
誰もが気軽に立ち寄り、集まった人たちが思い思いに使いながら育てていく。
前回、前々回の連載で、そんなよろず小屋の姿について書きました。
このような関わりを通して、私がこの小屋で生み出したいのは、今の時代に合った、一人ひとりの「山と関わる必然」です。
かつて、山があるからこそ成り立っていた山村の暮らし。
山から薪を採り、山菜やきのこを採り、木や竹を暮らしの道具に使う。山との関わりが、日々の生活を支えていました。
時代が変わり、そうした関わりは少しずつ薄れつつあります。
それでも、地域の人たちの暮らしや記憶の中には、今も山と付き合うための知恵や技術が残されています。使われる機会が少なくなった道具や、受け継がれてきた習慣もあります。
いわば、かつての山の暮らしの断片です。
私は、その一つひとつに、これからの暮らしを豊かにする可能性があると感じています。
例えば、山菜の種類や保存の仕方を、地域の人に教わる。
まずは教わったとおりにやってみる。実際に山に入り、採って、下処理をして、食べてみる。
何度か繰り返すうちに、採る時期や場所、山菜の扱い方が少しずつわかってくる。
すると、春になるのが楽しみになる。今度は違う山菜も覚えてみたくなる。
自分なりの料理を考えたり、誰かに食べてもらいたくなったりする。
さらに、そこに新しい知恵や発想が加われば、保存や加工の工夫が生まれ、新しい料理や商品、仕事につながることもあるでしょう。
もちろん、山菜やきのこに限った話ではありません。
山の道具を使ってみる。壊れたら自分で修理してみる。他のものにも活用できないか考えてみる。
竹の活用を覚えたら、竹藪を手入れするために山へ通うようになるかもしれない。
放棄された山林や農地も、誰かの知恵や発想によって、新しい使い道が見つかるかもしれません。
かつての山の暮らしの断片を、今の時代の知恵や価値観と結びつけながら、もう一度紡ぎ合わせていく。
そんなことを、いろいろな人と一緒に試してみたいのです。
山菜を採るために、春が待ち遠しくなる。
竹籠をつくるために、竹藪を整備する。
覚えた技術を試したくて、また早川を訪れる。
よろず小屋は、単なる体験施設や交流施設ではなく、「山と関わる必然を、今の時代にもう一度つくり直すための実験室」なのです。
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【クラウドファンディングの現在地】
おかげさまで、10月7日にファーストゴールの1,000万円を達成することができました。
多くの皆さまのご支援、ご協力に、心より感謝申し上げます。
現在はネクストゴール1,500万円を目指し、10月15日の最終日まで挑戦を続けています。
引き続き、ご支援と情報のシェアをよろしくお願いいたします。



