
ネクストゴール222万円への挑戦にあたり、その中心となる「ブックスタンド・エンドの追加製作」について、少し長くなりますが、お話しさせてください。
一脚のベンチ作品から
本と舍にお越しくださった方は、店内に置かれた一脚のベンチをご記憶かもしれません。
じつはあのベンチの土台は、大田市の篠原メタル工房さんに製作していただいたものです。
人が2名かけても大丈夫な耐久性を実現
温泉津に移り住んで比較的すぐの頃に工房を訪ね、それ以来、私が制作する作品の支持体の一部を、たびたびお願いしてきました。
あのベンチも、耐久性の仕様をどうするか、篠原メタルさんと相談を重ねながらかたちになったものです。
このベンチは、座られたり、触れられたりすることで、少しずつ摩耗し、変化していきます。
その積み重ねを含めて、年月をかけて作品が最終的に完成する──そんなインタラクティブアートとして作りました。
作品自体を最低限のパーツで支える工夫をしてくださった
作品を「動的に鑑賞する」こと。
それは私が制作のうえで大切にしている手法のひとつです。
考えてみれば、本と舍という場所そのものも、よく似ています。人の手が触れ、本が出入りし、時間とともに姿を変えていく。
その変化ごと、この町家に受け止めてもらっているのだと思います。
棚が、いっぱいになりました
本と舍の蔵書は、開設時には約1,000冊。もともと私自身が蓄えてきた本たちでした。
雑多におかれたいくつかの書籍たち
そこから今日までのあいだに、新たに200冊以上が加わりました。
ご寄贈くださった方、旅の途中で一冊置いていってくださった方。
本が増えるということは、この場所に想いを寄せてくださる方が増えたということでもあります。
ただ、正直に申し上げると──棚は今、ぎりぎりです。
ネクストゴールでお預かりするご支援で、篠原メタル工房さんにブックスタンド・エンドの追加製作をお願いし、増えた本たちの居場所を整えていきたいと考えています。
マイスターたちの工房
篠原メタル工房さんは、インダストリアルな製品だけでなく、アートピースにもまっすぐに向き合い、検討を重ね、付き合ってくださる方々です。
生活の細部の印象を変えてくれるプロダクトたち
工房におられる職人の皆さんが、それぞれマイスターとして仕事に臨んでいらっしゃる。その姿勢に、私はいつも励まされてきました。
そして篠原メタル工房さんには、温泉津の何を遺し、何を築くかを語り合った「温泉津100年会議」にもご参加いただいています。

町の未来を一緒に考えてくださる方々の手で、本の居場所が作られていく。ネクストゴールの使途として、これほどふさわしいことはないように思っています。
屋根が建物を守り、その下で、鉄のスタンドが本を支える。皆さまのご支援が、そんなふうにこの場所に積み重なっていきます。
終了まで残りわずかとなりました。最後までどうぞよろしくお願いいたします。
本と舍 西田 優花




