
ピースウィンズの緊急支援チームがベネズエラに到着し、活動を開始しました。首都カラカスでは、建物の倒壊などによる多くのケガ人の発生を受けた膨大な医療ニーズや、被災者の厳しい避難生活を目の当たりにしています。
現地からの報告を受けて、私たちは即座に日本から追加メンバーの派遣を決定。ピースウィンズの災害緊急支援チーム、空飛ぶ搜索医療団“ARROWS”のプロジェクトリーダーである稲葉基高医師を含む5名が29日、現地に向かって発ちます。同時に、第1陣のメンバーが医療や物資の支援を準備しています。
テントが立ち並ぶ避難所、医療ニーズは膨大
カラカスで避難所などの調査を開始(撮影:Miguel Angel Roses)
甚大な被害が伝えられているベネズエラの首都、カラカス。国際空港も被災して機能しておらず、第1陣のチームは近隣の都市・バレンシアから入国し、現地28日、日本出発から丸2日以上をかけてようやく被災地に足を踏み入れました。
現地の支援団体の協力で、早急に被災現場や避難所、医療機関の視察へ。全域が壊滅しているというわけではないカラカス市内でも、被害の大きい地域では周辺一帯の建物が倒壊するなど衝撃的な光景が広がっています。
(撮影:Miguel Angel Roses)
避難所には、カラカス市内で被災した人に加え、より壊滅的な状況と伝わるカラカスの北に位置するラ・グアイラ州からの避難者も続々とやって来ていました。避難所といっても、寝起きするためのテントが張られているだけで、利用できる水もなく衛生状況が危ぶまれるような所もあります。公園内の避難所には、およそ8,000人が避難していました。
この日、避難所のテントには雨も降り注いだ(撮影:Miguel Angel Roses)
(撮影:Miguel Angel Roses)
支援チームが驚いたのは、避難所の運営状況です。大規模災害の被災地では、現地の政府機関、または国際機関が各避難所の調整を行うのが通例ですが、そうした介入が見られませんでした。代わりに、現地で被災を免れた人びとがボランティアとして避難所にやってきたり、一般の人びとから寄付された物資を分け合ったりと、自助努力で助け合う人びとの姿がありました。
しかし、全体の調整役がいなければ、避難所によって支援物資の供給に差が出たり、物資の余剰と不足が発生したりと、せっかくの支援が行き渡らないリスクがあります。実際、今回訪れた避難所の中には、支援物資がすでに充足しているところと、一切の物資が届いていないところが存在していました。

医療機関の逼迫も深刻です。学校に開設された診療所では、医療ニーズが膨大なため、トリアージを行い優先順位を定めて治療を行っていました。ニーズに対して医療人材が大きく不足しているため、医師免許を持たない看護学生も総出でケガ人の治療にあたっており、骨折などの相対的に軽傷とされるケガでは医療を受けられない状況だといいます。
この診療所を訪れている患者はおよそ1,000人に上り、それを25人の医療者がボランティアで自主的に対処している状況。治療にあたっていた女性は、「夜中の3時まで働いていて、睡眠がとれていない。医療者用の服もない」と苦しい胸の内を語っていました。
稲葉医師率いる医療チームが出動へ

必要な医療につながれない人びとが大勢発生している被災地の現状を受けて、ピースウィンズおよびARROWSは、稲葉医師を含む追加メンバーの出動を決定しました。医師、看護師、調整員などからなる5名のメンバーが新たに日本を出発し、7月1日にベネズエラに到着予定です。
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また、すでに現地入りしている先遣隊が主導し、水、衛生用品、医薬品などの物資支援も検討します。ラ・グアイラ州など他の被災地の状況も把握しながら、医療支援、物資支援の両方を視野に現地での活動を進めていきます。
行方不明の家族を探す人も多い(撮影:Miguel Angel Roses)
第1陣がベネズエラ入りした飛行機には、各国のレスキューチーム・支援チームのほか、被災した家族を心配して国に帰る人たちでもごった返していました。それでも悲愴的な雰囲気ではなく、ピースウィンズのユニフォームを来たメンバーは、空港など各地で口々に「そんな遠くから支援に来てくれてありがとう」と声をかけられたといいます。
被災した現地の方々、そして日本からご支援を通じて想いを託してくださる皆さんにお応えできるよう、私たちにできる支援に全力で取り組んでまいります。引き続き、温かい応援をどうぞよろしくお願いいたします。



