
クラウドファンディングも、いよいよ残り5日となりました。
これまでご支援くださった皆さま、そして鳥屋部えんぶり組を応援してくださっている皆さまに、改めて心より御礼申し上げます。
今回は、えんぶりをご覧になる際にぜひ注目していただきたい、太夫の「烏帽子(えぼし)」と、お囃子が手にする「ジャイ」についてご紹介します。
えんぶりの烏帽子は、馬の頭をかたどったものといわれています。
そして、その表面をよく見ると、さまざまな人物や動物、農作業の様子などが描かれています。
これらは単なる飾りではなく、五穀豊穣や福、人々の暮らしの繁栄を願う意味が込められたものです。
鳥屋部えんぶり組の3人の太夫の烏帽子にも、それぞれ異なる絵柄が描かれています。
■「藤九郎」― 田をつくり、豊作を願う

藤九郎の烏帽子には、代掻き・田植え・稲荷様が描かれています。
鳥居や白狐、馬を使って田を整える様子、田植えをする人の姿など、米づくりの情景が一枚の烏帽子の中に表されています。
まさに、「今年も豊かな実りがありますように」という願いを感じさせる絵柄です。
■「中」― 豊かさを表す「宝づくし」

中の太夫の烏帽子に描かれているのは、「宝づくし」です。
大黒様をはじめ、打出の小槌や小判など、福や豊かさを象徴するものが描かれています。
豊作となり、食べ物に恵まれ、人々の暮らしも豊かになる。
そんな実りの先にある福や豊かさを表した絵柄とも見ることができます。
■「畔どめ」― 福と繁栄が末永く続くように

畔どめの烏帽子には、鶴・亀・恵比寿様・鯛などが描かれています。
鶴や亀は長寿、恵比寿様や鯛は福や繁栄を象徴する、おめでたいものです。
豊かな実りを迎え、その恵みと幸せが末永く続いていく。
そんな願いを感じさせる烏帽子です。
■太夫を導く「ジャイ」
そして、太夫が摺るときに欠かせない道具の一つが、「ジャイ」です。
鳥屋部えんぶり組では「ジャイ」と呼んでいますが、ほかのえんぶり組では「ザイ」と呼ばれることもあります。
「ザイ」は「采(さい・ざい)」に由来する呼び名とされ、指図や合図をする意味を持つ道具です。
馬の頭をかたどったとされる烏帽子を身につけた太夫に対し、お囃子はジャイを振って合図を送ります。
そして太夫は、その合図のもとで摺ります。
そこには、馬を導くように采を振り、お囃子と太夫が一体となって摺りをつくり上げるという意味合いがあります。
力強く摺る太夫だけに目が向きがちですが、実はお囃子もまた、ジャイを通して太夫を導く大切な役割を担っています。
こうしたところにも、えんぶりと馬、そして農耕との深いつながりを見ることができます。
今回のクラウドファンディングでは、この「ジャイ」も返礼品としてご用意しています。
普段何気なく目にしている道具も、その意味を知ってから見ると、また少し違って見えるのではないでしょうか。
烏帽子の絵柄にも、ジャイという道具にも、先人たちがえんぶりに込めてきた意味や願いが受け継がれています。
田をつくり、実りを願い、その豊かさと幸せが末永く続くように。
えんぶりは、そうした人々の願いを今に伝えているものでもあります。
私たちがこれから先へ残していきたいのは、演目や衣装、道具だけではありません。
なぜこの絵が描かれているのか。
なぜこの道具を使うのか。
そこに、どのような意味や願いが込められているのか。
そうしたことも含めて、次の世代へ伝えていきたいと考えています。
クラウドファンディング終了まで、残り5日。
すでにご支援いただいた皆さまには、改めて心より御礼申し上げます。
そして、鳥屋部えんぶり組の活動や、先人たちから受け継いできたえんぶりを未来へ残していくという想いに共感していただけましたら、最後までお力添えいただけますと幸いです。
ご支援はもちろん、SNSでのシェアや、ご家族・ご友人へのご紹介も私たちにとって大きな力になります。
先人たちから受け継いできた鳥屋部えんぶりを、これから先の世代へ。
最後まで温かい応援を、どうぞよろしくお願いいたします。




