
丹後ちりめんの背景には、 長い年月の中で育まれてきた技術や文化があります。
そして今、その価値を新たな視点で捉え、 未来へとつなげようとする人たちがいます。
今回ご紹介するのは、 ファッションデザイナーであり、株式会社「森を織る」代表の小森 優美さんです。
プロフィール
小森優美さんは、2013年より 草木染めのシルクランジェリーブランド「Liv:ra(リブラ)」のデザイナーとして活動をスタート。
2024年に、日本の絹織物文化を通して 人と自然の生命のつながりを再生するファッション 「MORI WO ORU(森を織る)」を立ち上げました。
ドキュメンタリー映画『森を織る。』の制作や、 全国の織物産地を巡る旅の企画など、 絹を通して人と自然の関係性を問い直す活動を行っています。
はじめに|私と絹との関わり
私はこれまで、 草木染めのシルクランジェリーブランド「Liv:ra」のデザイナーとして、 絹という素材と向き合ってきました。

サステナブルファッションの業界で長らく持続可能なものづくりについて啓蒙する立場でしたが、コロナ禍のタイミングで自分は素材を情報でしか扱っていなかったことに気付き、 素材そのものだけでなく、 その背景にある自然や人の営みに強く惹かれるようになりました。
丹後との出会い
とりあえず東京の自宅で蚕を育てるところからはじめ、東京から京都に移住し、桑を植樹したり、蚕の啓蒙活動をしていると、2022年の春、丹後に行く機会に恵まれました。
その時織物の工場の見学に行くだけでなく、織物にまつわる神社や土地の風土を体験することで、私は1300年前から息づく自然と人の営みが地続きで今も残っていて、数えきれない生命の連鎖が目の前の絹という素材に込められているのだ、ということを実感したのです。
それは素材という概念、そして私の人生観をまるっきり変えてしまうような、とても深い体験でした。


MORI WO ORU (森を織る)
そこから日本中の絹織物にまつわる産地を旅する様になって、いつしかその世界の価値を発信したいと想う様になり、2024年2月に立ち上げたのがMORI WO ORU(森を織る)です。
森は生態系の象徴ですが、自然も人も、多様なたくさんの存在で成り立っていて、何かが欠けると成立しなくなる仕組みを持っている中、絹織物も自然も人間社会も、持続が難しくなっている。
その生態系そのものを再生していくことをビジョンに、生態系の象徴である”森”を織る、という名前をつけました。

MORI WO ORUは単なるファッションブランドではなく、服の背景にある自然と人の営みそのものの美しさをたくさんの人に伝え、自然と人の生態系を再生するプロジェクトです。
そのため、プロダクトだけでなく、『森を織る。』という映画を作ったり、アートワークの作品を作ったり、京都西陣の工房では染色体験も開催しています。
また、トランスフォーマティブ・ツーリズムと称し、実際に産地へ旅をすることで個人の心の変容を促す産地ツアーも開催しています。



丹後は海があり、里山の風景があり、数千年のものづくりの文化が今も職人さんたちや祈りの担い手の手によって息づいている場所です。
何回もツアーを開催していますが、毎回参加者の感動が大きく、豊かな時間を過ごしています。
MORI WO ORUでは、引き続き京都市をハブに世界中の人と丹後の繋がりを深め、日本の文化が持つ精神性を世界に発信していく予定です。
mayureのプロジェクトについて
今回のシルクシュシュ「mayure」のプロジェクトは、田勇機業に婿として入った田茂井仁哉くんや地域の大学生たちが、丹後ちりめんを手に届きやすい新しい形で発信されているプロジェクトです。
普通に生きていると丹後ちりめんに出会う機会はそうそうないと思いますが、本当に手間暇かかった素晴らしい生地なので、このプロジェクトを通して丹後ちりめんの魅力が多くの人に伝えられることを祈っております。
そして、ちりめんの背景に興味が湧いてきたら、ぜひ一緒に丹後へ行きましょう!
MORI WO ORU (森を織る)
森を織る。(ドキュメンタリー映画|日本の絹織物の物語)
https://www.moriwooru-movie.com/
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