私はこれまで、初任者研修の講師として現場に立ってきました。
その中で何度も受講生から相談を受けてきました。
「親の介護が始まりそうで不安です」
「仕事を続けられるか分からない」
「もう辞めるしかないのかもしれない」
制度の説明を求められることもありましたが、本当に求められていたのは制度の知識ではありませんでした。
本音を安心して話せる場所、そして自分で納得できる答えを一緒に探してくれる存在だったのだと思います。
私は答えを押しつけることはしません。
ただ、状況を整理し、選択肢を示し、その人自身が「これでいこう」と腹を決めるまで伴走します。
その瞬間、「人の役に立てた」と心から感じるのです。
介護という分野には、制度やサービスが数多く存在します。
介護保険、訪問介護、デイサービス、施設入所…。
しかし、家族が働きながら介護を続けるという視点の支援は、驚くほど少ないのが現実です。
ケアマネジャーには言えない本音があります。
「正直、しんどい」
「もう限界かもしれない」
「家族に対してイライラしてしまう」
そうした感情は、相談しにくくなかなか言葉に出せない。
だからこそ私は、介護離職というテーマに向き合い始めました。
仕事を辞めるかどうかという人生の分岐点に立たされたとき、孤立させない仕組みをつくりたい。
介護は突然始まります。
でも、離職は突然でなくても防げる可能性がある。
そのために、本音を聞き、一緒に考え、納得できる選択を支える。
それが私がこのテーマに本気で取り組む理由です。



