東日本震災から15年。釜石の森林をめぐる物語を全国、そして次の世代に届けたい
プロジェクトページをご覧いただきありがとうございます。岩手県釜石市在住のフリーランスのライターで、元・復興支援員(釜石リージョナルコーディネーター/通称「釜援隊」)の手塚さや香と申します。
私が挑戦するのは、自身が出版する書籍『つなぐ森林業 ~海のまちの森林組合、復興からその先へ』を通じて、釜石地方森林組合の東日本大震災後の取り組みを次世代に伝え、日本全国の人たちに広げることです。震災から15年となる2026年2月に刊行予定のこの本への想いをお伝えします。
悲しみを乗り越え、人とつながり、人を呼び込む「再生」の記録
『つなぐ森林業 ~海のまちの森林組合、復興からその先へ』。
この本は、津波で役職員5名を失うという壊滅的な被害を受けた釜石地方森林組合が、いかにして再生を遂げてきたのか。そして、全国のたくさんの人たちと繋がりながら、どのように釜石に「人」や「知恵」を呼び込んできたかを記録したノンフィクションです。
大地震や豪雨災害などが多発する今、私たちは日本のどこにいても、自分自身が被災者になったり、組織が被災するという事態の当事者になる可能性のある時代を生きています。
津波で多くのものを失い、試練に立ち向かう中での苦悩や葛藤。復興に全身全霊で取り組み、そこから新しいことを起こしてきた人たちの強さやたくましさ。災害からの復興は、多くのことを教えてくれます。この学びは、これからの災害大国の私たち、そして次世代にとって、生きる力とは何かを伝えてくれるものです。
だからこそ、本という形で残したいと考えました。
筆者(プロジェクト実行者)について
私は、震災前、新聞記者として岩手で働いた経験があったため、震災直後から遠野まごころネットを通じて釜石や大槌でのがれき撤去などのボランティア活動に参加してきました。記者として東京で働きながら、復興工事の遅れや被災地の人口流出といった課題を取材を続ける中で、「地域の未来をつくっていこうとしている人たちの力になりたい」そう考えて、2014年に新聞記者を辞め、釜援隊の一員として移住しました。
(筆者が着任した当時の釜援隊メンバーと釜援隊を支える関係者 :釜援隊協議会webサイトより)
それから2021年までの6年間、釜石地方森林組合に机を置き、外部連携コーディネーター兼広報担当として、組織の歩みを間近で見てきました。
そこには津波で亡くなった人たちの遺志を受け継ぎ、地域の林業の再興に向けて汗と涙を流すリーダー・高橋幸男さんがおり、リーダーの想いのもと、がれきを撤去し、復興工事のために木を伐り、その後に発生した林野火災の復旧のために山に向かう職員たちがいました。
震災からの歩みは決してたやすいものではなく、次々に発生する困難に向き合い、苦悩し、さまざまな人たちからの応援や知恵を力に変えて、進み続けた、そんな15年だったのです。
20人の声を取材し書き上げたノンフィクション
6年間、釜石地方森林組合で働き、中でも高橋さんとは日々たくさんの対話をしていましたが、この本を書くにあたり、森林組合の役員や職員、復興支援でかかわってくださった方々など20人ほどに取材し、高橋さんにも合計で10時間以上のインタビューに協力してもらいました。
取材を通じて、私はお会いすることがかなわなかった津波の犠牲になった曽根哲夫代表理事組合長の森林組合経営改革への強い想いやリーダーシップが、「組合員のために」という組合員第一の経営の礎になっていることを改めて認識しました。
元組合長の「森林組合の記録を残してほしい」
私がこの本の執筆を決めたのは2024年のことでした。復興支援員として活動したあいだ、森林組合の代表理事組合長を務め、日々さまざまなお話をしてきた久保知久さんから「釜石地方森林組合の活動をきちんと記録して残したほうがいいのではないか。それができるのは手塚さんじゃないのか」と言われたことがきっかけでした。
(出版のきっかけを作ってくださった久保知久さん、筆者、高橋幸男さん =左から)
ちょうどそのころ、釜石地方森林組合の再生をけん引してきたリーダーである参事の高橋幸男さんが、「ようやく震災当時のことを人に話せるようになった」と言うのを聞き、釜石地方森林組合の震災からの記録を残すのは今ではないかと思いました。
この物語を全国に届け、さらに後世にむけてきちんとアーカイブされるためには、やはり「本」という形が最も望ましいと考え、どういった形で出版できるか情報収集を始めました。
“釜石つながり”の不思議なご縁
そんな折、前釜石市長で、後に釜石地方森林組合の代表理事組合長に就任される野田武則さんが、釜石の復興の道のりを記した書籍を出版されることになり、私は校正など一部の作業をお手伝いさせていただくことになりました。
この野田組合長の本の出版元が PHP研究所であり、出版のきっかけを作ったのが、釜石市出身で同社の編集者だった佐藤さんでした。この不思議なご縁をきっかけに、私の自著『つなぐ森林業』についても、佐藤さんに全面的にサポートいただきながら、PHP研究所から出版してもらう運びとなりました。

佐藤さんが釜石に帰省されている期間には、京都のPHP研究所から釜石に駆けつけた編集者の三宅さんとともに、佐藤さんのご実家の仏間で、3人で原稿の朱入れをするといった珍しい体験を経て、お二人の協力のもと、なんとか本は完成のめどがたちました。

クラウドファンディング挑戦の理由
この本は、全国の書店に流通する本ではありますが、同時に私の方でも一部を買い取り、この本を広めていく必要があります。これは一介のフリーランスにとっては大きな挑戦であり、本当に出版するべきかどうか悩みました。
しかし、東日本大震災という歴史的大災害の復興支援の一端にかかわった元新聞記者として自分が果たすべき使命だと考え、出版を決めました。震災から15年の今を生きている人たち、そして津波の犠牲になった関係者のご遺族、これから先、災害大国日本で生きていく未来の人たちに、釜石地方森林組合の15年間の歩みを知ってほしいのです。
まったく希望が見えない厳しい状況の中でも、目の前にある自分のなすべきことから逃げずに向き合い続けることによって、道は拓けるのだというメッセージは、災害などの非常時だけでなく、私たちが生きていくうえで、とても大切なものだと私は思っています。
釜石地方森林組合という小さな組織が震災後の15年取り組んできたことを一人でも多くの人に知っていただくため、この本を手に取っていただくきっかけを増やしたいという強い思いから、今回クラウドファンディングに挑戦することを決めました。
本や本屋さんが好きな皆さんへ
「この本を広める」という趣旨に共感してくださった方、この本の中心人物である高橋さんや著者の私の話も聴いてみたいと思ってくださった方は、ぜひ返礼品の中から興味のあるリターンを選んで応援していただけますと幸いです。皆様からのお気持ちを、この物語を広げる力に変えていきたいと思います。
シンプルに「本を読みたい」と思ってくださった方は、お近くの本屋さんに注文してください。私自身、もともと本や活字が好きで、新聞記者として働いていた経験もあります。地域の文化を支えている書店さんには、これからも頑張ってもらいたいという気持ちが強くあるので、ぜひ、リアルな本屋さんでお買い求めいただけうとうれしいです。
釜石にお住まいの方は、釜石で長く続く桑畑書店さんやさわや書店、大槌の方は、一頁堂など、近くのリアル書店でお手に取ってください!
リターンについて
大きくわけると
・本を学校に寄贈するコース
・本があなたのお手元に届くコース(オリジナル限定グッズつき、サイン入り、など)
・イベント参加などのコース
ーーをご用意しています。
本がついていないコースもありますので、ご注意ください。
スケジュール
2月 クラウドファンディング開始
2月27日 一般書店での本の販売開始
クラウドファンディングにご協力いただいた方への発送開始
学校への発送開始
3月14日 東京での出版記念イベント
3~4月 釜石での出版記念イベント(このプロジェクトのリターンではありません)
3月31日 クラウドファンディング終了(予定)
最後に
この本が、さらに多くの方々と釜石地方森林組合のご縁がつながるきっかけになればうれしいです。
応援、よろしくお願いします!
最新の活動報告
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<リターン関連レポート>尾崎半島林野火災復旧現場での植樹活動を実施しました。
2026/10/15 17:59こんにちは。『つなぐ森林業 ~海のまちの森林組合、復興からその先へ』の著者の手塚です。クラウドファンディングではたくさんの方々に応援していただき、本当にありがとうございました!ラジオ番組に出演したり、講演する機会をいただいたり、釜石出身者の集まりである「はまゆり会」でPRと販売の機会をいただいたりと、この本のことを地道にお伝えしている今日この頃です。さて、このプロジェクトのリターンのひとつであった釜石・尾崎半島での植樹活動 を2週続けて実施致しました!8年ぶりの尾崎半島植樹活動 東京の支援者さん1組目は、東京都内からお越しのI村さん。東京での植樹ボランティアに継続的に参加してこられたとあって、足場の悪い山火事跡地でもとても丁寧にカラマツの苗を植えてくださいました。尾崎半島での林野火災発生は2017年です。「まだ、植樹が続いているのか!」と驚かれた方もいるかもしれませんが、復旧事業の予算を活用した作業はだいぶ前に完了していますが、防護柵をくぐって林地に入ってしまうシカの食害で一部、枯れてしまったり、生育の悪い木があるため、それを補完するために、シカがあまり好まないカラマツを植え替える作業を進めています。(シカが樹皮を剥いでしまい、枯れかけているスギ……)適地適木という観点からは、この区域はスギの適地ですが、補植するのはカラマツです。また、もともとはアカマツが自生していた区域なので、尾根筋を中心にアカマツが生育していました。黄色の中は、復旧事業で2020年前後に植えたスギで、赤で囲んだものが今年植えたカラマツです。じつは、I村さんは2017年、2018年に一般の方を対象に実施した尾崎半島での植樹活動に参加してくれた方でした!(ありがたや)ぜひ当時植えた区域も見ていただきたい、ということで、今回の補植に先立って、2017年に植えた区画で木々の成長を見てもらいました。みちのくトレイルハイカーさんとの植樹活動2組目は、みちのく潮風トレイルを前線踏破したというスルーハイカーさん。なんと、愛知県からわざわざ来てくださいました!こちらのI藤さんも、各地での植樹活動に参加されたことがあるということでした。急傾斜の現場で、さらに、食害で枯れたスギの植わっていたポイントを探して植えるというハードな活動でしたが、時間ギリギリまで1本でも多く植えようと粘り強く作業していただきました。あらためて、発生から9年たつ今もこうして釜石の山林を気にかけてくださる方々の存在に勇気づけられます。昨年、今年発生した大船渡市と大槌町での林野火災の復旧にむけても、一般の方々が参加できる活動があれば、ご案内していきたいと思います。植樹活動をリターンとして選んでくださった方々の活動はこれからも続きます。 もっと見る
<リターン関連進捗報告>大船渡市の小中学校に寄贈しました
2026/05/21 12:04こんにちは。今回のクラウドファンディングのリターンの一つとして設定していた「大船渡市内の小中学校への寄贈」ですが、5月18日に無事、大船渡市教育委員会さんに『つなぐ森林業』をお渡しすることができました。なぜ釜石地方森林組合の所管する釜石市と大槌町だけでなく、大船渡市の学校にも寄贈するかというと、大船渡市では昨年2025年に大規模な林野火災が発生し、その只中にあるからです。地域の森林再生を見守っていくことになる世代の皆さんに、ぜひこの本を読んでもらいたいと思い、寄贈させていただきました。本をお届けするだけのつもりでしたが、本のことや森林組合の取り組みについて紹介する時間をいただき、写真まで撮っていただきました(お手数をおかけしました)。1人でもよいので、森林再生に関心を持つ子が増えたり、地域の山林を管理する仕事をやってみたいと思う子が現れたらうれしいです。このリターンを選んでくった皆様、寄贈を受けていただいた大船渡市教育委員会様、ありがとうございました! もっと見る
釜石市と大槌町内の小中高校への寄贈が完了しました。
2026/05/18 13:00クラウドファンディングでたくさんの方にご支援いただいた「岩手県内の学校への寄贈」の進捗のご報告です。じつは、「釜石市内と大槌町内の学校への寄贈」のうち、大槌町内の町立吉里吉里学園の小学部と中学部への寄贈ができておりませんでした。4月上旬に大槌学園などには本をお渡ししに足を運んでいましたが、4月22日に大槌町で林野火災が発生し、吉里吉里地区にも避難指示が出ていたこともあり、なかなか学校に伺うこともできずにいました。大型連休前に学校も再開するなど、林野火災に関する対応がだいぶ落ち着いてきたため、吉里吉里学園の小学部と中学部に寄贈しに行ってきました。小学部は、本に登場する釜石地方森林組合職員・加賀さんの母校であり、子どもさんが通っています。先生方にそんなお話もしつつ、2017年には釜石でも林野火災があり、その木が釜石鵜住居復興スタジアムで活用されていることなどもお伝えしてきました。小学生にはちょっと難しい内容かもしれないですが、先生方に読んでいただき、地域の森林のことや林野火災について考えるきっかけにしていただけるとうれしいです。ご対応いただいた先生方、ありがとうございました。 もっと見る





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