実は、メンタルが強い人ほど、周囲に助けを求めることができるのです。
自分一人で抱え込み、限界まで頑張り続けることがメンタルの強さではありません。
むしろ、自分を知り、自分の限界も理解し、持っている力以上のことを自分に強いてもうまくいかないことがわかる、ということも、強い心の表れです。
たとえば、仕事が過剰に忙しいときや困難な状況に直面したとき、「あ、これはちょっと無理かもな」と自分を理解していることで、直観的に判断できるので、適切にサポートを求める行動に移ることができます。
また「ちょっとできるか考えてみよう」と積極的に課題から距離を撮ったり、休息を取ったりすることで、持続的に高いパフォーマンスを発揮できるのです。
このことは「メンタルの強さ その2」でもお話しました。
その3では、人に頼ることができることも強さであることをお伝えしたいです。
日本人は「人に迷惑をかけてはいけない」「自分のことは自分でやる」という自律心を美徳している文化が根強くありますから、頼る=「弱さ」「無力さ」「恥」というイメージが付いて回りますね。
ですが、実際そうでしょうか。迷惑をかけることと頼りにすることはイコールではないのです。
私はカウンセリングの中で、「みんなに迷惑だから」とおっしゃる方によく出会います。「優しいんですね」と答えるときです。でも、そこで逆にこの質問をします。
「あなたの友達や周りの人が困っていたら、あなたはその人に頼られたら、迷惑だと思いますか?
すると、全員の人が「いいえ、助けたい」と答えるのです。
「だったら、あなたの友達や周りの人も、同じように思っているのでは?」と。
そこで目を覚ましてくれる方はとても多いのです。
当たり前のようだけれど、あえて言葉にして伝えてみることで初めて気づくこともあるのですね。
ですが、自分が何の努力もせず、頼るばかりでは信頼は得られません。でも、人間関係があれば、そんな自分を指摘してくれる友人もいるはずです。
いずれにしても、人は一人でなんでもできるわけではない生き物です。
一人一人が自分の力をつけ、おおいに発揮し、そして足りないところは助け合う、それが本当の人間社会のつなぎ方。スポーツも同じです。
それぞれ自分の得意を活かし、チームが勝つという目標に向かってみんなで努力するのです。
メンタルが強い人とは、人間社会を繋げるために、人に話すことができる、頼ることができる、そこに気づけることがとても大事だと思います。
メンタルの強さとは、頑丈な壁を築くことではなく、しなやかで柔らかい心を育てることです。
心が疲れたと感じるときは、無理をせず、まずは自分を理解し、優しく接することを忘れずに。
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