
*音をONにしてご覧ください*
耳を澄ませてみてください。
ブドウがワインになる音です。
今年も、
この音が聞こえる季節がやってきます。
醸造所には、毎年楽しみにしている音があります。
「くつくつ。」「ぼこぼこ。」
耳を澄まさないと聞こえないくらい小さな音ですが、それはブドウがワインへと生まれ変わる音です。
収穫したブドウを搾った果汁は、しばらく静かに眠っています。
横濱ワイナリーでは、人工酵母を添加せず、ブドウにもともと付いている酵母や、醸造所に棲みついている酵母の力で、自然に発酵が始まるのを待ちます。
数日が過ぎると、タンクの中で酵母たちが一斉に働き始めます。
「シュワシュワ……」
「くつくつ。」
「ぼこぼこ。」
酵母はブドウの糖分をアルコールへと変えながら、たくさんの二酸化炭素を生み出します。
この泡立ちと音こそが、発酵の証です。
実はこの時期、醸造所では換気がとても大切になります。
発酵によって発生する二酸化炭素は目に見えませんが、空気より重く、醸造所の低い場所にたまりやすいためです。
だから私たちは、タンクの様子だけでなく、空気の流れにも気を配りながら作業をしています。
すべては、小さな酵母たちの働き。
目には見えない菌が、一粒一粒のブドウをワインへと変えていきます。
今年もまた、その音に耳を澄ます季節がやってきます。
今日も、ブドウの声を聴きながら、一歩ずつ。



