皆様こんにちは!紀宝町ウミガメ公園です。
本日の紀宝町は快晴です。人間の皆さんも、カメの皆さんも、熱中症にはくれぐれもお気を付けください。
さて、今回はウミガメの産卵についてお話させていただきます。
カメの仲間はほぼ全ての種が後ろ脚で地面を掘って穴をあけ、その中に卵を産み落とします。
それは生活のすべてを海で過ごすウミガメの仲間も同様です。
ウミガメは水中生活に適応するため、ひれ状の四肢・余分な塩分を排出する器官を備えていますが、水中での産卵は行うことができません。
それはカメが人間同様肺呼吸の生物であるためです。
同じく肺呼吸のイルカやアザラシは、お腹の中で赤ちゃんを十分育ててから産卵します。
そのため、生まれてきた赤ちゃんはお母さんに助けてもらいながら水面まで上がり、自力で呼吸ができます。
一方ウミガメは赤ちゃんを卵の状態で生み落とします。卵は水中では酸素を取り入れることができないため、ふ化する前に死んでしまうのです。
ウミガメは繁殖期が近付くと、自分の生まれた浜へと向かって移動します。そして浜の近くの海域で交尾をし、体内で卵を作ります。
産卵は夜~明け方にかけて行われ、1回の産卵で100個ほどの卵を産み落とします。
1個1個はピンポン玉くらいの大きさですが、100個もあればなかなかの体積です。
ですので、ウミガメが産卵のために掘る穴は後ろ脚で掘ったとは思えないほど深いです。
私が実際に調査した穴の中には、腕を伸ばしても底まで届かないものもありました。(私の腕が短いわけではありません。きっと)
ニンゲンは五本指を器用に動かすことができるので、穴を掘るのも埋めるのも簡単ですが、ウミガメの脚はおおよそ穴を掘ることは考えられていないような形をしています。
穴を掘って、卵を産んで、その穴を埋める。これを一晩かけて文字通り命懸けで行います。
カメは子育てはしませんが、これを母の愛と呼ばずしてなんと呼びましょうか。
また、ウミガメが自分の生まれた浜に帰り産卵を行うのも、「自分が無事に生まれた=この浜は安全」という理由からだという説があります。
ウミガメが次の世代にできる最大限の愛情ですね。
海岸の工事や、浜の砂質の変化・夜間の明かりなどにより、ウミガメが産卵できる砂浜は年々減少してしまっています。
なかなか対策が難しい問題ですが、だからこそ、今いるウミガメたちを1匹でも多く守ることが大切です。
今日の写真は2歳のアオウミガメです。いつもは朝一で見に行っても寝ていることが多いのですが、今日はこちらに近づいてきました。
夏休みが近付いてきました。この子達と同じくらいの年齢の人間のお子様がいっぱい来てくださるのが今から楽しみです。
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