
こんにちは。
ミミセカ プロジェクトです。
今日は、開発を担当している王子から、少し情けない話をさせてください。
写真には「ALT」という説明文を埋め込めます。これがあると、目の見えない方がスマホで開いたとき、読み上げ機能が「何が写っているか」を教えてくれる。でも、そんな写真はほとんど流通していません。いちいち書くのが面倒だからです。私だって書きません。
ミミセカ シアは、それを勝手にやります。撮れば説明が生まれ、写真の中に埋め込まれる。
我ながら、いい絵を描いたと思っていました。目の見える人が普通に写真を撮って共有するだけで、説明つきの写真が世の中に増えていく。誰も気を遣わなくていいのに、届く人が増えていく——。
でも、ある日ふと気づきました。
この絵が成り立つには、たくさんの人が毎日このアプリを使っている必要がある。
……使いますか?
自分に聞いてみました。もし開発者でなかったとして、これを毎日開くだろうか。
たぶん、開きません。
いい仕組みだとは思う。意義もわかる。でも毎日開くかというと、それは別の話です。そして使う人が少なければ、このサービスは続かない。続かなければ、いちばん届けたかったなおみさんのような人にも届かない。
「いいことだから使ってください」
で使い続けてもらえるほど、世の中は甘くないですよね。当たり前のことに、ずいぶん経ってから気づきました。
必要だったのは、日常で使いたいアプリに昇格させること。順番が、まるごと逆だったんです。
じゃあ、何があれば毎日開くのか…
たどりついたのは、思い出を溜めて、ふりかえる場所をつくることでした。

物語になった写真は「章」として残り、カード・カレンダー・地図から探せます。開くと最初に出てくるのは、”今日” という日から選ばれた思い出。一年前の今日。同じ季節が巡ってきた一枚。探しに行かなくても、向こうから届きます。複数の章を綴じれば、目次とはしがきのついた一冊の本にもなります。
さらにいま試しているのが、写真と話せる機能です。AIが写真をきっかけに聞いてくる。答える。AIは語りません、ひたすら聞き役です。話しているうちに「そういえばあの日は」と、自分でも忘れていたことがぽろっと出てくる。その言葉から、また新しい物語が生まれます。
自分の思い出なのに、話してみるまで自分でも知らなかったことがある。これは作っていていちばん面白い部分かもしれません。
そしてもうひとつ。撮る瞬間から。
カメラを構えると、画面の上に小さく言葉が出ます。
「この場所で3枚目」「1年ぶりのこの場所」「4年前の今日」

これ、自分で試していて思った以上にぐっときました。何気なくカメラを向けただけなのに、「あ、そういえば」と、過去が顔を出す。
思い出はあとから振り返るものだと思っていました。でも本当は、撮ろうとしたその瞬間が、すでに振り返りの入口なんですよね。
遠回りに見えるかもしれませんが
写真アプリを開いても何が並んでいるのか分からない。自分で撮ってきた写真から、自分が締め出されている。それが目の見えにくい方の日常です。思い出を聴いて振り返れる場所は、その方にこそ必要なはずです。
そして私のスマホにも、見返さないまま埋もれた写真が何千枚とあります。振り返れないという困りごとは、誰もが持っている。
だから遠回りのつもりはありません。みんなが使いたいアプリを作ることが、いちばんの近道だと思っています。
……こんなふうに、途中で気づいて作り直してばかりです。
かっこ悪いですが、これも道のりということで。
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どうぞよろしくお願いします。
ミミセカ プロジェクト
王子



