
活動報告 Vol.9
「民間で“仕組み”を作らない限り、医療は変わらない」
「もう限界だ…」
医療現場から届くこの声が、なぜ国に届かないのか。
最近、SNSでも国会でも、
「医療費を上げてほしい」という発言をよく目にします。
でも多くの人が知らない “根本の構造” があります。
■① 今年、3,000億円の「定着支援」が出た
これは前進に見えますが、実は “今年だけの延命措置” に近いものです。
来年また予算がつく保証はありません。
つかなければ、現場はまた振り出しに戻ります。
■② 国ができることは、制度とお金だけ
国の手段は限られています。
・ドクターバンク
・ナースバンク
・ハローワーク
・限定的な補助金
・一時的な定着支援
つまり──
“医療人材の仕組みそのもの” を国はつくれません。
だから、現場の苦しみが繰り返されてきました。
■③ 本当の問題は「約2兆円」が外へ流れ続けていること
日本の医療は“管理経済”で動いています。
しかしここに、“一般経済(営利)”が入り込んでしまった。
その結果、
毎年 約2兆円が
医療 → 人材紹介会社 → 株主配当
へと流れ、現場に戻ってきません。
そして、また医療現場は「財源が足りない」と陳情する。
この 負のループ が、最も大きな構造課題です。
■④ だからこそ
—民間が「仕組み」をつくらない限り変わらない
NPOでは限界があります。
理念は素晴らしくても、資金が尽きれば続かない。
必要なのは、
・民間のスピード
・持続可能な黒字モデル
・収益を現場に“循環”させる設計
・DXでコストを1/10に下げる仕組み
・現場と行政をつなぐ基盤
これらを同時に実装できるのは、民間だけです。
だから僕は、
医療人材の“仕組みそのもの”を作る挑戦を始めました。
■⑤ 僕はその仕組みを「ひとりで」全国に広げ始めた
毎日電話し、全国を回り、現場の声を聞き続けて──
気づけば、
全国の事業所の 78.1% が賛同
してくださる流れが生まれました。
これは、
「行政や協会と正式に議論できる土台が整い始めた」
ということでもあります。
小さな一歩でも、医療にとっては本当に大きな一歩です。
■⑥ 次は、協会と厚生労働省へ
この基盤を土台に、次は “協議フェーズ” に入ります。
・ひとり社長で地域医療を支えている方を守るため
・片道3〜4時間の通院をなくすため
・義足を諦めなくていい未来のために
現場と行政をつなぐ“当事者発の仕組み” をつくります。
■(次回へ続く)
次回は、
「では具体的に、どう医療人材の構造を変えるのか?」
その“戦略の核心”をお話します。



