
書籍そのものというより、WORKLIGHTSとしての取り組みのお話です。
茨城県下妻市の本屋さんでポッドキャストを作っています。
「TOKU BOOKS」という個人書店の店主、平良忍さんと一緒に「だれもが帯びている『役割』をふっと解いてくれる本を紹介」する番組を配信中。月に1度ぐらいのペースでお店に伺い、1回につき3本、TOKU BOOKSさんので扱う本の話を収録しています。
名刺の肩書は編集・ライター・フォトグラファーで、今まさに本づくりに四苦八苦している自分が、なぜ本屋さんのPodcastまで手伝っているのか、少し謎な活動かもしれません。
でも私にとっては、これも「光を当てる」「気づいてもらう光を作る」取り組みの一つでもあるし、ライターとして大切にしてきた仕事観の延長にある....ような気がしております。
ちなみに番組はこちら。よろしければぜひご視聴を。そしてぜひお店にも足をお運びください!
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★TOKU BOOKSさんの番組「とまり木は本の中~私に戻るためのブックガイド~」
https://open.spotify.com/show/0iHDYMQk4PbYWJzJ655I5d?si=bd1a090904484826
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「リターン以上のお返し」をしたかった
平良さんとの出会いは、このクラウドファンディングの営業でした。
実は、下妻は私の地元です。そこに新しくできた個人書店ということを聞きつけ訪問。最初のご挨拶のときから話が盛り上がり、結果的にクラファンを支援していただきました。それも、書店様向けの少し高めのご支援プランにです。
常時メンタル不安定だったクラウドファンディング期間中、とてもありがたい出来事でした。
クラウドファンディングは、支援依頼の営業がとても大切なのですが、わたしにとってはなかなかのしんどさがありました。「応援したいと思う気持ち」は本来、相手の中に自然に湧いてくるもので、それがあるから支援というアクションにつながっていくのでは....と思っています。支援依頼は、湧き出てくる応援の気持ちをすっとばして「支援」というアクションに向かわせてしまう感じがしてしまう。
だからこそ、ご支援いただいた方には、自分が負担になりすぎない形で、クラウドファンディングのリターンとは別に何かお返しができたらなと考えておりました。
そんな、支援のご縁や地元下妻のご縁もあり、「ポッドキャストやってみませんか」と私からお誘いしました。
ブックカフェなのでコーヒーとおやつもあります。コーヒーは「読書のお供になるように、冷めても美味しい苦め」なタイプ。
「店主さん」を好きになってもらう
私がお店を訪れた当時、TOKU BOOKSさんはオープンして1か月も経たない時期。
私はビジネスコンサルタントではないので戦略を考えることはできません。それに、せっかく平良さんが作った世界に土足で入ってくのも良くない。
自分にできることで応援するなら何だろう、と考えたときに思いついたのは、取材やインタビュー。ポッドキャストも、過去に少しやっていたことがある。
そこでたどり着いたのが、「店主の平良さんのことを好きになってもらう」ために行うポッドキャスト番組づくり。
TOKUBOOKSさんは、平良さんが淹れるコーヒーは美味しいですし、セレクトしている本も素敵で、大型店ではなかなか見かけない一冊が置かれていたりもします。でも、わざわざここに足を運んでもらう決定打って何だろう?と考えたとき、結局のところ「平良さんに会いに行きたいかどうか」に行き着くんじゃないかと思いました。
小さな規模でやっているお店や事業は、「やっている人そのもの」を好きになってもらうことが大事なんじゃないか、とうっすら感じております。だったら、平良さんが楽しそうに本の話をしている声をそのまま外に届ければいい。それを聞いた誰かが「素敵な人だなあ」と感じてお店に足を運んでくれたら、お店の認知や売り上げにもつながるはず。類は友を呼ぶみたいな感じで、TOKU BOOKSさんコミュニティもうまれるのでは。
みたいなことを考えながら、ポッドキャストやそれに付随することをお手伝いするのが、自分なりのお返しになるんじゃないかと思いました。
「いい時間」からあふれる自然な言葉
自分が普段の取材で意識していることも、実はこれと地続きかも、という感じはしています。
情報を効率よく引き出すことも意識しますが、「取材された側にとっても、いい時間だったな」と思ってもらえる場をつくることを大事にしています。あと、相手をコントロールしようとしない、話を引き出してやろうみたいな態度にならない、自分も飾らない、みたいな....
そうしていると、相手の自然な言葉がこぼれ落ちてくることがあります。台本通りではない、作られたわけではない、どこにでもあるわけではない、要約すると意味が無くなってしまう言葉というか。(本としてのWORKLIGHTSにもそういう意識があります)
平良さんと収録しているときは、無理に何かすごいこと言わせようとするというより、「まずは平良さんが楽しそうに話している」感じを作りたいなと思っています。普通のお仕事のインタビューと違ってそれがなかなか難しいのですが(最近ちょっとコツがつかめてきました)。
「本当は、もうちょっと"しっとり"した声で話したいんだよね」と言いつつ、ついついカラっとした太陽のような声で話しちゃう平良さん。お店のこと、お客さんのこと、本のこと、ときどき脱線して飛び出す話題などなど。そういう生っぽい温度感が、ちゃんと声に乗って、平良さんのファンが生まれていったらいいなと思います。
収録はいつも店舗内にて。毎回、紹介する本をお借りして事前に拝読しております。新たな視野を持てて、とても楽しい。
温度のある声はちゃんと届く
ありがたいことに、ポッドキャスト聞いて初めてTOKUBOOKSに足を運んでくれた方もいらっしゃるのだそう。
声から私のビジュアル(白シャツとメガネ)をほぼ全問正解で当ててきた方もいて、これには驚きました....(.が、よくよく考えると私の名前でググるとビジュアルが分かります)
温度のある声は、ちゃんと誰かに届くのかもしれません。個人的には、この「誰か」を、もっとちゃんと狙った相手、必要とする人たちに絞れるようにしていきたいのですが。
これから、人棚オーナーさんを招いての公開収録など、やってみたい企画もいくつかあります。本・ポッドキャスト・仕事でいただいているWeb記事などありますが、おそらく自分は、「働く人の声を聞く労力を惜しまない」という根っこみたいなものは、たぶんずっと変わらないような気がしています。時代錯誤なのかもしれませんが....
本を作ったり、取材を重ねたり、いろいろな形で「働く人」の話を聞いて回っています。職種も世代も地域も違う人たちの具体的な話の中に、自分が元気に生きるためのヒントがあると、思っています。
平良さんもまた、本屋という仕事を選び、毎日その仕事に向き合っている一人の「働く人」です。その声を通して、誰かの「TOKU BOOKSに行ってみたい」をちょっとでも多くつくれたらいいな、と思っています。




