
写真:AFP/アフロ(2026年6月24日)
ベネズエラで大地震が相次いで発生してから丸一日が経過しました。米CNNは、建物の倒壊などでこれまでに最低でも188人近くの住民が亡くなり、1500人以上が負傷したと報じています。被害の全容は今も明らかになっておらず、死者が数千人規模以上に膨らむ可能性も指摘されています。
看護師や調整員を含むピースウィンズの緊急支援チームは、日本時間の26日朝に現地に向けて飛び立ちます。ベネズエラの首都国際空港が被害を受けて封鎖されているため、まずは近隣国を最初の出発点とし、最新の情報を収集しながら現地入りを目指します。
これまで数々の海外の支援現場を経験してきた海外事業部マネージャーのポーマンも26日朝、日本を出発します。いつ現場に入れるのかまだ見通せないものの、「地震によって多くの建物が壊れ、たくさんの方々が避難生活を送られています。まずは現地の方々の生活に必要な物資、そして避難生活を続けるために必要なものを、できるだけ多くお届けできたら」と話していました。「日本からは遠く離れているベネズエラですが、本当に多くの方が犠牲になり、今もたくさんの方々が支援を必要としています。日本の皆さまからも、ぜひ温かいご支援をよろしくお願いいたします」
ベネズエラってどんな国? 貧しさに追い打ちをかける地震被害
南米の北部、ほぼ日本の裏側に位置する国、ベネズエラ。日本に住む人にとってはあまりなじみのない国ですが、いったいどんな所なのでしょうか。
ベネズエラはギアナ高地やアンデス山脈などの山岳地帯を擁し、世界最大の滝「エンジェルフォール」をはじめ、豊かで美しい自然で知られています。首都カラカスは山に囲まれた峡谷に位置し、1年を通じて温暖で過ごしやすい気候に恵まれる一方、土砂崩れや洪水などの被害を受けやすい環境でもあります。
南米では珍しく、サッカーより野球が盛んなお国柄で、メジャーリーガーも多く輩出。2026年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)では初優勝を果たしました。
こうした魅力の一方、人びとの暮らしは極めて苦しく、国連の報告によると、国民の7割以上が貧困に陥っているとされます(*)。ベネズエラは世界最大の石油埋蔵量を誇ると言われる産油国ですが、ポピュリズム政策や汚職に加え、原油価格の下落も原油に依存した経済の打撃となり、2018~19年には物価上昇率10万%を超えるハイパーインフレが進行。同国の通貨ボリバルの価値は消失し、経済は破綻に陥りました。
今年1月のアメリカによる軍事攻撃も記憶に新しいところです。トランプ米政権は麻薬密輸問題などを理由にベネズエラに侵攻し、当時のマドゥロ大統領を拘束しました。体制変更を余儀なくされたベネズエラは現在、デルシー・ロドリゲス暫定大統領率いる米政権の支持を受けた暫定政権が、国の運営を担っています。
こうした政治的な空白も背景に、もともと悪化していた治安も不安定な状態が続いています。2026年6月現在、外務省はベネズエラ全土にレベル3(渡航中止勧告)、またはレベル2(不要不急の渡航中止)を発出しています。
政治・経済が大きく混乱し、治安の悪化が続く状況下で発生した今回の巨大地震。ぎりぎりの貧しさのなかで暮らす人びとにとって、地震による人的・物的被害は致命的なものになりかねません。
私たちはこれまでの被災地での活動経験を最大限生かし、1人でも多くに救いの手を差し伸べられるように全力を尽くします。皆さまの温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
*)https://www.japanforunhcr.org/appeal/VZLA



