
第15弾は、生命分析装置の制御、電装を担当するKotochan。
ローバーに収まらずロケット製作サークルまで所属している、生粋のものづくり人です。いつも冷静沈着で、筋道の通った論理を展開する様子はとても学部2年生には見えません。博士課程のメンバーにも「それ違くないですか?」と何食わぬ顔で反論していて感心しました。今年開発を担当した生命探査モジュールはアクシデントにより本番で動かすことはできず。雪辱を誓う来年の活躍に期待です!
KOTOCHAN : サイエンス制御
✴︎ ARES で担当していること
ARESでは、Science Missionで使用する生命分析機構やドリル・各種センサの制御を担当しています。
Science制御では扱うモータやセンサの種類が多く、最初のうちは「どのモータが何を動かすのか」が分からず苦戦しました。さらに、単にモジュールを動かすだけでなく、理論班が分析に使うためのデータを正確に取得する必要があり、その難しさを痛感することも多いです。一方で、期待通りのデータを取得できた瞬間の達成感は格別です。
Science制御の魅力は、何といっても理学系(理論系)のメンバーと一緒に開発できることだと思います。試薬や分析手法・装置について一緒に調べたり、遠隔制御用アプリに対してフィードバックをもらったりと、分野を超えた活動の中で多くの刺激を受けています。ローバーの上の「小さな実験室」にワクワクしながら、日々開発に取り組んでいます!
✳︎ 大切にしていること
私の開発におけるこだわりは「チームで開発すること」です。
私は中学生の頃から部活動で物作りを経験し、「自分1人ではできないことも、チームで協力すれば実現できる」ということを実感してきました。もちろん物作りそのものも好きですが、黙々と一人で作業するよりも、仲間とアイデアを出し合いながら形にしていく時間が好きです。
Science班には、理論班が考えた分析手法を機構系のメンバーが形にし、それを私たち制御班が動かすという「分野を超えた人との繋がり」があります。それぞれの専門性がつながって一つのミッションに挑む環境は、チームで開発をしたい私にとって最高の環境です。

✳︎ PASSION
私のPassionは「宇宙×物作りの魅力を多くの人に伝えること」です。
私は、中学・高校の部活動でモデルロケットの製作に取り組み、大会を通じて同年代の航空宇宙工学を志す仲間や、実際に企業で開発に携わる方々と出会いました。その経験を通して、宇宙や物作りの奥深さ・楽しさを知り、機械系に進みたいと思うようになりました。 STEM教育の一環として活動や大会を支えて下さった方々の存在がなければ、私は宇宙にも物作りにも興味を持たなかったと思います。だからこそ、私が「魅力を伝えたい」と思うのは、当時支えてもらったことへの“恩返し”の意味も込められています。
現在はARESでの活動に加えて、学内の物作り系団体にも所属し、小中高生を対象に工作教室や宇宙に関するワークショップを企画・運営しています。ARESでも機会があれば同様の活動をしてみたいです。
✴︎ 今後ARESで挑戦したいこと
今後も、Science制御の分野でARESに貢献していきたいと考えています。
Science制御は、理論班が考える分析手法や、機構班が設計した装置を理解したうえで、それを「どのように動かすか」を考える立場にあります。今はまだ、理論班や機構班の要望に応えるものを作り上げるので精一杯ですが、将来的には機構・理論の知識を身につけ、互いの立場を理解したうえで開発を進められるようになりたいです。
最終的には、分析プロセスの全自動化にも挑戦し、Science Missionの効率化と精度向上に貢献できればと考えています。






