残り30分となりました最後の覚悟です突然の火災で、すべてが止まりました。けれど、心までは燃えなかった。「今できることを、すぐにやろう」売れるものはすぐに売る。沖縄の味を詰め込んだ商品たちを、再建の柱にする。それは、ただの販売ではなく――この場所を諦めないという、私たちの意志表明でした。大切なスタッフの雇用も、絶対に手放したくなかった。「店がなくなっても、あなたたちとの絆はなくならない」そう伝えたくて、走り続けました。そして今、目指しているのは、元に戻すことじゃない。もっと先へ。もっと輝く姿へ。ただ元に戻るだけじゃ、火災に負けたことになる。あの日の出来事に意味を持たせるためにも、私たちは、変わらなければいけない。でも、根っこは変わらない。“この街とともに生きる”という想いだけは、絶対に。だからこそ掲げます。『私たちは変わらないために、変わり続ける』変化を恐れず、進化を喜び、そしてまた人が集まる場所に――Seven Colorsは、ここからもう一度、歩き始めます
私たちがここで店を営むのは、 ただ「食」を提供したいからではありませんこの町に暮らす人たちの心に、そっと寄り添いたい 子どもたちが、未来に胸をふくらませながら 笑い合える場所を残したいその一心で、今日まで歩んできました地域をつくるのは、大人だけじゃない。 小さな手、小さな声、小さな一歩それらが、町に温かな光を灯していきますおばあちゃんがベンチで孫を見守る午後、 学生たちの笑い声が風に乗る夕暮れ、 誰かの「ただいま」と「おかえり」が自然と響く街角そんな何気ない日常に、 私たちのお店がそっと溶け込んで、 誰かの心の居場所になれたら──それは、私たちにとって、 どんな栄誉よりも大切な「しあわせ」です今までも、これからもこの町の一部として、子どもたちと未来を信じて。 私たちは、歩みを止めません
❺再開へできうること火の手が上がったあの日、私たちの大切な場所は、音もなく消えていきました。 ただ、ぽっかりと空いた心の穴を抱えたまま、朝を迎えました涙を流す暇もなく、翌朝、私は震える手で店のドアを開けました。 そこにあったのは、ススにまみれ、泥に沈んだ、無残な光景でした言葉を失い、ただ立ち尽くしていた私の背中を、そっと押してくれたのは――駆けつけてくれた仲間たち、ボランティアの皆さんでした誰もが無言で、でも必死に動いてくれました壊れた壁を外し、落ちた天井を片付け、最後には、店中に染みついたススの臭いを消すために、夜遅くまで体を動かしてくれました泥まみれの顔に浮かぶ笑顔その一つひとつが、私には眩しすぎて、ただ泣くことしかできませんでした同時に、沖縄シリーズの販売やクラウドファンディングも始めました「こんなときくらい、誰にも頼らず、ひとりで立ち上がらなきゃ。」そう思い込んでいた私に、TUBEファンの皆んなや守成クラブの仲間や地域の皆さんは、こう声をかけてくれました「店は燃えても、人のつながりは燃えない。」胸の奥深くに届いたその言葉は、消えかけた心に火を灯してくれましたあの日、何もかもを失ったと思ったけれど、失われなかったものがありました。 人と人とが、支え合い、信じ合う「絆」でした今、私は震える足で、一歩ずつ、一歩ずつ、再開に向かって歩き出していますどんなに時間がかかっても、必ず、あの場所に、また笑顔があふれる日を取り戻すために
❹絆の大切さと今までの行い「子供食堂、続けていてよかった」 心からそう思えた出来事がありました。いつもSeven Colorsの子供食堂に来てくれている吉田さん。ある日、そのお父さんがそっと声をかけてくれました。 「僕、塗装屋なんで、ススで汚れた天井、塗ってあげますよ」と。 その一言が、まさかここまでの奇跡につながるとは、想像もしていませんでした。夕方5時を過ぎてから始まった作業は、気づけば夜の11時を回ってもまだ終わらない。 こちらが心配になって「いつ頃終わりそうですか?」と尋ねると、 吉田さんのお父さんは満面の笑みで、こう返しました。 「明日の朝には終わりますよ!」え…? ただ軽く塗るだけじゃなかったの? そう思った次の瞬間、私は言葉を失いました丁寧に、丁寧に塗られたその天井は、まるで職人魂に火がついたかのように輝いていました。 話を聞けば、なんと一度塗って、乾かして、もう一度二度塗り。 雨の中、車で仮眠をとり、また作業を再開してくださったそうです。そして最後にこう言われました。 「お金なんて、いりませんよ。心でやってるんです」もう、胸がいっぱいでした。 天井は見違えるように明るくなり、ススの匂いもほとんど消え、まるで新しく生まれ変わったかのようでした。これは、私たちが今まで積み重ねてきた小さな善意が、巡り巡って返ってきた瞬間だったのかもしれません。 子供食堂という居場所を続けてきたこと、地域とつながり、人を想い、人に想われてきたこと。 そのすべてが、この一夜に詰まっていました。絆って、形は見えないけれど、確かに存在するんですね。 そしてそれは、想像を超える力で、私たちを支えてくれるのだと、深く感じました
❷ 火災保険とはとても大事なもの「火事になっても、大丈夫やろ。保険入ってるし」それが、ずっと信じていた安心でした。2022年の夏、友人の勧めで火災保険に加入しました。信頼していた人だから、契約内容なんて細かく確認しなかった。翌年も自動継続されていると思っていた。2024年、友人の資格停止をきっかけに、見知らぬ担当者が出てきました。第一○○の方だと紹介され、会ったのはその一度きり。それでも「大丈夫」と言われれば、それを信じるしかなかった。けれど、2025年2月15日。思いもよらぬ言葉が届きました。「実は、保険切れてます」頭が真っ白になりました。信じてたのに? ずっと守られてると思ってたのに?慌てて「すぐに加入させてください」とお願いしたけれど、返ってきたのは、「3月に会社を辞めるので、それまで待ってほしい」なぜ?どうして?それでも、お願いするしかなかった。ようやく、3月18日に見積もり。3月19日に契約。そしてその翌日、2025年3月20日19時15分。店が、燃えました。音もなく立ち昇る炎。油の焼ける匂い。すすけた壁。目の前で、Seven Colorsが赤く染まりながら崩れていく。悔しくて、情けなくて、涙が止まりませんでした。「でも、昨日契約したばかり。保険は下りるはずだ」一筋の希望にすがって連絡をすると、静かにこう返されました。「契約の実行日は3月22日からです」——たった3日。たった3日、早かっただけで。私たちが守りたかった場所は、保険の適用外となりました。「なんで…」という言葉しか出てこない。信じていた相手への思い、自分の甘さ、無知けれど、いちばん悔しいのは、助けられたはずの場所を、守れなかったこと。Seven Colorsは、ただの飲食店じゃありません。子どもたちが笑い、大人たちが語らい、誰もが「また来たい」と思える、地域の色そのものでした。保険は、守ってくれなかった。だから今、クラウドファンディングという新しい「希望」にすがっています。どうか、あなたの力を少しだけ貸してください。悔しさを、無力感を、今度こそ希望に変えたいのです。もう一度、あの場所に「七色の灯り」を取り戻すために。




