プロデューサーの小倉ヒラクです。
一年がかりで準備してきた大プロジェクト。週末から金沢21世紀美術館はじめ金沢市内周辺エリアでスタートしました。
美術館にチェックインして、味噌蔵や醤油蔵を訪ねて発酵をテーマにしたアート体験を楽しむ。前代未聞の芸術祭、あいにく豪雨の中のスタートとなりましたが、晴れ間がのぞいた日曜月曜にはたくさんの方が来場してくれました。
ふだん静かな、醸造蔵の建ち並ぶ通りにアート好き、発酵好きの人々が行ったり来たり。お酢の香りを嗅いで静かに佇んでいたり(関口涼子さんの作品)、醤油蔵のなかでインスタレーションをじっと見つめながら自然の音に耳を傾けていたり(三原聡一郎さんの作品)。
どの作品も、まるで展示が始まる前からそこにあったかのように会場の景色に溶け込み、不思議なノスタルジーを喚起する作品ばかり。キュレーションを手がけたドミニク・チェンさんの微生物と金沢の土地に対する深いリスペクトを感じます。
僕も2日かけて展示会場を巡ってみました。
これまで様々な展示会や芸術祭を見てきましたが、「発酵文化芸術祭」では過去に味わったことがないような不思議な体験を味わいました。
蔵のなかで物思いに耽っていたら、いつの間にか40分以上経っていたり、子守歌のような酒造りの歌を聴きながら涙ぐんだり。自分の記憶の奥底に潜っていくような感覚に幾度となく襲われ、金沢の路地裏が小さい頃に住んでいた景色のように見えるのでした。
どうぞ金沢を訪ねて、発酵の悠久の時間を堪能しにきてください。
展示を見終わった後は、おいしいご飯をどうぞ。
21世紀美術館本館の脇にある、黄色の水玉が目印のプロジェクト工房にチェックインしてください。
発酵文化芸術祭 金沢
―みえないものを感じる旅へ
2024年 9/21(土)〜12/8(日)
金沢21世紀美術館&東山・大手町、野町・弥生、石引エリア
大野湊(金沢港)、白山鶴来エリア
一般 2,000円 / 大学生1,500円 / 小中高生 800円( ガイドブック付き) / 未就学児無料 ※チケットは9月上旬発売開始予定。詳細はウェブサイトにて告知