
本プロジェクトでは、「島に愛のある関係人口プラス100万人」を掲げています。
では、具体的に「島に愛のある関係人口」や「未来のシマ共創会議」が、島で生きる当事者に何をもたらすことができるか。
人口5人の島を継ぐ梅本さんに続いて、東京からご夫婦で沖縄県の宮古島に移住し、昨年まで島暮らしをしていたリトケイの活動コミュニティ「うみねこ組」の一員でもある蛭川万貴子さんのメッセージを紹介します。
大学進学をきっかけに広島から東京へ出て20年以上。コンクリートの街で慌ただしい日々を送りました。そんな私が夫婦で思い切って沖縄の宮古島に移住したのは、7年前のこと。昨年末までの7年間、島で暮らしました。
「内地」と「島」、なんていう区切り方は好きではないけれど、暮らしてみて初めて分かる違いがそこにはありました。選挙の一票が、ただの数字ではなく“未来を動かす手触り”を持っていること。誰かの小さな「やりたい」が、潮の満ち引きのようにあっという間に広がり、共感の波となって押し寄せること。そして近所同士の気遣いの「気」の深さ。台風の夜、窓を打つ風音に胸がざわついても、不思議な安心感がありました。知らない人でも、いざという時には肩を並べられる…そんな信頼が、島の空気には混ざっていました。

宮古島には「あららがま魂」という言葉があります。「負けてたまるか!」という静かな炎のような精神。それは派手ではないけれど、芯から強いもの。隣り合わせの自然や時代の流れの中で、島の人たちはその火を胸に、課題に静かにしなやかに向き合っているのです。言葉は異なれど、きっと他の島でも根付いている精神です。
そんな島で、私はリトケイと出会ったことで、日本各地の離島で奮闘する人たちの存在を知りました。「内地」に戻り、地域の住民として過ごすと同時に、仕事を通して中小企業を支援する今、7年間で見て感じた景色や人の知恵が、じわじわと私の中で形を変えてきつつあります。私たちの周りには、たくさんのシマ(コミュニティ)があります。自分が住んでいる地域、実家のある地域、働いている地域・・そして、会社の中にだって、部署やグループ、チームや同期など、さまざまなシマがあります。島の取り組みを知ることは、こうしたシマの課題解決や魅力発見、魅力創出のヒントを得ること。島が見せてくれる知恵や関係の築き方は、そのための“宝の地図”です。
島は、心を揺らし、エネルギーをくれる場所。リトケイは、その力をつなぐ灯台のような存在です。日本は島国。たくさんの島で構成されています。と同時に、たくさんのシマで構成されています。皆さまが大切に思うコミュニティはどこにありますか?ぜひ共創会議の場で、多くの皆さまと島やシマの未来について探究できると嬉しいです。







