
【目からウロコ。
これが「暮らしを支えるプロ」を育てる教育だ】
「介護過程ってね――」
そう言って、稲岡はホワイトボードに向かい、マーカーを握りました。
ホワイトボードに次々と描かれていく、〇や□や矢印。そして、これまで何度も教科書で見聞きしてきたはずの、聞き慣れた介護ワードたち。
それらが稲岡の手によって図式化されていくのを見た瞬間、私の中で信じられないことが起きました。 「なにこれ?すごい……!」 これまで点と点でバラバラだった知識が、まるでパズルのピースが綺麗にハマるように、カチッ、カチッと音を立てて繋がっていく。
さっきまでの不安や格好つけも全部どこかへ吹き飛んで、気が付けば夢中になってホワイトボードに釘付けになっている私がそこにいたのです。
「あ……そういうことだったんだ……!」 テキストの文字をただ追うだけでは決して分からなかった、現場の『暮らし』に直結する介護過程の本質が、一瞬で立体的に頭の中に飛び込んできました。
3ヶ月前、名古屋の井の中を飛び出した私がずっと求めていた答えが、まさにこのホワイトボードの上にありました。
「暮らしを支えるプロを育てるって、こういうことだ」 胸の奥をずっと塞いでいた分厚いもやもやが、跡形もなく綺麗に晴れ渡っていった研修前の30分。
この感動と確信が、私を「くりゆら」という次のステージへと突き動かす、決定的なエネルギーになったのです。
次回:チーム誕生。こうして私たちは「同じ船」に乗ることになった。



