を購入していただき、ぶどう栽培の体験のため多くのオーナー様が訪れ、作業で心地よい汗を流し、リフレッシュして帰って頂いております。
しかし、鳥獣害も多く、鹿とカラスには頭を痛めております。そんな中でも、循環を心がけた農業を推進しております。
耕作放棄地の再生前
耕作放棄地の再生後
鳥獣害被害(鹿によるぶどう園の被害:ネットに引っ掛かり逃げれない状況)
このプロジェクトで実現したいこと
まずは第一ステップとして生食用ぶどう栽培圃場で有機JASの認証取得を目指します。
現在、有機肥料を使用したぶどうの栽培を20年余り行っており、この地区でもJAGAPの認証を受けております。今回のプロジェクトでは、現状からのステップアップと有機認証を得るために第三者機関によって証明された「 有機JAS規格に適合した方法で生産されている農産物」、「社会的な信頼を獲得」、「農作物の安心・安全性」の発信を実現します。また第三者の視点によって問題や課題を指摘いただき、その問題・課題の改善を実現しやすくします。
『有機JASの認証(第三者認証)でのメリット』
●消費者が有機JASマークのついた食品を選ぶメリット
・わかりやすい
有機JASマークによって有機認証を受けていることが目で見てわかり、買い物時の参考にできる。細かな知識がなくても、
一定の基準をクリアしたオーガニック食品だと判断できます。
・安心感を得られる
第三者の審査によって生産工程が評価されているので、工程が見えない生産品を選ぶより安心感があります。
・モチベーション高くつくられた生産品を選べる
有機JASの認証を受けるには手間も費用もかかるという点から、生産者の姿勢や想いが伝わり、高い価値を感じられます。
●有機JASの認証を受けるメリット
・「有機」「オーガニック」と表示できる
有機JASマークを貼ることができ「有機」「オーガニック」と表示できて、ほかの商品との違いをアピールできます。
・生産物への信頼性を高められる
農薬や化学肥料に頼らないことを基本として環境に配慮していることがわかり、生産において厳しい基準をクリアしている点 が証明され、信頼性が高まります。
・顧客を獲得できる
食に関して意識が高い層や安心・安全を求める層に購入してもらえる可能性が広がります。
・販売ルートを拡大できる
市場出荷のほか、輸出、インターネット販売やマルシェ、イベントなど、販売チャネルが広げられる可能性が増えます。
※有機JASマーク
生産品に有機JASマークを表示するためには、農林水産大臣によって登録された登録認証機関から認証を受ける必要があります。認証は農林物資の種類ごと、事業内容(生産、小分け、輸入)ごとに取得する必要があり、認証を受ける種類によって細かな基準が異なります。
●持続可能な生産につながる有機JAS
化学物質に頼らないことを基本として、自然の力を活かした生産を促す有機JAS制度。この制度は消費者に「安全・安心」というイメージを与えます。そして有機JAS制度で近代農業の見直しや持続可能な生産へとつながっていきます。
『有機JASの取得するための手段』
スマート農業の実践により、下記の3項目を実施し、現状の有機栽培を認証可能レベルまで引き上げます。
1.豊かな土壌と微生物多様性による土づくり
◆栽培方法 ルートラップポットによる根域制限栽培(微生物による土づくり)
これにより、土づくりの範囲を縮小し、樹幹もコンパクト化し、病気・害虫に強い樹を育て、農薬の使用を抑制し、
有機JASによって認定されている肥料、農薬だけの使用となります。
◆土づくり方法と循環農業
『豊かな土壌と生物多様性』
有機質肥料を施肥することで有機物の分解過程において多くの土壌微生物のエネルギー源となり、生物相の多様化につながります。さらに微量要素をはじめミネラルなど各種成分や高分子の化合物を総合的に供給して、土壌団粒の形成に関与するなど多機能性を発揮し、地力を増進させ豊かな土壌を醸成します。地力の増進(土づくり)を着実に進めていくためには、有機質肥料を連用することが有効になります。
『施肥から始まる環境問題解決のため』
農業に使用されている化学的な薬剤や肥料は、食料の安定生産には欠かせない資材である一方で、過多な使用は環境への負荷を高め、頼りすぎると土壌を疲弊させ生態系にもよい影響を与えません。そのため、健康で豊かな土壌を育む「土づくり」を推進することで、病害虫の発生を抑制し環境保全に貢献します。また、生命の源である、海・大地・太陽からの恵みを次の生命へ伝える循環を大切にする農業を目指します。
2.散水システムによる水分・液肥のコントロールによる高品質のぶどう栽培
◆スマート農業:先進的技術の導入に向けた取り組み
自動散水システムにより液肥・散水をITでコントロールします。これにより、水分過多、水分不足を防ぎ健全な育成を実
施します。
◆SDGs(持続可能な開発目標):4パーミル・イニシアチブの取組(炭は微生物の住処になります。)
循環の農業の一環として、ぶどうの剪定枝を炭にし、圃場に戻すことにより微生物の住処を増やします。
3.簡易雨よけによる病害虫の対策
◆異常気象への対応:病害の発生防止・安定性生産(簡易雨よけハウスの設置で雨からの病原菌発生を阻止する。)
酸性雨からのダメージストレスを解消し、病原菌の発生を阻止し、散水システムの散水管理で適切な水分コントロールを行
い、新梢の徒長を抑制し樹の健全化となります。
プロジェクト立ち上げの背景
現在のぶどう栽培は、気象条件に大きく左右され、病害虫を防ぐためどうしても農薬に頼ってしまっています。また、高齢化により適材適所の作業が思うようにできなくなってきています。こうした点から、ぶどうの品質・収益にも影響し、徐々に遊休園も増えており深刻な問題になっています。
1.多くのぶどう農家さんが抱える問題点
●異常気象による影響
●高齢化
●鳥獣害の被害
●農薬類・資材・肥料の高騰
●人手不足
2.ぶどうづくりは土づくり
美味しいぶどうは良い枝にたわわに実り、良い枝は健全な樹に生え、健全な樹は良い根っこから作られ、良い根は良い土から栄養を吸収する。良い土は多様な微生物から作られる。ゆえに土づくりがとても重要となります。これは、当園のぶどう栽培のこだわりでもあり基本でもあります。
先代から、ぶどう栽培を引き継いだのが24年前、当初は会社勤めと兼業ではじめ、有機栽培に興味を持ち減農薬に取り組みました。たまたま2,3年うまくいき、4年目に完全無農薬にチャレンジした結果、みごとベト病に感染し、全滅という苦い経験をしました。それから、土づくりに本格的に打ち込み、有意肥料も色々試し、毎年試行錯誤しております。
そこで根域制限栽培方式を取り入れ、数十年かかる土づくりを大きく短縮することができ、健全な樹を短時間で育てることができるようになり、PDCAサイクルを年単位で回わせ、ぶどう栽培の見える化が年単位でできるようになります。
これは、根域制限栽培栽培により土づくりの範囲が縮小され、肥料散布のムラがなくなること。根の範囲が制限されるため樹の仕立て方も根に合わせてコンパクト化されることなどから、作業範囲が縮小され能力が軽減されます。
ぶどう農家さんの問題点を解決する一つの手段として、このプロジェクトを立上げ、少しでも将来のぶどう栽培の手法の一つになればと思っています。また、有機JASの取得により、有機栽培の認知度の向上と「有機JASマークによる安心・安全なぶどうを提供」をブランド化し、次世代のぶどう栽培者に新しい形の栽培方法を継承したいと思っています。
このプロジェクトでは、「根域制限栽培方式とスマート農業を取入れ有機JASの取得」と「この地区のぶどう栽培の問題点の対応」を少しでも軽減できたらと思い立ち上げました。
現在の準備状況
現在、有機JAS認証圃場として整備した根域制限栽培の圃場は『高級品種の生食用ぶどうと醸造用ぶどう』の2圃場があり、今回のプロジェクトでは高級品種の生食用ぶどう圃場を対象とします。
・高級品種の生食用ぶどう根域制限栽培の圃場(このプロジェクトで有機JAS取得に向けて対象となる圃場)
・シャインマスカット:20株
・サンシャインレッド(甲斐ベリー7:山梨県オリジナル品種):20株
・ブラックシャインマスカット(富士の輝き):10株
・醸造用ぶどう圃場
次ステップで有機JAS認証予定圃場(オーガニックワインを目指します。)
リターンについて
1.当社で栽培した生食用のぶどう
・通常圃場で栽培したぶどう詰合せ
・通常圃場と有機JAS認証圃場で栽培したぶどうの食べ比べセット
・有機JAS認証圃場で栽培したぶどうの詰合せ
・山梨県オリジナル品種である「サンシャインレッド」の親子セット
2.体験型苗木オーナーの権利(5年間、10年間)
・シャインマスカット、サンシャインレッド、ブラックシャインマスカットなど
3.焚き火イベント参加(2025年2月23日、3月1日 2日間とも同一プログラムです。)
などがリターン品となります。
スケジュール
2025年 2月~ リターン発送
2025年 3月~ 有機JAS認証取得(約2年)
・講習会への参加
・有機JASの基準を満たしているかどうか確認
・登録認定機関へ申し込み、申請書の作成・提出
・書類審査・ほ場実地検査
・判定委員会による審査
・有機JASの認証証明書の交付
※認証を取得した後も、認証基準に適合し続けることが必須。最低年に1回は登録認証機関による調査があり、不適合
が確認された場合には改善が必要となり、改善が見られない場合は認証が取り消されます。
3月~ 簡易雨よけ設備の設置
3月~ 苗木の植付け
2026年 2月~ 散水設備の設置
資金の使い道
認定検査費 :約60万円
資 材 費 :約20万円
手数料(17%+税) :約20万円
最後に
どうしても、有機JASを取得し、有機JASマークのついた安心安全なぶどうを提供したい。
ぶどうの根域制限栽培方式により『多種多様な微生物による土づくり』、簡易雨よけハウスによる『気象条件に左右されないぶどう栽培』、『有機JAS認証取得で安心安全なぶどう提供』を実践し、この牧丘地区に広げていきたい。是非このプロジェクトに皆様の力を貸してください。一緒にチャレンジしてください。
秋にはたわわに実った一味違った美味しいぶどうを食味しましょう。
是非、応援よろしくお願いいたします。
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-In 方式で実施いたします。
最新の活動報告
もっと見る16年生のシャインマスカットの樹
2025/01/18 20:47シャインマスカットの16年生の樹剪定完了の下からの写真と上からの写真17年前は、まだ山梨県ではシャインマスカットの苗木は販売しておらず、何とか10本県外から購入できました。この樹は当園のエース級のシャインマスカットの樹です。香り、玉張り、糖度ともトップクラス!! 10月から収穫します。約2,000房収穫予定です。 もっと見る
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2025/01/12 20:52ルートラップポットによるシャインマスカットの根域制限栽培ポットの大きさは直径1m、高さ50cmの円柱です。この写真のシャインマスカットは3年目です。今年は15房程度収穫予定です。どんなぶどうが収穫できるか楽しみでたまりません。これは、オーナー権利用の樹となります。 もっと見る
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2025/01/11 16:42地力の増進(土づくり)を着実に進めていくために、ぶどうの剪定枝を燃やし、ミネラル分がたっぷりな水をかけ、炭にして土に返します。有機栽培はできることから少しづつ着実に!! もっと見る
わぁ、あなたのプロジェクトは本当に素晴らしいですね!正直に言うと、あなたのアイデアにとても興味を持ちましたし、それには大きな可能性があると感じています。もっとあなたのプロジェクトについて詳しく知りたいです!集めた資金はプロジェクトの重要なステップに使われる予定だと読みましたが、このプロジェクトが完全に実現された場合、どのような変化が人々の生活に訪れると思いますか?詳細をお話しできることを楽しみにしています!もしよろしければ、私のプロフィールに記載されているメールアドレスか、メッセージでご連絡いただけるとありがたいです。もしかしたら、追加のサポートとして金銭的な支援ができるかもしれません。