
みなさま、こんにちは。Cultiva代表の副田大介(そえだ だいすけ)です。
連日、多くのご支援や温かいメッセージをありがとうございます。
今回は、私たちが使用している「麹菌」についてご紹介します。少し専門的な内容になりますが、よろしければお付き合いください。
米の特性を最大限に引き出すために、Cultivaでは「焼酎用の黄麹」を採用しています。
清酒用と焼酎用の麹菌には明確な違いがあります。焼酎用の麹菌は、プロテアーゼやカルボキシペプチダーゼといったタンパク質分解酵素の活性が高く、焼酎中にアミノ酸由来の香気成分を多く生成します。焼酎では蒸留によってアミノ酸そのものは除かれるため、アミノ酸量が過剰であっても製品に悪影響を与えにくいという特徴があります。
一方、清酒用の麹菌は、タンパク質分解酵素の活性が低く抑えられているものが多いです。これは、清酒では生成されたアミノ酸が製品中にそのまま残るためであり、味の出すぎ(いわゆる雑味)を避ける目的があります。
では、焼酎で使われる麹菌を、なぜどぶろくに使うことにしたのか。そのきっかけとなったのが、「プロリルエンドペプチダーゼ」という酵素に関する研究でした。この酵素は、特定のペプチドを分解しながらエステル化を促し、清酒中において味わいに良好な影響を与える可能性があることが報告されています(※参考文献)。
私はこの知見を参考に、プロリルエンドペプチダーゼ活性の高い麹菌を狙って、Cultivaで製造した6種類の米麹を清酒に添加し、4℃で3日間処理して味の変化を比較しました。高価な分析機器は使えませんが、テイスティングによる官能評価で検証したところ、添加前より味の奥深さ、コクが向上したのが、焼酎用の黄麹でした。
清酒ではあまり使われない麹菌ですが、新たなどぶろくづくりに活かされることに、大きな手応えを感じています。他の麹菌にはない旨みや奥行きを、この麹菌で表現できることに強い可能性を見出しています。
まだまだ試行錯誤の連続ですが、引き続きCultivaの挑戦を応援していただけると嬉しいです。
参考文献:
橋爪克己(2024)「清酒の呈味性ピログルタミルオリゴペプチド」醸協, 119, 232–238



