
2020年、私は宮崎県日向市東郷町に移住しました。
ベルギーから帰国し、静かな田舎で新しい生活を始めることに胸が躍る一方で、全く新しい土地での生活は少し不安もありました。
コロナ禍ということもあって演奏の仕事もほとんどなく、仮住まいの元料亭民家の庭を黙々と剪定する日々。
そんなある日、縁側に一株の大根がぽつんと置かれているのを見つけました。
いつ誰が置いたのかわかりません。
ただ不思議と温かい気持ちが湧き上がり、「何かお返しがしたい」という思いが生まれました。
これが挑戦のきっかけでした。
新しい土地での暮らしが進む中で、近所の方々が自然農や無農薬、オーガニックでお野菜やお米を作っていることを知りました。
私自身も近所の農家さんに通い、自分でも野菜作りを始めました。
次第にオーガニック農家さんたちの会合に参加し、その熱い想いや心優しい人々に触れるたびに、「私に何かできることはないか?」と考えるようになりました。
そこで思いついたのが、オーガニックマーケットを開くことでした。
地元の自然や資源を活かし、音楽やアートを取り入れた、地域の人々が集まる温かな場所を作り上げる。
ヨーロッパでは当たり前に開催されているオーガニックマーケット、これを開催して地域の農家さんたちの素晴らしい農作物(本当に美味しいんです!)をもっとアピールできると思ったのです。
最初は小さな一歩でしたが、少しずつ仲間や関係者が増えていき、行政の中にも協力してくださる方々が現れました。昔から熊本で災害ボランティアや自然素材活用ワークショップ活動をされている先生との出会いは貴重で、2023と2024年は地域の放置竹林から竹を調達して竹のジャングルジムで子供たちが遊べる場所を作っていただきました。
回を重ねるごとに、オーガニックマーケット東郷は想像を超える素晴らしい場所になっいていってます。
会場には新鮮な野菜や手作りの工芸品が並び、竹のジャングルジムで遊ぶ子どもたちが遊び、音楽の音色が響き渡り、笑顔が溢れる温かな空間が広がり、参加者も地域の皆さんも幸せそうに過ごす。
2024年には、このマーケットが大きな成功を収め、たった2日間で3000人以上の関係人口を生み出しました。
東郷町は活気に満ち、地域の農家やアーティストたちの作品が広まり、地域間の交流も深まりました。参加者と地域との絆も強まり、マーケットは地域に欠かせない存在となっています。
このマーケットのきっかけはあの一株の大根です。
無言で置かれたその大根が、私に地域との深いつながりを教えてくれました。
「お返しをしたい」という思いと暖かく協力してくださる皆様の想いが、このマーケットという形になり、地域に新たな息吹を吹き込んだのです。
私達はただのイベントを作ったわけではありません。
オーガニックマーケットを通じて地域の元気を取り戻し、人々の心をつなげる場となり、地域の誇りとなり、力強い風を送り続けていると自負しています。
オーガニックマーケット東郷2024
https://studio.youtube.com/video/g7iG2Ti3pNk/edit





