
以前の記事でお伝えした通り、私は畜産動物のアニマルウェルフェア向上を目指して活動してきました。
そんな私がなぜ、その手段として「絵本」を出すことにしたのかを、今回は伝えたいと思います。
私は畜産動物の飼養環境の改善を求めて、SNSでの情報発信や企業への意見届けなどをしてきました。
私1人の力は微力ですが、沢山のボランティアや動物団体の方々が日々、さまざまな活動を続けており、確実に実を結んでいると感じています。今では大企業を中心にアニマルウェルフェアについて言及するようになり、政策上の重要課題と認識され始めています。令和7年度補正予算ではアニマルウェルフェア畜産関連の補助が強化されました。日本でも変化が始まりつつあります。
活動の重要性は理解しており今も続けていますが、どうしても活動の多くは「既に動物問題に関心のある人」や「ヴィーガンの人」にしか届かない…と感じていました。
日本人のほとんどが肉や卵、牛乳といった畜産物を消費している一方、それらを提供してくれる畜産動物がどのような一生を送っているかを知りません。
その「大多数の消費者」の意識が変わらなければ、畜産動物の環境が良くなることはありません。
消費者の需要がなければ、農家はいつまでも動物が健康・快適に過ごせるようにするための設備に投資できず、肉や卵を大量に使用している食品企業も動物に優しい畜産物を採用・調達することができないからです。
大多数の人に畜産動物の現状を伝え、動物たちに思いを馳せたり、改善のための行動を起こしてもらったりするにはどうしたらいいのかずっと考えてきましたが、答えは出ないままでした。
そしておととし、娘がうまれました。
娘は絵本が好きなので、幼いうちから畜産動物を大切に扱うことを伝えたいと思い、絵本を探しました。
しかし、畜産動物の実際の飼養状況や
「痛み苦しみなく、大切に扱う」という視点を伝える絵本を見つけることはできませんでした。
「娘に読ませたい絵本がないならば、自分で作ればいい!」と
畜産動物のウェルフェアをテーマにした絵本を作り始めました。
そして、次第にこの絵本が多くの消費者、特に未来をつくる子どもたちに
アニマルウェルフェアを考えるきっかけを提供できるのではないか?と考えるようになりました。
絵本はイメージがあるので動物の現状を伝えやすく、書店でも流通するため動物に関心のない人の目にも触れやすいからです。多くの人に、畜産動物に少しでも関心を持ってもらうのに最高のツールだと思いました。
畜産動物の問題は根深く、残念ながら自分が生きている間になくなることはないと思います。だからこそ、次世代を担う子供への啓発・教育は非常に重要だと感じています。絵本なら子供にも読んでもらいやすいです。
そこで、絵本を刊行している出版社100社以上に草案を送りましたが
「うちでの出版は難しい」と断られることもしばしば。
返事さえもらえないことが多かったです。
自費出版しかないのか…と諦めていたところ
出版社みらいパブリッシングより協働出版のご提案をいただき、現在に至ります。
今は出版に向けて、沢山の方に手に取ってもらえるよう、日々原稿作りに励んでいます。
「動物のための絵本作家になる」という新たな目標も出来ました。
この絵本が普及することで、多くの人(特に子供たち)が
これまで気にしてこなかった畜産物の生産背景に思いを馳せ、
畜産動物の飼養環境を改善するために何ができるのかを考えるようになる。
(例:食品関連会社への意見届け、スーパーで動物に配慮した商品を購入 など)
そして、消費者の意識が高まることで、動物に優しい商品やプラントベースの需要が増える。
これを受けて、畜産農家は動物がより快適・健康に過ごせるようにするための設備に投資できるようになり、
少しでも多くの畜産動物が今よりも快適に暮らせるようになる。
そんなポジティブな流れを生み出せたら…と願っています。



