【活動報告です|クラウドファンディングはいよいよ明日12/26まで】このクラウドファンディングも、いよいよ明日12月26日までとなりました。最後に、私・清水がこの椅子づくりを通して感じてきた、理学療法士・大渕哲也先生、そして椅子張り職人・宮本茂紀さんについてお伝えさせてください。今から4年前、年を重ね「座ること」がつらくなり、床に臥す時間が増えていった亡き実父。少々プライドの高かった父は福祉用具に抵抗があり、頼ることなく、次第にいら立ちを募らせていました。「座る時間を、もっと楽しく、楽に、誇りを持って過ごしてほしい」快適さだけでなく、尊厳を守れる椅子をつくりたい――当初は曖昧模糊ながらも、そんな想いが芽生えていました。そんな折、大渕先生が語った一言!「円背が進んだ虚弱高齢者が、本当に快適に座れる家具椅子は日本にない」「だからこそ、そんな椅子をつくって差し上げたい」この言葉が、troneの始まりでした。そして、その想いを形にしたのが、「身体が喜ぶまで妥協しない」と語る“椅子の神様”宮本茂紀さんです。専門家の視点と職人の手仕事が重なり、4年の歳月を経て生まれたのが「背中で座る椅子 troneチェア」。これは単なる商品ではなく、人の人生に寄り添うための一脚です。ぜひ「座ることを諦めない」世界を、皆さまと一緒につくっていただけたら嬉しいです。
座ることで起きる『身体の痛み』と『筋力低下』このスライドタイトルを見て、多くの方が思い浮かべるのは「座りっぱなしだとお尻が痛くなる?」「座り続けると足腰の力が弱くなる?」といったイメージかもしれません。しかし、今回のリターン研修でお伝えしたいのは、単に“長く座ること”の問題ではありません。テーマは、**「合わない椅子に座り続けることで起きる、身体の痛みと筋力低下」**です。椅子が身体に合っていないと、知らず知らずのうちに無理な姿勢を強いられ、特定の部位に負担が集中します。その結果、痛みだけでなく、本来使われるべき筋肉が使われなくなり、筋力低下や姿勢の崩れ、動作の不安定さなど、さまざまな支障が連鎖的に生じていきます。研修では、そうした痛みや筋力低下が起こるメカニズムをできるだけ分かりやすくお伝えするとともに、「痛み以外にも、身体に何が起きているのか」という点にも触れていく予定です。また、せっかくの対面研修ですので、スライドを“見る・聞く”だけで終わらせず、ご自身の身体で実際に感じていただく《体験実習》の要素も、できる限り盛り込む準備を進めています。trone 実機とともに、「座ることで、身体がどう変わるのか」をぜひご自身の身体で体感してみてください。
早いもので、もうすぐ年末。そして「背中で座る椅子 trone」クラウドファンディングも、いよいよ終了を迎えます。リターンとして実施する研修に向けて、現在準備を進めています。年明け 1月16日(金)にはZoom研修、1月24日(土)にはリアル研修会を開催予定です。添付の図は、Zoom研修で使用する**「良い姿勢とは?」**を説明するプレゼン資料の一枚です。(リアル研修でも同様に使用します)介護の教科書には必ずと言っていいほど、「座面の奥にお尻を引き、真っすぐに身体を起こして座ってもらいましょう」と書かれています。しかし現場では、「そう座りたくても、座れない」——それが多くの高齢者の現実です。椅子が合う・合わない以前に、身体そのものが“教科書通りの姿勢”になれないのです。では、高齢者の方や身体に障害をお持ちの方にとって、本当の意味での 「良い姿勢」 とは何なのでしょうか。ここを整理し、正しく理解しない限り、必要な支援の形——たとえば 椅子の形 も、明確にはなりません。この考え方こそが、troneチェアの設計における、最も大切な“基礎” です。研修では、この「当たり前を疑う視点」から、皆さんと一緒に整理していきたいと考えています。
前回の活動報告では、「要介護状態にならないための〈介護予防〉には、実は“椅子”がとても大切である」というお話をお伝えしました。ところが現在、一般家庭や施設で広く使われている家具椅子、特に食事の際に使われるダイニングチェアは、虚弱な高齢者の方にとって 安楽に座れる設計になっていないことが多い のが現実です。その大きな理由は、「椅子の背もたれが、高齢者の背中に合っていない」 ことにあります。虚弱な高齢者の方が座ると、中壮年の方と比べて・骨盤が後方に倒れやすく・背中が丸まり・背中全体が後ろへ突出しやすいという姿勢になりがちです。しかし一般的なダイニングチェアの背もたれは、こうした丸まった背中の形状を想定していません。そのため背中にフィットせず、結果として身体全体を前方へ押し出してしまいます。するとどうなるか。座っている身体が・前に潰れる・横へ傾くといった不安定な姿勢になり、「座っているだけなのにつらい」状態が生まれてしまうのです。trone の背もたれが目指したことtroneチェアの背もたれは、そのような虚弱な高齢者の背中そのものに合わせて設計されています。・骨盤が後傾してしまうことを無理に矯正せず、受け止める・丸まった背中を後方へ“逃がしながら”支える・そのうえで、少しでも背中が伸びる方向へ導く――そんな考え方で、背もたれの形状と支点を作り込みました。「姿勢を正させる椅子」ではなく、「今の身体を受け止め、支える椅子」。それが、“背中で座る椅子” troneチェアです。
介護予防という言葉をご存じでしょうか?医療・介護関係者には馴染のある言葉ですが、一般の方々の間ではどうでしょうか?例えばテレビCMでは、健康機器や栄養サプリの宣伝時にこの言葉が使われています。介護予防とは『中年期~初老期以降に要介護状態にならないように』取り組まれることを指します。具体的には・基礎体力維持のための「ウォーキング」・筋力維持のための「筋トレ/パワーリハビリ」・高血圧や糖尿病といった生活習慣病悪化予防としての「栄養改善/喫煙飲酒などの生活習慣改善」・認知症予防としての「脳トレーニング」などなどですね。でも、これらよりももっと基本的に大切にしないといけないことがあります。それは日々の生活の中で「歩きやすい靴」を履き、「座っていやすい椅子」で過ごすこと、です。靴がダメだとどんどん歩き方が崩れ、椅子の座り心地が悪いと臥床時間が増えていってしまいます。歩く・座るという当たり前の動作を守ることこそ、介護予防の土台。このクラウドファンディングは、毎日使う椅子から介護予防を考える挑戦です。






