
「サウナから急に水風呂に入ると、心臓に悪いのでは?」これは、サウナについてよく聞かれる質問のひとつです。
たしかに、高温環境から急に冷たい水に入る行為は、体に大きな刺激を与えるため、注意が必要な行動でもあります。一方で、これまでの研究や医療情報を見ると、健康な人が適切に行うサウナ浴と水風呂の組み合わせが、直ちに危険だと断定されているわけではありません。
大切なのは、「サウナと水風呂が良いか・悪いか」ではなく、**“どう入るか”“どんな状態で入るか”**という視点です。
今回は、公開されている科学的・医学的な情報をもとに、サウナ浴の健康効果と注意点を整理してみたいと思います。
1.サウナ浴と健康
心血管系への影響
複数の研究で、定期的なサウナ浴が心血管系の健康と関連することが示されています。フィンランドで行われた大規模研究では、週に4〜7回サウナ浴を行う人は、心臓病や脳卒中による死亡リスクが低い傾向にある、という結果が報告されています。
サウナによって体温が上昇すると、心拍数が増え、血管が広がり、血流が促進されます。この反応は、軽い有酸素運動に近い生理反応と考えられています。
自律神経・ストレス緩和
サウナ浴は、熱刺激によって自律神経に働きかけ、心身をリラックスさせる作用があるとされています。
いわゆる「ととのう」と呼ばれる感覚は、交感神経と副交感神経の切り替えが起こることで生じる、心身が落ち着いた状態と考えられています。
筋肉疲労・回復への可能性
体温上昇により血流が良くなることで、疲労物質の排出が促され、筋肉疲労の回復に寄与する可能性も示唆されています。
また、熱刺激によってヒートショックプロテインと呼ばれる細胞修復に関与する物質の生成が促される、という研究報告もあります。
2.水風呂は心臓に悪いのか?
結論から言うと、誰にとっても安全、とは言えませんが、すべての人にとって危険、というわけでもありません。水風呂に入ると、血管が収縮し、血圧や心拍数が一時的に変化します。この反応自体は、人間の正常な生理反応です。
ただし、
・心臓や血管に持病がある
・高血圧や不整脈がある
・体調が悪い、睡眠不足、脱水状態
こうした場合には、急激な温度変化が負担になる可能性があります。
そのため、医療情報では「無理をしない」「体を慣らす」「異変を感じたらすぐ出る」ことが重要だとされています。
3.サウナ浴で気をつけたいポイント
①サウナ・水風呂は「我慢比べ」にしない
②水分補給を十分に行う
③水風呂に入る前に、かけ水で体を慣らす
④体調がすぐれない日は無理をしない
⑤不安がある場合は医師に相談する
サウナは、ただ「熱い・冷たい」という体感だけではなく、自分の体と向き合う時間でもあります。せっかく体を温めるのであれば、安全で気持ちのいい体験であってほしいと考えています。
今回のレポートが、サウナをより健康的に楽しむためのひとつのヒントになれば幸いです。



