文化の違いを現場の力に変えるために
このシリーズでは、外国人労働者の理解を深める一助として、国別の特徴や働き方の傾向をまとめていきます。
外国人の方と円滑に働くためには、その国の文化的背景や歴史、風習を理解することがとても大切だと考えています。
少しでも、外国人労働者に対する偏見や誤解が減り、よりよい職場づくりにつながることを願ってお届けしています。
個人的な見解も含みますし、すべての方に当てはまるものではないことをご承知おきください。
スリランカ出身の方も多く日本に来られています。
スリランカについての基本情報
1. 歴史的背景
古代から仏教文化が根づく国で、かつては「セイロン」と呼ばれた。
16世紀以降、ポルトガル・オランダ・イギリスによる植民地化を経て、1948年に独立。
民族構成はシンハラ人(多数派)とタミル人(少数派)が中心で、過去には内戦もありました(2009年終結)。
2. 言語
公用語はシンハラ語とタミル語、英語も広く使われる(ビジネス・教育・観光など)。
英語教育の普及率が高く、若い世代や都市部では英語での意思疎通が可能。
タミル系の人はインド南部文化にも近い背景を持ちます。
3. 文化・風習
礼儀を重んじる文化で、年上や上司への敬意が強い。
家族を大切にする意識が強く、助け合い精神が根づいている。
靴を脱いで家に入るなど、日本と共通する習慣も一部あり。
カレーを手で食べる文化も残る。香辛料に強い人が多い。
4. 宗教
仏教徒(主にシンハラ人)が多数派。その他、ヒンドゥー教・イスラム教・キリスト教も共存。
宗教行事(ポヤ・満月祭など)を大切にする。
宗教的な食事制限を持つ人もいるため、食事の確認が必要な場合あり。
5. 気候・風土
熱帯性気候で、高温多湿が一般的。日本の夏にも比較的強い。
雨季と乾季があり、農業も重要な産業。
自然との共生意識が強く、穏やかな気質の人が多い。

スリランカ人の特徴と職場での付き合い方
6. 労働観・性格の傾向
温厚で控えめ、素直で真面目な性格の人が多い。
礼儀正しく、指示には忠実に従う傾向あり。
細かい作業にも丁寧に対応できるタイプが多い。
「和」を重視する傾向があり、日本的な職場にもなじみやすい。
7. よくある誤解とその対応
「おとなしくて指示を待ってる?」
指示を尊重する文化があり、自発的な行動が少ないように見えることもあります。
丁寧に声がけすると良いと思います。
「YESと言ってるのに動かない?」
英語を話す人あるあるです。
本当の意味で理解していないまま遠慮してYESと言う場合あります。
確認やフォローが重要です。
「急かすと怒ってるように見える」
強い口調や威圧的な態度には萎縮する傾向があります。
穏やかな指導が効果的です。
8. 職場でのコミュニケーションのポイント
・敬意とやさしい言葉づかいが信頼のカギ 上下関係を重視する文化のため、丁寧な対応が重要です。
・わからないことを「質問しやすい雰囲気づくり」を 遠慮がちな傾向があるため、こちらから声かけを積極的にしましょう。
・指示は明確かつ簡潔に(図や身ぶりが有効) 言葉の壁を補うために、視覚的な伝達方法も効果的です。
・宗教的配慮(食事や休憩、服装など)を尊重する 無理のない範囲で確認し、配慮する姿勢が信頼に繋がります。
・感謝の言葉や笑顔が強いモチベーションに 「ありがとう」(サンクス)「助かるよ」など、気持ちの伝達が人間関係を円滑になります。
シンハラ語の「ありがとう」は”ストゥーティー”です。
発音がカタカナで表すのが難しいので、コミュニケーションのきっかけに発音を教えてもらうと良いと思います。



