
酒蔵をつくるうえで、私たちの最後に立ちはだかったのが
「製造免許をどう取得するか?」という大きな課題でした。
今回と次回の2回にわたり、免許取得までの舞台裏をお届けします。
きっかけは、あるセミナーに参加したときのこと。登壇されていたのは、ALLWRIGHTの細井社長。自ら酒蔵「木花之醸造所」を立ち上げた経験をもとに、「クラフトサケ」という新しい形の酒づくりについて、リアルな成功事例を語っておられました。
その話に心を動かされた私は、「クラフトサケ」という制度について徹底的に調べ始めました。驚いたのは、“日本酒文化を継承していきたい”という想いを持った若者たちが、自由な発想で新しい挑戦を始めていたという事実。行動力と情熱に満ちたその姿に、「自分たちにもできるかもしれない」と自然と思えたのです。
そしていよいよ免許取得に向けて動き出した私たちは、昨年の9月にまず税務署へ相談に向かい、申請書づくりに取りかかりました。書類作成では細井社長にアドバイスをいただきながら、必要な情報を一つひとつ整理していきました。
ここまでは、まだ序章。
次回は、いよいよ審査本番――何度も心が折れかけた、その過程をお伝えします。





