プロジェクトに込める「農をひらく」という想い
はじめまして。
埼玉県小川町で農業を営んでいる、SOU FARMの柳田大地です。

私はまちの仲間たちとともに、農地を活用した新たな取り組み、『NŌ PARK(ノーパーク)』プロジェクトを立ち上げました。
NŌ PARKは、農地を「みんなが土とつながれる場所」としてひらいていくプロジェクトです。
農地は本来、農家しか立ち入らない場所です。しかし、そこで育てられた野菜やお米は、日々の食卓に並び、私たちの命を支えています。食を通じて、私たちはすでに農と深く関わっているはずなのに、現代の日本では、農や土と直接つながる機会がとても少なくなっています。
NŌ PARKでは、農地を「公園のような存在」としてひらき、誰もが気軽に、そして継続的に農と関われる場をつくっていきます。
この場所を通して、耕作放棄地をはじめとした農や食を取り巻く課題と向き合いながら、農が持つ可能性、土が生み出す命の豊かさを、みんなで共有し、育んでいきたいと思います。
有機の里・小川町について
私が農業を営む小川町は、埼玉県のほぼ中央、奥武蔵や秩父の山々に囲まれた人口27,000ほどの小さな盆地のまちです。
和紙や日本酒づくりといった伝統産業が息づき、水田と畑が共存する、里山農村らしい風景が今なお残っています。
地形的に大規模農業には向かない土地であるため、かつては養蚕や養鶏なども組み合わせながら、各農家が多品種少量生産で作物を育ててきました。
そして有機農業の先駆者である金子美登さんが農業を営んできた地でもあり、1970年代ごろから自然農法・有機農業が根付き、今では耕地面積の約19%で有機農業が営まれるなど、国内でも有数のオーガニックタウンとして知られています。

SOU FARMと、私自身のこと
私は東京にもほど近い埼玉県川口市で生まれました。母からの影響で小さい頃から食べるものへの関心が高く、「暮らしの根っこにある“食”に関わりたい」という想いを秘めながら東京でアパレル業界に勤めた後、農家に転身しました。
小川町での研修を経て就農し、独立してから現在に至るまで、この町で農業に向き合い続けています。
小川町に暮らして8年ほどになり、山付きの家を購入したことや、近隣の農家さんとの交流を通じて、土地に根ざす人としてこのまちの風景や環境のことを考えるようになりました。
SOU FARMの農の考え方
SOU FARMでは、不耕起・無農薬・無肥料の畑でお野菜を育てています。
これは単なる農法ではありません。土の中の微生物、虫、草花、作物——
その一つひとつの命と、どう向き合うかという姿勢です。
畑には、こうした多様な生き物たちの営みがあり、その循環の中でこそ、本当の豊かさが育まれます。
自らがその循環の一部として関わることで、畑を、そして周囲の環境を少しずつ良い状態へ導いていく。
それが、私の農の目標です。
農をとりまく課題と、NŌ PARKを始める理由
現在、日本の国土の約12%は農地です。農地は食料を生産するだけでなく、環境保全や景観形成など、多くの役割を担っています。
しかし今、全国的に耕作放棄地が増え続けています。それは小川町においても、非常に深刻な問題です。
これまで地域の農家がいることで、畑や田んぼが維持され、里山の風景が守られてきました。手入れされなくなった田畑が増えることで、獣が山から下りてきてしまう獣害や竹林が過剰に広がる竹害、景観の悪化など様々な問題が起こっています。
人口減少と高齢化により、農業の担い手が減少する中、農地とその風景を、もはや農家だけで守ることはできません。
これからは、生産者と消費者という枠組みを越え、社会全体で農地をどう守り、どう関わっていくのかをともに考え、実践していく必要があると考えています。
しかし現状では、畑や田んぼは農家以外の人が関われる余白はほとんどありません。
だからこそ私は、農家以外の人も自然に関われる農地のかたちを、自らつくろうと考え、NŌ PARKプロジェクトを立ち上げました。

NŌ PARKのミッション
NŌ PARKには、次の3つのミッションがあります。
1)耕作放棄地を利活用し、里山の風景を守ること
農家の担い手不足を補うため、市民が関われる農地活用のフォーマットをつくります。農地を「使われ続ける場所」にすることで、里山の風景を次世代へつないでいきます。
2)土に触れることを媒介にしたコミュニティを育むこと
小川町に住んでいても、みんなで土に触れる機会は限られています。都市部に近い小川町だからこそ、自然という誰もがフラットに関われる存在を媒介に、世代や性別、立場を越えた人の関わりをつくります。
3)農家の新たな事業の軸をつくること
気候変動の影響も大きく、農家という生業は年々不安定になっています。農産物の生産だけでなく、新たな事業のかたちをつくることで、農業そのものを再定義していきます。
NŌ PARKとは
NŌ PARKは、多くの人が気軽に、そして継続的に、農や地域と関係を育める「公園のような畑」です。
約2,000㎡の自家所有農地には柿や杏子など果樹が並び、放し飼いの鶏や、山羊、日本ミツバチを迎える予定です。
敷地の半分はシェアファームとして、区画貸しを行い、もう半分は、誰もが自由に過ごせる広場としてひらきます。
動物たちと触れ合ったり、みんなで作物を収穫したり、畑の周囲を子どもたちが走り回ったりと、畑というフィールドで楽しく、自由に過ごして欲しいと思います。
また定期的にイベントやワークショップも開催する予定です。
そうして生産の場から、集いと学びの場へ。畑の新たな可能性を探っていきます。
NŌ PARK KOUYAのはじまり
NŌ PARKという仕組みを形にする第一歩として、この冬から「NŌ PARK KOUYA」の工事に着工します!
まず始めに、シンボルとなるような小さな小屋づくりから始めます。小川町で育った木の丸太を骨組みに、畑の土で壁を塗り、整備で伐った竹を屋根に使います。
この町の恵みを凝縮した小屋づくりは、東京の設計士をはじめ、小川町の編集会社、建築研究者、左官職人など、想いに共感してくれた仲間たちとともに進めていきます。

その工程自体もワークショップとしてひらき、たくさんの人に関わってもらいたいと思っています。
地域材を使うことで、身近な自然の環境について学び、放置林や竹林の改善にも繋げたいと思います。
「つくって終わり」ではなく、関わり続けることで深まる場所を、ここから育てていきます。

これからのNŌ PARK
NŌ PARKにゴールはありません。ここは、みんなでずっと育て続けていく場所です。
一人ひとりの関わりの痕跡が刻まれ、それが環境の変化となって現れていく。そのプロセスこそが、この場所の価値です。
また、この立ち上げの過程を記録し、伝えていくことで、町内外で真似できる仕組みとして広げていきたいと考えています。
NŌ PARKは単なる場所の名前ではなく、社会と土をつなぐための仕組みです。
将来的には、日本各地に広がっていくことを目指しています。

最後に
生命、そのすべての営みが土を育んでいます。
そしてその土が、すべての生命を支えています。
足元の土をどのように捉え、関わり、そして守っていくのか、それは誰しもに委ねられた大いなる可能性です。
NŌ PARKにあるのは、それぞれが自由に触れ、関わることのできる土。
私たちは一人ひとりの意識の変化がやがて大きな力になると信じています。
この地球の財産である土との物語を通して、地球の未来を意識し、考えることのできる場。
それが私たちがつくっていきたいNŌ PARKなのです。
ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします!
NŌ PARKではInstagramをはじめました!こちらもぜひフォローしていただければ嬉しいです。
https://www.instagram.com/nopark_kouya/
応援メッセージ
NŌ PARKプロジェクトは多くの方にご協力、ご期待いただき、大きな励みになっています!








スケジュール
今年の春のオープンを目指して、現在準備を進めています。ワークショップなども開催する予定ですので、Instagramで詳細をご確認いただき、ぜひご参加ください!

支援金の使い方
ご支援いただいたお金は建物をつくる費用とこの場を伝えていくための費用として使わせていただきたいと考えております。

最新の活動報告
もっと見る土壁づくりワークショップ
2026/01/29 07:48先日、NŌ PARKにて土壁づくりワークショップを行いました!この場所のシンボルトして、地域の恵みを活用した小屋をつくりたいと設計士である辻村友秀さんと話合いをする中で小屋は壁は土がいい!と考えていたところ小川町在住の左官職人である鏝晴さん、研究者である山田 宮土理さんが手を差し伸べてくださり、実現に向けて動き出すことができました。僕たちが土中の世界に入っていく、そんな感覚が味わえる小屋を目指しています!今回は粘土に藁と水を混ぜながら、ひたすら足で練る作業!子供から大人まで、みんなドロンコになりながら思う存分、土に触れることのできた1日でした!3月には竹下地づくり、そして荒壁塗りのワークショップも予定しています。多くの方と一緒にひとつひとつ、この場所を整えるためのものをつくりそしてそれによる変化を見届けていきたいと思っています!詳細はInstagram @nopark_kouyaよりご確認ください。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー農家として畑に向き合う中、そこで生きるものの営み、その全てが結果として土を育んでいることに気付かされました。僕たちは単にお野菜を収穫するためでなく、土を育むことを目標にその手段として畑に種を播き、苗を植えています。それは自らと、畑で生きるものが対等であるため。"農" それは本来、食糧を生産するとともに我々が土を育むという責任を果たすための自然に対する関わりだったのかもしれません。土、それは地球で生きる全ての生き物の共通の財産です。NŌ PARKは誰しもが思う存分、土に触れそして共に育んでいくことができる、そんな場所を目指しています。SOU FARM 柳田 大地 もっと見る






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