昨日からロシア公演に向けての集中稽古が始まりました。朝は11時から3時間半、夜は18時半から3時間半の長丁場です。
まずはウラジーミルで行われる国際演劇祭で上演するドストエフスキー「白痴」の稽古をし、そしてモスクワで上演する舞台「古事記」の稽古に入ります。
白痴は2011年初演、古事記は2014年初演の作品ですが、演出家アニシモフは驚くべきことに、まるで最初から全て創り直すかのような勢いで次々と演出を変えていきます。俳優に対しても徹底的に繰り返しの演技を禁じ、新しい創造、新しいアクションを求めます。
「歌舞伎の悪役みたいにやってみなさい」
という一言で、ある俳優の役がそれまでとは全く違うキャラクターを帯び始め、稽古に参加している他の役者も大爆笑、劇場が熱気に包まれます。
「漫才みたいにやってみなさい」
という一言で、また別の俳優の演技が生まれ変わる。手品でも見ているかのようです。しかしこれも、何年もかけてそれぞれの俳優が役の内面を創り続けてきたからこそできる芸当です。
きっとロシアに持って行く頃にはまったく違う舞台に生まれ変わっていることでしょう。
9/19からはSNSなどでロシア遠征の様子を実況中継致しますのでお楽しみに。