
今回も活動報告をご覧いただき、ありがとうございます。
稲岡です。
今日は、苦手だった『人前で話すこと』をどう克服していったか?カレッジの設立にあまり関係ないと思われるかもしれませんがお話したいと思います。
上司からの指示で、不本意ながら大手カレッジの講師を引き受けることになった私。しかし、そこには講師として人に教えるという以前に、私自身にとっての『巨大な壁』が立ちはだかっていました。
それは、『人前で話すこと』そのものです。
実は私は、幼少期から人と話すのが苦手でした。
頭の中に次々と考えが浮かぶせいか、言葉に詰まってしまったり、話が大きくズレていったり。自分ではそう思っていないのに、口から出る言葉が違っていたり……。そんな様子を、周囲から注意されたり、バカにされたりしてきた経験が、心の傷として残っていました。
大人になっても、できるだけ人前で話す機会を避けて生きてきました。避ければ避けるほど、苦手意識は強くなる。そんな悪循環の中にいたのです。
そんな私に、講師を命ぜられる少し前、管理者となるにあたって最初の試練が訪れました。私の事業所では、管理者が毎朝の朝礼で、全職員に向けて話す時間があったのです。
正直、イヤでたまりませんでした。しかし、逃げるわけにはいきません。 「これは人前で話す練習のチャンスだ」と自分に言い聞かせ、ある方法を思いつきました。
それは、話す内容をすべて「台本」に書き起こすことでした。 「ちゃんと話せるようにしなければ」という一心で、一言一句、噛まないように、ズレないように……。毎朝1時間以上早く出勤して台本をつくり、朝礼では、その台本をただひたすら、必死に読み上げる。それが私の「克服」への手立てでした。
そんなやり方をしばらく続けていたところ、私の大先輩で一度定年退職をされた後にパート職員として当事業所で働いてくれていた方がいました。部署は違いましたが、私の様子をずっと見ていてくださったのでしょう。ある日の朝礼の後、私のもとへ来てこう言ったのです。
「毎朝しっかり準備をしてキチンと話そうとしているのは、よくわかる」
一瞬、認めてもらえたのかと思いました。
しかし、言葉は続きます。
「だけど……紙を見て読んでいるから、言いたいことはわかるけど気持ちが伝わらない」
……ショックでした。自分なりに、必死に、一生懸命やっていたことだったからです。
でも、同時に気づかされました。「このまま台本を読み続けて、伝えるということが出来るのだろうか?」
早速次の日から、私は台本を作るのをやめました。 代わりに、紙にキーワードだけを書き、話がズレないように注意しながら、台本ではなく「職員の顔」を見て話すようにしていったのです。
それが、私の「本当の意味での克服」への第一歩でした。
次回は、ちょうどこの時期、自分自身の思考を整理する方法に出会ったお話をします。その出会いが、キーワードだけの朝礼、そして今のカレッジでの授業の方法へとつながっていくこととなります。



