私が心身に深刻な障害を負ってしまったのは、以前の活動報告で述べさせていただいた通りです。何年も人と話すことに異常に緊張して怖く誰とも話さなくていい自分の部屋に閉じこもる生活が続いてしまいました。私のような症状を負った人は世の中には多くいると思います。自害という手段を何度も頭の中で繰り返してしまう日々、人や社会から逃げるしか自分を守れなかったという理由はあっても、障害はその後も地獄のような日々が待っています。
私が自分の命をなんとか繋ぎ止めて外に出れるようになったのは間違いなくカメラの存在があった故です。本当に何気ない興味本位から写真を始めました。カメラマン、写真家になるという趣味は敷居が高く感じる方も多いかもしれませんが決してそんなことはないのです。私は8万円のカメラをずっと使い続けました。なんとなく手にしたカメラは少しずつ外に出て撮影したいという意欲をくれました。
初めは草花を撮り雲を撮り続けて、だんだんベンチや電柱や建物も撮ったりするようになって、その頃には海に出かけて一日中いい夕焼けが撮れるまで海でボーっと過ごしたり、確実に心に良い兆候が現れ始めるのです。
パソコンやタブレットをお持ちの方であれば、その後レタッチの楽しさにも気付き始めます。どうしたら上手く撮れるだろう、どんなレタッチをしたら魅力的な写真になるだろうと徐々に時間をかけて夢中になっていくのです。そこに他人との関わりなく自分一人だけでできるのだからその楽しさに気づくともう社会に適応できなくてもいいんだという気持ちが心を軽くしてくれます。暗い部屋から明るい場所へ一歩踏み出せるのです。私の場合はその後、ポートレートや他の写真家の展示会を見たりコンテストを受けたりとのめり込んでしまいましたが。
今はカメラの価格も高騰し手が出しづらいと思う方もいるかもしれませんしどれを選んでいいかわからないという方も多いと思います。手軽に始められて最初に失敗しないという意味では、私はNikonの zfとNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sをおすすめします。分割なら月1万円で始められてこの組み合わせなら大体の写真が綺麗に撮ることができます。最初は上手く撮れなくても時間が経ち徐々に上手くなっていっても作品にストレスをあまり感じることなく撮り続けられるでしょう。
心の障害とは長い年月付き合っていかなくてはなりません。私もまだ治ったわけではなく通院を続けています。でもカメラによって自分の作品が増える喜びと幸福感は、人と関われない、社会に適応できない、という重く苦しい日々を少しずつ楽にさせてくれることは間違いなく断言できます。パワハラを受けたり過労でうつや統合失調症を患ってしまい暗いところに閉じこもるしかなくなってしまった多くの方に、是非写真やカメラという趣味をおすすめしたいと思い文面にしてみました。一人でも多くの方にご一読いただければ幸いです。