遺したいのは、この景色と、ここで過ごした時間。

わたしたちは、島根県大田市温泉津町(ゆのつちょう)を拠点とする、温泉津地域経営協議会です。令和7年度末に有志で立ち上げたばかりの、まだ新しい団体です。
「何を遺し、何を築くか」——温泉津100年会議で、100人を超える住民が問い合った言葉です。わたしたちはその言葉を受け継いで、動き始めました。
今回お願いしたいのは、大きな話ではありません。
港から歩いて数秒の空き地に、小さな公園をつくるため、みなさまのお力をお借りしたいのです。
背景と課題
温泉津町は、世界遺産 石見銀山遺跡とその文化的景観の構成資産の一つであり、重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。
温泉津には、他の「保存地区」と決定的に違う点があります。
—今も、人の暮らしが息づいているということです。
近年は移住者も増え、新しい事業が生まれ、温泉街を訪れる人も以前より増えました。それはとても嬉しいことです。
一方でわたしたちが気になっていたのは、地元に住む人たちが、ただ「普通に過ごせる場所」が少ないという現実でした。

ちょっと外に出て、子どもを遊ばせながら一息つける場所。
散歩の途中にベンチがある場所。
そういう、「日常の余白」が、この町には少し足りていませんでした。
なぜ今やるのか —100年会議が教えてくれたこと
令和5年に開催した「温泉津100人会議」、そして令和7年の「温泉津100年会議」。それぞれ110名を超える町民が集まり、この町のこれからを話し合ってきました。

100年会議のテーマは、「何を遺し、何を築くか。」
「100年後も湧く温泉津であるために」という理念のもと、113名が輪になって、傾聴と対話を重ねました。
そこで出てきた声のひとつが、「公園が欲しい」「ベンチが欲しい」というシンプルな言葉でした。

そして同時期に実施した観光客個別モニターツアーでは、あることが確認されました。住民が大切にしてきた価値と、来訪者が魅力と感じる要素が、驚くほど近い場所にある、ということです。

つまり、住民が暮らしていて楽しい町であり続けることが、そのまま来訪者にとっても魅力的な町であり続けることにつながる。それが、わたしたちがこのプロジェクトを始めた、根っこの理由です。
温泉津の浜で気づいたこと
100年会議が終わったある日のことです。
温泉津の浜で、3歳くらいの男の子を連れたお母さんが遊んでいました。その姿を見ながら、ぼんやりとつぶやきました。
「ここにベンチがあるといいのかなあ……」
そのお母さんが返してくれた言葉は、こうでした。
「ここは、ここのままでいいのかもしれない。公園とかベンチは、また別の役割がある場所のような気もしますね」

彼女は松江出身で、ご結婚を機に温泉津に来られた方です。温泉津の浜を、外からの目と、暮らす人の目、両方で見ている人です。
その言葉を聞いたとき、腑に落ちるものがありました。浜は浜のままでいい。だとすれば、公園は別の場所につくればいい。
そこから、港そばの空き地へと、道筋が見えてきました。
プロジェクト内容 —何をつくるのか
温泉津港から歩いて数秒のところに、空き地があります。

その土地の持ち主の方が、「子どもたちのために、町のために、どうぞ使ってください」と、快く申し出てくださいました。
わたしたちはその思いを受け取りこの空き地を整備し、子どもたちが安心して遊べる・町のみんなが気軽に立ち寄れる小さな公園をつくります。
具体的には以下を予定しています。
・空き地の整地・安全整備
・遊具の設置
・花植えスペースの整備
もうひとつ、この公園には井戸と手押しポンプを設置します。
この場所にはもともと井戸があります。ただ、長らく使われないまま眠っていました。今回はその井戸を再生し、花植えスペースへの水やりに使えるようにします。
井戸を「復活させる」ことには、もうひとつ意味があると考えています。
井戸はかつて、この地域の人たちの暮らしの傍らに当たり前にあったものです。
水道が整備されてからは使われなくなった井戸も多いですが、いざ大きな災害が起きたとき——地震や台風でライフラインが止まったとき——普段から使われている井戸がある地域では、断水時に地域の共助として機能した事例が、能登半島地震をはじめ各地で報告されています。
眠っていた水脈を、もう一度、町の暮らしの中に戻す。
普段は子どもたちが花に水をやる。いざというときは、この町の人たちの生活用水になる。
そういう井戸にしたいと思っています。(水質については安全確認のための検査を実施します)
つくろうとしているものは、特別な施設ではありません。派手なものでもありません。
ただ、夕方に子どもの声がして、大人がちょっと腰を下ろせる場所。
眠っていた井戸が再び水を湛え、子どもたちが花に水をやる場所。
そして、いざというときにこの町の人たちを支えられる場所。
そういうものを、ここにつくります。
なぜ自分たちがやるのか
わたしたちは「外から見た温泉津」ではなく、「ここに暮らしながら、ここのことを考えてきた」チームです。
温泉津には観光で訪れる人も増えています。でもわたしたちが向き合っているのは、その前段にある問いです。
—この町に住んでいる人たちが、「今日もすてきな1日だった」と感じられるか。
わたしたちが大切にしていることは、訪れる人を「観光客」として迎えるのではなく、「一時的な町民」として受け入れること。
そしてその前提として、ここで暮らす人の日常が、ちゃんと豊かであることだと考えています。
この公園は、その第一歩です。
実現したい未来
温泉津には高校も大学もありません。子どもたちのほとんどは、いつか町を出ていきます。

それでいい、とわたしたちは思っています。
ただ、出ていった先で、ふとした瞬間に—夕暮れを見たとき、子どもを連れて散歩したとき—
「温泉津に、あんな場所があったな」と思い出せる記憶を、この町は渡せる場所でありたい。
子どもの頃に触れた景色、遊んだ場所、そこで感じた時間は、一生消えません。
それが帰省のきっかけになるかもしれない。人生の選択肢に「温泉津」という言葉が浮かぶきっかけになるかもしれない。Uターンという選択を、誰かがいつか思い出してくれるかもしれない。
公園ひとつで大げさかもしれません。でもわたしたちは、そう信じて、この空き地に立っています。
資金の使い道について
目標金額:290万円
・整地、土地整備費
・木塀・看板費
・井戸整備・水質検査
・花植えスペース整備費
・広報チラシ作成費
・CAMPFIRE手数料
・諸経費
※ 万が一、目標金額に届かなかった場合でも、規模を縮小・優先順位を設け実施できる段階的な計画で遂行します
スケジュール
2026年8月 クラファン終了・着工
2026年9月 遊具組み立て
2026年10月 オープン🌿
最後に
「何を遺し、何を築くか」—100年会議で問い続けた言葉です。
大きなものを遺したいわけじゃない。壮大なものを築きたいわけでもない。
ただ、夕方に子どもが走り回れる場所。誰かがぼんやりと海を見ながら腰掛けられる場所。
そういう「あたりまえ」が、この町にも欲しい。

温泉津が好きな方、遠くから思いを寄せてくださっている方、一度訪れたことがある方—どんな形でもかまいません。
この小さな公園の仲間になってください。
温泉津地域経営協議会
最新の活動報告
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公園がワクワクする雰囲気になってきました — そして、㈱柳商店さんにお礼を
2026/10/07 08:12いつも温かい応援をありがとうございます。公園予定地から、今日もご報告です。遊具の仮設置が進み、ブランコや滑り台のかたちが、外から見てもよく分かるようになってきました。もうできてる…!?黄色い滑り台、木の小さなおうち、ブランコの支柱。前を通りかかるたびに、「ここで遊んだら楽しいだろうなあ」と、つい子ども心に戻ってしまいます。工事中だと分かっていても、なんだかワクワクしてしまう。きっと、通りがかりに覗き込む子どもたちは、もっとワクワクしてくれているはずです。遠目からの様子土の中から出てきたもの、そして柳商店さんのご厚意遊具を安全に設置するには、しっかりとした土台づくりが欠かせません。敷地の一部を掘り起こして基礎を整えていくのですが、その過程で、土の中から石がらなどがたくさん出てきました。こうした石がらの処分は、本来であれば費用のかかる作業です。それを、大田市仁摩町の㈱柳商店さんが、無償で引き受けてくださいました。柳社長、柳商店の皆さん、本当にありがとうございます。㈱柳商店さんのこと柳商店さんは、大田市仁摩町に拠点を置き、建物の解体や産業廃棄物の収集・処分、再生資源の回収などを手がける会社です。「地域の皆様への貢献を第一に」を掲げ、島根県全域で、企業から個人まで、暮らしの中の「処分に困るもの」に幅広く応えておられます。柳商店公式サイトより引用空き家の解体や遺品整理など、人口減少が進む地域にとって避けて通れない課題に、日々向き合っている会社でもあります。古い建物を丁寧にたたみ、資源を次へ循環させる。町の新陳代謝を足元で支えてくださる、まさに縁の下の力持ちです。柳商店公式サイトより引用公園づくりは、新しいものを「つくる」仕事に目が向きがちですが、その前に、出てきたものをきちんと「引き取り、循環させる」仕事があって初めて成り立ちます。今回のご厚意で、あらためてそのことに気づかされました。土地の持ち主さん、お寺、銀の道商工会青年部、小川商店さん、松浦工務店さん、㈱ウエダさん、そして柳商店さん。この公園に関わってくださる手が、また増えました。完成まで、あと少し。引き続き、工事の様子をお伝えしていきます。100年先も、帰りたい町であるために。温泉津地域経営協議会 もっと見る公園の土は、温泉津の"兄貴"から — ㈲小川商店さんが真砂土を無償提供してくださいました
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工事が始まりました — 猛暑と向き合いながら、一歩ずつ
2026/09/04 09:59いつも温かい応援をありがとうございます。まずはご報告です。8月31日(月)をもって、クラウドファンディングの募集期間が無事終了いたしました。最終的に、157名の皆さまから、1,548,750円のご支援をお寄せいただきました。最後の最後まで応援し、広げてくださった皆さま、本当にありがとうございました。いただいたご支援の詳しいご報告とお礼は、あらためて記事にてお伝えさせていただきます。そして今日は、その先の景色をお届けします。公園予定地で、工事が始まりました。現地には重機が入り、整地に向けた作業が進んでいます。長らく空き地だったこの場所に工事の音が響いているのを見ると、皆さまのご支援が目に見える形になり始めたことを実感します。ただ、この夏の暑さは現場にとっても大きな壁です。ここ最近は気温の高い日が続いており、屋外での作業はたびたびスケジュールの変更を余儀なくされているそうです。それでも、日程を調整しながら現地に集まってくださり、少しずつ、確実に工事は前へ進んでいます。炎天下で汗を流してくださっている皆さんに、心から感謝しています。この地面が整えられ、井戸が再び水を汲み上げ、子どもたちが駆け回る日まで。工事の様子は、これからも活動報告でお伝えしていきます。秋の公園開きを、どうぞ楽しみにお待ちください。100年先も、帰りたい町であるために。温泉津地域経営協議会 もっと見る




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