昨日・今日と一気に百人一首の歌100枚を毛筆で書いてみました。ツヤツヤと墨をはじく紙に書いたので滲みが目立つのですが、なんか三十一文字を表現するのにふさわしいかなぁ、と思って一気に書き上げてみました。表紙の第九十三番鎌倉右大臣の歌は、私が小学生の時から1番好きな歌なので表紙に挙げてみました。ここで印象的な歌とともに私が百人一首に魅せられた流れをお伝えしたいと思います。
もともと日本史が好きだった私が小学校6年生のときに出会ったある1冊の本が、私の心の拠り所となりました。ますます日本史が好きになり、百人一首にさらに深い関心を抱くようになったのはこの歌からです。
英語が話せるようになって、いつからか私はこの百人一首の世界を英語で表現したいと思うようになりました。それも五七五七七のリズムを崩さずに同じ音節(シラブル)で英訳できないものかと。私ならできるはずだと。いつもこの歌を眺めながら最初の「花の色は」とある6音節を元歌のように6音節の英文にするか、規定通りの5音節の英文にするか。ずっとずっと迷っていたのです。ここが決まればあと99首は簡単に決まります。
映画「ちはらふる」が大ヒットとなり、私だけではなくいろいろな世代にも百人一首が多くの人々の心に触れるものであると思うようになりました。「青春全部賭けても強くなれない?まつ毛クン、賭けてから言いなさい!」のセリフで何回泣いたことか!!
今回ニューヨークのアートギャラリーカフェに展示する作品はこの紫式部の歌です。たまたま私が最初に師匠から手渡された百人一首のお手本の歌がこの紫式部の歌でした。世界最古の物語の作者であることはほんの付け足しでも構わないと考えているので、現地ニューヨークの方には日本の悠久の歴史の流れをお伝えするきっかけになればいいなと思っています。
こちらも映画「ちはやふる」で取り上げられて号泣してしまった歌。百人一首には本当に百通りのさまざまなドラマがあります。例えばですが、私が次の歌に興味を持ったのは最初の第五番の歌と関連があります。
なぜ藤原定家は父親である俊成のこの歌を選んだのか?私が最も興味を持った第五番の猿丸大夫の歌と似ているのはなぜなのか??私はそこにとても惹きつけられます。もちろんこんな話はニューヨークではできませんが、せっかく身につけた英語と和歌の知識をたくさんの方と共有したい。その思いで8月末のニューヨーク渡航を迎えたいと思います。
みなさんの温かいご支援を引き続きお待ちしております。
越俊幸