新年のごあいさつ
2025年、新年おめでとうございます。
新しい年がみなさまにとって良い年となることをお祈りいたします。
昨年末に公開しましたこのプロジェクトも、おかげさまで少しずつご支援をいただいております。本当にありがとうございます。
絶滅危惧の餅製法?
年の初めに餅を食すという文化は日本中にあるため、お正月は餅そのものもたくさん出回りますし、餅に関する情報もまたいろいろと発信されます。
テレビで全国の餅文化について紹介している番組を見ました。かなりしっかりとした餅文化のある地域でも、登場した方々は、皆、餅つき機で餅を搗いているという話をしていました。
理由は、手作業だと大変だけれど、餅つき機なら簡単に餅が搗けるからということでした。
たしかにその通りです。機械を使えば手間をかけずに簡単に餅ができます。そのため、昔は全て手作業で餅搗きをしていた農家でも、今は機械で餅搗きをするようになりました。
原因のひとつには、農家の高齢化というのもあると思います。農林水産省のデータでは、2020年の基幹的農業従事者の70%が65歳以上となっています。
餅搗きには体力が必要となります。年齢とともに体力も衰えてきて作業がたいへんになるので、昔ながらの手作り製法を止めて機械製造に切り替えるのです。
餅屋や和菓子屋でも、完全手作りが見受けられないのは、農家の場合と同じく高齢化が一つの原因となっているのかもしれません。
インターネットで検索してみても、販売されている餅は、ほとんどが機械を使って搗いたものです。
ほとんどありませんが、かまどで蒸かして機械で搗いている餅、ガスで蒸かして臼と杵で手搗きした餅の販売はありました。
しかし、かまどで蒸かして臼と杵で手搗きした餅は無いように見受けられます。
イベントではかまど蒸かし手搗き餅に出会う機会があると思いますが、販売ものではかなり入手困難と思われます。
この完全手作りの伝統製法というのは本当に絶滅危惧の製法なのかもしれません。
私は機械製法の餅に味と香りが感じられないので伝統製法を続けているのですが、今後ともひとりの百姓として、体力の続く限りこの製法で餅を作り続け、みなさまに召し上がっていただきたいと考えております。