ついに完成した夢見るツリーハウス。
運営委員により、安全にみんなが利用するためのルールも作られ、早速校内の大人気スポットになっています。フェンス越しに子ども達がツリーハウスに集う様子も見られるため、ご近所の方々にも新しい風景になっています。
以前、ツリーハウスをデザイン・設計した向原さんに「デザインのポイント」をお伺いしたところ、こんな回答が返ってきました。
「パーマカルチャーという言葉があります。元々は農業の関連用語で、環境にやさしい生活を営み、持続可能な未来を気づくために具体的に何をするかを考える手法です。このパーマカルチャーの「自然との共生」や「持続可能な循環の営み」を教育に置き換えてツリーハウスに落とし込めないかと思っています。
例えば、1年生から6年生と子どもたちが成長する過程で、体も心も変わっていく中で、それぞれの年代で発見や気づきが生まれること、また在学生だけでなく、これから入学する子どもや卒業生もツリーハウスを通じてつながり合えること。
池子小は自然豊かな環境なので、樹木など自然と一体となった使い方ができれば、そこから池子小独自の文化が生み出される装置になるといいですね。」
持続性、という意味ではツリーハウスは木材で出来ているため、一部が痛んだりしても取り換えられるようになっています。
他にも、子ども達の成長と共に樹木や周りの植物も成長しますが、その成長が遮られない工夫がされています。
この特徴は、既存のプラスチックなどでできた大型の遊具や造作物ではなかなか感じることのできないところです。
またツリーハウスの制作は、それぞれの学年に応じて「みんなで一緒に分担しながら」行われています。
例えば、1・2年生はツリーハウスに使われる一部の木材を絵の具で彩色。
3・4年生は大工さんと一緒に木材を裁断し、できた木片でツリーハウスで遊ぶための積み木を制作中。
5年生は施工の土慣らしの過程で出てきた石をきれいに洗い絵を施して、ツリーハウスを彩るオブジェに。
そして、6年生はインパクトドライバーの使い方を習い、ツリーハウスの壁の打ち込みに挑戦しました。
最初はキレイだった木材も、時を経るにつれて色や感触も変わっていきます。木材なので欠けたり割れたりして修理をしないといけなくなるかもしれません。
この、
「修理をしてずっと使い続けることができる」
「自分たちと一緒に樹木も変化する」
という体験を、学校における日常生活の中でできるのは、子どもだけでなく大人にとっても貴重で、大切な機会なのではと思います。
↑向原さん、西さんが描いたツリーハウスの完成図&未来図
遊ぶたびに、そして卒業してからも「自分たちのアイデアでできた、作った、関わった」経験は心に刻まれることでしょう。
今後、ツリーハウスと子どもたちを中心に、どんな物語が育まれていくのか楽しみですね!