先日、東京公演事前講座。肥後古流の江上大輔様をゲストに、武家のたしなみとされた茶の湯と能楽についてお話ししました。
茶の湯と能楽が数百年伝わった理由や復曲の意義にも話が及び有意義な時間に!
参加者の皆様とともに〈伏木曽我〉の一節を謡って舞う時間も。
メンバーも良い時を過ごしました
第六回 復曲能を観る会 東京公演「伏木曽我」
11月2日(土)13:30 開演
於:宝生能楽堂
・ご挨拶 加藤眞悟 長谷川晴彦 古室知也 奥津健太郎
・解説 〈伏木曽我〉の歴史 伊海孝充(法政大学文学部教授)
・仕舞 復曲〈和田酒盛〉 長谷川晴彦
・仕舞 復曲〈虎送〉 古室知也
・連吟 復曲〈熱田龍神〉古室知也 加藤眞悟 長谷川晴彦
・独吟 鐘之段 梅若万三郎
・狂言 飛越 新発意 奥津健太郎 檀家 奥津健一郎 後見 野口隆行
・復曲能〈伏木曽我〉
虎御前 梅若紀佳
狩人・曽我十郎 加藤眞悟
虎ノ従者 安田登
井出ノ里人 野口隆行
笛 槻宅聡
小鼓 久田舜一郎
大鼓 大倉正之助 ほか
17:00 アフタートーク (アフタートークはこちらからお申込みください)
チケットのお申込み
公式サイト
https://hukkyokunouwomirukai.amebaownd.com/
カンフェティ
https://www.confetti-web.com/events/3523
【演目/あらすじ】
■復曲能〈伏木曽我〉弓折れ矢尽きてせん方もなく。日もすでに暮れ丈の。その夜の夜半ばかりには。井出の館に忍び入りて。やすやすと。敵を討ち。ついに本望遂げし身の。そのまま土中の屍となって。裾野の草には埋もれぬれども。名をば。富士の根の雲居にあげて。人の誉は大磯の。虎の嘯(うそぶ)く松の風。虎の嘯く松風や。富士おろしに夢は覚めてぞ明けにける。夢は覚めてぞ明けにける。
親の敵を討った末、富士の裾野で果てた曽我十郎祐成の墓所を訪ねる為、祐成の恋人の大磯虎(ツレ)と従者(ワキ)が井出の里にたどり着きます。そこに現れた狩人(前シテ)は二人を祐成の墓所に案内すると、草むらの中に姿を消します。[中入]夜になり虎が墓所の傍らで仮寝していると、夢の中に祐成の霊(後シテ)が現れます。
幼少の頃に父を失い多難な道を歩んできた自らの不遇を語ったうえ、敵の工藤祐経の命を狙った富士の巻狩りで、狩場の中に祐経の姿を認めつつも、馬が伏木に足を取られ横転してしまった事件を再現して見せます。最後の夜に祐経の屋形に忍び込み、ついに本望を遂げたことを告げると、虎の夢は覚めてしまいます。
『曽我物語』の有名な場面を見どころにしつつ、祐成と虎との紐帯を描いた優れた作品。〈伏木曽我〉は近世以降番外曲となってしまいましたが、室町時代には観世流ゆかりの能として上演されていた作品です。
■狂言〈飛越〉
ある男が茶の湯の会に招かれましたが、心得がないので檀家になっている寺の新発意に教えを乞い、共に行くことになります。道すがら小川に差しかかり、男は簡単に飛び越しますが、新発意は恐ろしくてどうにも飛ぶことができません。連れ飛びにすれば飛べるという男の言葉に背中を押され、思い切って飛んだ新発意は川にはまって濡れ鼠に。茶の湯の会はどこへやら、二人のいさかいが始まります。