11月になると、クマ防除対策の依頼は少し落ち着きましたが、兵庫県内でみると、例年クマが出没しない地域にも複数の目撃情報がありました。
昔から交流がある方から、近くでクマ目撃情報があり、「今までシカやイノシシはいたけれどクマの目撃情報はなかった。何をどう気をつければいいか」と連絡がありました。
クマと出会わないために気を付けてほしいこと・できる対策をお伝えすると、大変感謝していただき、クマとの事故を防ぐために、翌々日予定していた山の中でのイベントの内容を変更してくださいました。
後日実際に現場へ行き、様子を確認しました。
複数の目撃現場全てを回ります。
こちらの地区の方は人手もあるので、事故になる前に一緒に防除対策を行ない、地区の方が安心して生活できる環境を作っていきたいと思います。
また、役所に行ってお話を伺うと「今は実際に被害が出ていないので静観している状態。住民の皆様にも正しい情報を周知して冷静に判断していただいている」とのこと。
パニックにならず落ち着いてご判断頂いており、大変嬉しかったです。
別の地区では今年、残念ながらクマと人との人身事故が起きてしまいました。クマが身近にいる地区ですが、シカをとるための罠にかかったクマとの事故です。地元の会員さんに案内して頂き、現場近くを視察しました。
こちらはクマが棲んでいるという山。
「昔は果樹園がたくさんあったが、今は高齢化で廃園する人が多く昔に比べて山に人が入らなくなってきた。クマは賢い動物だから、山奥にいて人里に下りてくることはめったにない。今はまだ山の中に食糧があるから、この環境を守ってあげたい。それが人の安全にもつながる」とおっしゃる会員さん。クマが錯誤捕獲されると、この方が放獣を呼びかけ、今まで何頭もクマを奥山へ返してきました。
地元の方の意識が、クマとの棲み分けに繋がることを改めて認識する出来事でした。