当研修で大切にしていることは、農法や農業の知識だけではなく、収穫した農産物をどのように加工するか、どのように保存して、無駄を減らし、実りを活用するか、栄養バランスのとれた食事ができるか、また、加工・調理した食べ物をどのように販売するかまで含まれています。一連のつながりは、数年前から第6次産業とも巷では言われ、(第1次、2次、3次産業を合わせて6になるという発想)農業の価値を多角的に捉えて、農業界、農村地域の経済活性化を農村住民の手で総合的に進める知恵、技術、知識を身に着けるねらいがあります。政府の支援がないと何もできないという依存的な発想に陥りがちな地方ですが、農村の持つ強みに常に着目し、そこから始めることができるように基本的な加工・保存技術をシンプルな方法で研修しています。今年度の学生も食品加工のもつ可能性に着目している学生が多くいます。7月から8月初旬にかけては、インドのスパイスと油を使ったフルーツの漬物の加工を実習しました。インドでは、日本の漬物とは保存方法が全く異なり、暑い国ならではの伝統的な知恵があります。まずはグリーンマンゴーの漬物。 グリーンマンゴーは熟したマンゴーとは異なり強い酸味があります。インドではお馴染みマスタードオイル(菜種油)に、すりつぶしたニンニク、乾燥赤唐辛子のパウダー、コリアンダーやマスタード、フェンネル、カロンジ、クミンの種、ガラムマサラをひいたミックス・スパイス粉、塩を混ぜ、カットしたグリーン・マンゴーと混ぜ合わせます。これを容器に入れて、日光にあてて「熱を通す」と3-4日ほどで食べれるようになります。次に漬けたのはカロンダといわれる、小さな木の実。熟す前は黄緑色、熟すと白とピンクになる、かわいく酸っぱいフルーツです。農場で収穫し洗浄する様子レシピはほぼグリーンマンゴーと一緒です。カロンダをカットする学生達。ユニフォームやエプロン、キャップも衛生教育の大事な部分暑いときは食欲が落ちますが、その時期になる季節のフルーツは食欲をそそる酸味と夏バテしないビタミンCを多く含んでいます。また、日本のように塩だけで漬ける漬物だと冷蔵庫のない、あっても停電の多い地域ではすぐに腐ってしまうため、暑い土地ならではの保存食の技術です。みんなで実習して作った漬物は、毎日の食事でみんなで食されています。食べて、評価して、改善案に結びつけることも大事な過程です。機会がありましたら、ぜひ当地を訪問していただき、学生が作った漬物をご試食してみてください!







