そもそも蒸留って何なん?蒸留とは液体をいったん蒸発させて、その蒸気を再び冷やして液体に戻すことで、香りを抽出したり、成分を分けたり濃くしたりする方法です。ジンを例に説明します。ジンはまず蒸留器にベースとなるアルコールとジュニパーベリーや柑橘果皮などのボタニカルをいれ加熱します。ここでポイントになるのが、水とアルコールの沸点の違いです。水 100℃アルコール 約78℃加熱を進めると、沸点の違いからアルコールから先に蒸発します。ボタニカルの香り成分を取り込んだ蒸気が冷やされることで液体に戻り、よりアルコール度数の高いジンの原液が出来上がります。では、アロマオイル・アロマウォーターとはどんなものか?基本的な作業はジン同様です。ボイラーに液体(この場合、多くは水)と抽出したい香りの素材をいれ加熱します。水であることから100℃で蒸発。香り成分を含んだ蒸気が冷やされることで液体に戻ります。この時、素材により、油分を含んだ蒸気が液体に戻ることにより油と水に分かれます。これが精油(いわゆるアロマオイル)と芳香蒸留水・ハイドロゾル(いわゆるアロマウォーター)となるわけです。パチ印.では蒸留の手法を用い、様々な素材を蒸留・その香りを抽出し飲料に用いています。ん?ちょちょっ、ちょっと待てよ?蒸留もうやってるじゃん。と思ったあなた!そうなんです。パチ印.では開業当初からすでに蒸留をやってるんです。じゃあ、今回のクラファンの設備ほんとに必要なの?と思ったあなた?絶対に必要なんです。蒸留には常圧蒸留と減圧蒸留というものがあります。銅製の常圧蒸留器写真はパチ印.で使用している常圧蒸留器です。上で説明したように水と素材をいれれば100℃で沸騰し、蒸気になってハイドロゾルを回収できます。大きな問題はその温度です。 100℃100℃にならなければ沸騰しない。沸騰しなければ蒸気にならず、ハイドロゾルの回収も出来ない。この100℃が大問題。素材にはしっかり加熱することで香りが引き出されるものももちろんあります。ですが、やはりこの100℃という温度は香りの抽出には高すぎることが多いのです。前述したようにアルコールならまだ約78度と低めの温度なのでましですが、100度となるともう加熱に向いた素材しか扱えないと言っても過言ではありません。多少香りをとれたとしても、それはもはや本来のフレッシュな香りではないことが多いです。しかも、蒸留では数時間という長時間加熱し続けます。高熱の液体にさらされた素材は香りを失ったり、香りが変性してしまったり。もともとの繊細な香りを見つけることはほぼ出来なくなります。 ましてや、生花などの元々繊細なものはこの方法では全く香りを抽出することはかないません。では、今回導入を目指す減圧蒸留器とはいったい何なのか?減圧蒸留、、、減圧。そう、字の通りボイラー内を真空ポンプで吸引することにより減圧します。上のメイン写真のガラス部分がボイラーで、この中を減圧します。減圧すると何が起こるのでしょう。通常の気圧(1気圧)では水は100℃で沸騰します。減圧下ではなんと、40℃から50℃(0.1気圧で約46℃)くらいで沸騰するんです。風呂です!熱い風呂!野菜の50℃洗いみたいなもんです。野菜の50℃洗いも新鮮さを失いませんよね?香りもフレッシュなまま!これこそが、減圧蒸留器の凄さであり、必ず導入しなくてはならない理由です。素材の繊細な香りを壊さない。生花の繊細な香りや、若葉などのフレッシュな香りも常圧では全く取り出せませんでしたが減圧蒸留機なら取り出せます。今まで常圧で蒸留し香りの変性が気になっていた素材も、より素材を素材らしく、フレッシュにクリアに抽出することが可能になります。勿論、上述したように高い温度で加熱することで取り出せる香りもあり減圧蒸留器が万能というわけではありません。 ですが、常圧蒸留と減圧蒸留の両方の手法を手にしたパチ印.に今後扱えない香りは極端に少なくなります。郡上の山を全てそのままフレッシュにクリアに抽出し、飲料に変え、皆さんにお届けできる。そんな日はもうそう遠くはありません。




