2024/11/11追記 :
みなさんの大変心強いご支援のおかげで、公開開始から僅かな期間で目標の50万円を達成することができました。
このプロジェクトをより成功に導くために次の目標を85万円に設定いたします!
このご支援を有効活用して、「車椅子利用の方にとっても漕ぎやすい・漕ぎたくなる道をつくる」ということを新たに取り組みたいと考えています。
12月には、高校生たちと大人がいっしょになって道のデザインを考える授業も実施予定です ! 続報をお楽しみに・・・ !
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このプロジェクトは、千葉県立佐倉南高校定時制夜間部に通う生徒と、地元の企業や行政などが「どうすれば自分たちや佐倉の人たちが健康になるんだろう?食生活?運動?自分はそんなに気にしたことなかったけど…」と考えるところからスタートしました。
話し合いに緊張する高校生や熱い想いを持った学校の先生、健康について考えている企業の社員の社員、若者の想いをカタチにすることをミッションとする教育系の一般社団法人のメンバー。それぞれの立場から対等に議論し、考え抜いた先に出した答えがこちらでした。
夜の通学路に光を灯し、楽しく歩けて健康になる道をつくる
こんにちは。教育系の一般社団法人Spiceの代表理事である郡司日奈乃(ぐんじひなの)です。健康まちづくりプロジェクト事務局を努めています。これまでのいきさつと、生徒たちがどんな未来を描いているのかをお伝えします。
このプロジェクトに興味を持ってくださる方、応援してくださる方と一緒に、新たな佐倉のまちを高校生と作っていきたいと考えています。
プロジェクトの根底に流れているのは、佐倉南高校のある先生の「生徒に対する想い」です。プロジェクトメンバー全員が、その想いに共感しました。
『社会に素手で触れる』ということを定時制夜間部の高校生たちに経験してほしい!
定時制夜間部というとあまり馴染みのない方もいるかもしれません。17:15から授業が始まり、20:55に授業が終わる学校です。佐倉南高校の先生が生徒に「社会に素手で触れてほしい」と願うのは、「社会人」としての意識を持ちづらいアルバイトの経験からでもなく、授業用に加工された、「お試しの社会」でもなく、本当の「社会」を、自分たちのアイデアや発言で動かせる可能性があること。その力を自分たちが持っていることを知って欲しかったからです。
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生徒たちの中には、日中アルバイトをしている者が多くいて、その意味ですでに社会に出て働いているわけですが、仕事内容は指示されたことをこなすことが多く、「社会」の中で働いているという意識は薄いようでした。もとより、それで十分だという意見もあるとは思います。
ただ、もし学校がもう一歩、生徒たちのためにできることがあるとするならば、それは生徒たちが「社会に素手で触れる」機会を設けることなのではないかと考えました。
「社会に素手で触れる」とは何か。
それは、社会人と対等に議論し、失敗も成功も引き受ける責任を持って具体的に発言したり行動したりすることです。
社会に素手で触れることは時に怖いと思うこともあるでしょう。素手で触ることによって、かぶれたり、腫れたりすることもあるかもしれない。
しかし、素手で触れるからこそ分かる「社会」の質感があり、触れるからこそ、当のものが変化したり、動いたりすることがあります。
その手応えをこそ、いつも精一杯生きている生徒たちに味わってほしかったのです。
「社会人」としての意識を持ちづらいアルバイトの経験からでもなく、授業用に加工された、「お試しの社会」ではなく、本当の「社会」を、自分たちのアイデアや発言で動かせる可能性があること。その力を自分たちが持っていることを知って欲しかったのです。
だからこそ、アイデアを実現するまで取り組む意味があると信じ、
健康まちづくりプロジェクトをスタートさせ、クラウドファンディングを立ち上げました。
(佐倉南高校・30代・教師A)
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生徒が今高校に通っていることに誇りを持ち、卒業した後も自分の非力さに嘆くのではなく力強く生きていってほしい、という願いをA先生は持っています。学校の先生からしてみれば、地域に出ていき様々な人と関わることは、良いことが多い反面、仕事も増えて大変なはず。それでもA先生はこのような生徒へのあたたかな眼差しと共に、
「自分たちができることを過小評価しないでほしい」
「自分たち結構やれるんだぞ!と本気で信じてほしい」
という想いをお持ちでした。このことに様々な大人たちが共感し、「よし、大人側もやれることはどこまでもやってみよう!」と健康まちづくりプロジェクトが始まりました。
【プロジェクト開始後のそれから】
A先生とSpiceの授業に関する最初の打ち合わせがありました。そこで出てきたキーワードの一つが、JR佐倉駅から佐倉南高校までの2kmの通学路でした。ご覧の通り、車通りはそれなりに多いけれども人通りはまばらで、民家も少ない何の変哲もない夜道です。
自転車通学でない生徒たちは、この夜道を歩くことを避けて、バスや車の送迎を使って通学しています。
「歩く」は、私たちにとっていちばん身近な運動です。それが実践しにくい通学路なのです。
それでは、このなんの変哲もない夜道を、「楽しく歩けて健康になる道」につくりかえたらどうだろう?
誰もが楽しく歩けて健康になる道がつくれれば、それはきっと自分たちだけでなく、地域の人たちにとっても健康になる道に近づくのではないか。
生徒の共感を得ながら、新しいことに挑戦できそうなこの問いでスタートしてみることにしました。
2023年10月。
第一弾の授業で一緒に考えてくれたのは、佐倉とその周辺の地域の「健康」について考えている岩渕薬品(株)の社員のみなさん。
「楽しく歩けて健康になる道」はどうしたら実現できるのか、2年生の生徒と社員のみなさんとの議論が始まりました。
道をどうデザインするのかという意見では、
「道にライトを埋め込む」「歩くとお金がもらえるシステムの導入」
「道に色を塗ってカラフルに」「50メートル100メートルのラインを引く」
など、様々な意見が出てきました。
そのほかにも、ガソリンスタンド前の貸しスペースを借りて、歩いた後に何かできるスペースの活用も考えました。
「健康夜食ラーメンの開発」「プランターを使った畑をつくる」
「歩いたポイントが使用できるローカルスーパー」「筋トレ公園にする」
などなど。
「実現できなさそうだけど面白い!」と思える意見や、「えー!それは本当に実現して欲しいなあ」と思える意見、「さすが高校生!その発想は大人には出てこないよ」という意見まで様々な意見が出てきました。そもそも大人とディスカッションする機会の少なかった生徒たちで、最初は緊張気味の様子でしたが、さいごには少しほぐれて笑い声も聞こえてくる雰囲気になっていました。
その時のホワイトボードの一部をご覧ください↓
詳しくはこちらへ
高校生とヘルスケア企業が共に考える「健康まちづくりプロジェクト」を千葉県立佐倉南高校で開催
この授業の最後でワークシートに生徒がそれぞれ書いた「健康」についての言葉です。
【ついに訪れたチャンス】
そして3年生になった、2024年6月。
自分たちのアイデアを実現するために佐倉市の職員のお二人にプレゼンする機会をいただきました。
机も椅子も生徒が用意してくれて、発表担当の子は廊下でソワソワ。後ろの席の社員さん5名も固唾を飲んで見守りました。10分にわたる発表を終えて佐倉市の職員さんからのお返事は・・・・・・
「実現可能性が高いところからやっていきましょう!」というお話に!
会場は力一杯の拍手に溢れました。佐倉市の職員さんからも岩渕薬品の社員さんからも「僕たち私たちは、皆さん(高校生)の味方です!」という声掛けが何度もあり、それを受けて生徒たちからも「味方となる皆さんと一緒に頑張りたいです」という言葉が出てきました。とても嬉しかったです。授業が終わる頃には、安堵感と、これからどうなっていくの!?という期待と不安の入り混じった雰囲気になっていました。
社員さんからは「この1年で生徒たちがものすごく成長したことを感じた。自分たちも負けていられない!」とコメントをいただきました。私も生徒がこのプロジェクトにものすごく気持ちを込めて準備してくれていたことに感動しました。私の想像以上でした。カタチにするためにできることは全力でやりたいと改めて思いました。
この日、実際に生徒たちはどのようなアイデアをプレゼンしたのか気になりますよね! 高校生たちが作成したプレゼン資料をもとにご紹介します。10枚以上のスライドを作ってくれましたが、ほんの一部をご紹介します。
みなさん、こんにちは。
千葉県立佐倉南高校夜間部3年E組です。
私たちは、昨年度から「Walkableな道にしたい!」という思いを持って、このプロジェクトに取り組んできました。
Walkable(ウォーカブル)ってどんな意味でしょうか。
・歩きやすい
・歩きたくなる
・歩くのが楽しい
そんな意味を持っていると考えています。
Walkableな道を実現できれば、歩行者の安全性が担保され、快適に歩行できる環境を作ることができ、
歩くことによって運動不足が解消され、心や体の健康も維持できると考えます。
本校の生徒たちにアンケートを取りました。
生徒たちは、この夜道に対して、必ずしも歩きやすいとか歩きたくなる道ではない、という意見が多数を占めました。そこで、私たちは昨年度の総合的な探究の時間を使って、岩渕薬品の社員さんと一緒にアイデアを考えました。
最終案は、
車のライトを蓄光・反応するような蓄光パネルを健康的な歩幅で足跡型に設置する。
すると車が通るたびに、歩幅が浮かび上がり、歩いていて楽しい道になるのではないか?
というものになりました。
この道は暗く、車がびゅんびゅん通ります。
車の速度はとても速いですが、車のライトは貴重な光源でもあります。
私たちはそこに目をつけました。
蓄光パネルを設置することで、車が「ジャマなもの」ではなく、「車が通るからこそ、面白い」と考え方が変わるのではないかと考えています。
このアイデアが実現すれば、佐倉市が健康的な街になると考えます。
このアイデアのメリットをまとめました。
1点目は、市民の健康が維持・向上されることです。
日本人の多くの人々は「自分は運動不足だ」と思っている割合が高いです。
「歩く」という動作をすることで、健康に近づくことができます。
2点目は、歩行者の安全性が担保されることです。
蓄光パネルによって、足元が少し見やすくなり、道が整備されることで、どんな人でも歩きたくなります。
3点目は、低コストで施工できることです。
このアイデアは、日常から行っている「歩く」という動作に注目したからこそできたものです。
そのため、健康に関する施設を建築せずに済み、挑戦しやすいアイデアです。
以上が、私たちが実現したいアイデアです。
思わず歩きたくなる、まったく新しい夜道をつくっていきます。
千葉県佐倉市を健康的なまちにできるよう、ご支援ご協力をお願いします!
<目標金額>50万円
<資金使途>
・蓄光パネルの購入費用
・蓄光パネル設置資材の購入費用
・蓄光パネル設置イベントにかかる広報費用
2024年9月に募ったクラファンへの想いです。
他の生徒からの声は活動報告でお伝えしていきますので、「お気に入りに登録」をして、楽しみにお待ちください。
最新の活動報告
もっと見る【授業を実施しました】誰もが歩きたくなる・漕ぎたくなる夜道のデザインを考えてみる
2024/12/16 14:0012月12日(木)夜にクラファン終了から2度目の授業実践を行いました!この活動報告では、授業のようすをお届けします ! ===今日のテーマは「足で歩く人だけでなく、車椅子の人も漕ぎたくなる道とはどのようなものか」を考えることです。1回目に引き続き、パラリンピアンの花岡伸和さん、そして岩渕薬品の田中さんにもお越しいただき、授業を行いました。事前にサンプル品として注文していた蓄光パネルに加え、ほぼ原寸大のサイズに印刷した足跡パネルを触りながら考えてました。足跡パネルを準備しました。机上には蓄光パネルも。授業の途中には、文化祭に向けて作成した模型を花岡さんにお披露目する生徒も。文化祭で展示した模型を見せてくれる生徒。この日も車椅子を教室の後方に準備していたら、何人かの生徒が使っていました。すっかり馴染んでます。生徒は個人で考えたり、グループになって考えたりしながら、ホワイトボードにアイデアを書きまとめました。生徒による発表の前には、担任の伊藤先生からは「不十分なアイデアもきっとあると思うけれども、その中身を足りないと指摘するのではなくて、アイデアの背景にあるその人のメッセージや想いを受け取ってほしい」という話がありました。生徒たちのアイデアを写真とともに、紹介していきます。彼らのアイデアの一つ一つには、これまでの議論や経験で得た思いがたくさん詰まっていました。「パネルにたくさんの動物の足跡を書いて、面白くしたい」というアイデアには、「段差を気にする必要があるため、俯きがちに道を見ている」という花岡さんの話を受けて、「道を進むときに少しでも楽しくなってほしい」という生徒の思いがありました。「蓄光パネルを設置する以前に、やはり道の凸凹をなくした方が良い」というアイデアには、先週の車椅子体験で感じた段差を乗り越えることの「しんどさ」を踏まえた生徒の思いがありました。生徒による発表の後には、花岡さんから以下のメッセージをいただきました。花岡さんからメッセージをいただき、改めてこの取り組みの面白さ、尊さを感じました。===感動しました。今みんなが考えてくれていることは、社会から"障害"という考え方をなくせるような提案です。たった数百メートルかもしれないけれど、それを実現するのは本当に素晴らしいことだよ。===今回の授業で道のデザインに対するアイデアがたくさん湧いてきました。これをどのようにまとめて、実装していくのかは、また年明けの授業で。1月の活動報告をどうぞお楽しみに ! もっと見る
【授業を実施しました】車椅子といっしょに自由に遊んでみる
2024/12/09 08:3012月5日(木)夜にクラファン終了からはじめての授業実践を行いました!===12月中に2回の授業実践を予定しており、1回目はパラリンピアンの花岡伸和さんをお招きし、授業を行いました。佐倉市社会福祉協議会さんのご協力のおかげで5台の車椅子をお借りできたため、一人ひとりが十分に車椅子を体験することができました。約80分の授業時間の中で、段階を踏んで車椅子とあそんでいきました。まずは車椅子を選ぶところから。次に座って、漕いでみる。時には、クラスメイトに押してもらう。ちょっと慣れてきたら、体育館に設置されたコーンの周りを回ってみる。ちょっとずつ慣れていきましたここからは道の段差を意識した障害物が登場します。マットに乗って、マットの上を漕いでみる(これがかなり難しい)。次に、虎ロープや太いロープを跨いでみる。花岡さんにコツを教えてもらいながら挑戦そして最後は、マット・ロープ・コーンを等間隔に設置して、車椅子リレーを開催!みんなコツを掴んで、臆さずにドンドン進んでいく姿が印象的でした。1人で頑張る生徒、クラスメイトにコツを教えてもらいながら進む生徒など、さまざまです何人かの生徒は花岡さんの特注車椅子にも試乗させていただき、病院用車椅子との造りの違いに苦戦しながらも、最後は上手に乗りこなしていました。他のクラスメイトに順番を譲っていた生徒たちも最後のリレーには積極的に参加し、無事全員で完走することができました!===今回は花岡さんのご提案で車椅子を“おもちゃ”にして遊んでみる時間を過ごしました。この時間を経て、彼らはどんなことを感じたのか。来週の授業実践では、この日の体験をもとに「誰もが歩きたくなる道のデザイン」を考えていきます。果たしてどんなアイデアが出てくるのか、今から楽しみです♪ もっと見る
クラウドファンディングご支援の御礼
2024/11/29 18:00こちらの活動報告は支援者限定の公開です。
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