今回は、竹原研究室の卒業生でありカメラマンの塚本大士さんにお話を伺いました。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 今回の書籍は、塚本さんの写真なしには成立しなかった――そう感じています。まずは率直に、写真が本当にかっこいい。今回の写真、画面で見たとき以上に紙で映えます。ありがとうございます。印刷の力が大きいですね。現物になると、黒の深みや粉の気配が画面越しとはまるで違う。“距離が近い”写真になった理由ー この本の写真は、とても距離が近いと感じました。なぜあの距離感に?“授業を受けている感じ”を説明的に撮るより、先生の熱量を写したかったんです。黒板の線は「あの手」が書いたもの。力が入った瞬間に寄ると、線の太さ、チョークの欠け、粉の舞いまで立ち上がる。遠目の全景だけでは伝わらないものがあるんですよね。普通の講義撮影ならあまり寄らないですが、今回は自然と近づいていった感覚です。“手”が語るー 先生の手元にぐっと寄っている写真が印象的です。先生の手は大きくて強い。メモの字も赤青鉛筆で大きく太い。道具をよく触り、黒板をバンバン叩いて音を立て、線を引く。その“手の振る舞い”が講義そのものを語っているから、カメラもそこに寄っていきました。チョークがボキボキ折れるほど力が入る瞬間もあるし、黒板消しでは簡単に消えない痕跡が残る。そうした物質性は、写真で寄らないと掴めない。写真だからこその表現だと思いました。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーぜひページに顔を近づけて、あの距離感を体験してください。





