みなさん、こんにちは!『白いまよい子』の撮影・照明担当の上田謙太郎です。報告2回目です!今回は、カメラのことと、撮影の時の思い出について書きます。 撮影はiPhone 16 Proを使用今回、大きいシネマカメラで撮影することもできたのですが、撮影時間が限られているため、機動力があるiPhone 16 Proで撮影することになりました。ちょうど撮影をしている9月にiPhone 18が発表されたので、2世代古い機種での撮影ではありましが、画質は問題ありません。Blackmagic Camera Appを使い、 Apple ProRes 422 4K Apple Log-HDRで撮影しています。左側がグレーディング前のApple Log-HDR、右側がグレーディング後Apple Logのおかげで白い衣装や髪を白飛びさせずに撮ることができたiPhoneだけで映画を撮るのは初めての経験でした。良いこともあれば、悪いこともありました。良い点としては、レンズの選択肢がないことです。標準の48mmと広角の24mmと超広角の13mmの3種類に限られます。実際はほとんど48mmで撮影しています。選択肢が少ないので、現場で構図を作る時の判断が早くなります。また軽量なので、ジンバルへの切り替えが早かったり、ピント合わせがタップするだけで楽だったりします。充電しながら撮影すると高温になってしまう。一方で、悪い点としては、ピントが思うように合ってくれないこと、スローモーション撮影をしているときに熱暴走でアプリが落ちたり、収録したデータが壊れたりしたこと。バッテリーもストレージもモニターも全て、この小さい筐体に閉じ込めらえていることの便利さと、それとトレードオフの負担を感じました。また、さすがに小さいセンサーに豆レンズを使った「カメラ」なので、暗部の階調があまり綺麗に出てませんが、明るい部分は綺麗に表現されていると感じました。 撮影の思い出撮影の時に印象に残ったことがいくつかあります。1つ目は、広島南特別支援学校(昔の名前は「広島ろう学校」)で撮影したことです。主人公役の木村美虹さんは現役の高校生で、他の同級生役も同じです。司書役の砂田ルツさんと、監督・妖怪役の徳門彩夢さんは学校のOBです。ろう学校といえば、幼稚部から高等部まで、生徒は同じ学び舎で過ごすので、徳門さんは学校に通っていた頃から幼稚部にいた木村さんとは顔見知りだったそうです。また、卒業して何年か経つ徳門さんに会いたいからと、先生や給食の職員さんらが「久しぶりだね〜」と変わるがわる挨拶に来ていました。生徒、OB、先生、職員さんの交流の様子や、現役生徒たちの親しげな様子を見て、私は心に温かいものを感じました。 それから、2つ目。今回の映画はそれなりにタフな現場だったのですが、徳門さんの仲間が出演や応援スタッフでたくさん協力してくれたことです。普段から、手話ダンスチームの活動や、その他さまざまな地域活動で共に歩んでいる仲間との良い関係が見えました。デフ・ムービーは地域のコミュニティの力で作っていくものだと感じました。スタジオ撮影の様子。3つ目は主演の真宵役の木村美虹さんの存在感です。カメラマンは俳優の顔を長く見つめる仕事です。顔をよく見て、良いアングルを探したり、光の当たり方を考えたり、カメラと人物の距離感を考えたりします。木村さんはシーンごとに毎回毎回、「あ、こんな表情もするんだ!」という驚きがありました主人公「真宵」役の木村美虹(きむらみく)さん『白いまよい子』は若者が夢を目指して内面的な旅をする物語です。その内容と合っているのですが、木村さんはとても大人っぽい表情をすることもあれば、とても子どもっぽいあどけない表情をすることもあります。意志の強い表情の時もあれば、自信をなくしているような顔をしている時もあります。成長過程にある主人公の内面がよく現れていると言えますし、また木村さんの俳優としてのポテンシャルを感じる機会でした。また今後も別の映画に出演してもらいたいと思いました。 最後に、手話がメインの映画現場のこと最後に私個人の話ですが、手話の勉強始めてから4年目で、知り合いもいない他県に乗り込んで、手話をメインに進める現場でカメラマンという重要な役目が務まるか、不安もありました。ですが、私が思ったよりは、監督や役者の手話が読み取れて、撮り方や進め方を監督や役者に手話で説明して理解してもらうことができました。これは手話の勉強を始めて、一番嬉しかったです。勉強してきて良かったな〜と心から思った瞬間でした。 一方で、撮影が深夜12時ごろまで続いた日は、撮影の疲れと、自分にとっては第2言語である手話で会話している脳の疲れが合わさって、最後の方はほとんど手話が出なくなり、監督や役者さんの読み取れなくなりました。その時初めて知識ではなく、体感として、ろう者が置かれている環境を理解できました。「ろう者は自分の第一言語ではない音声言語の世界の中で生きている」。つまり、ろう者が聴者スタッフの中で映画を撮るとか、聞こえる前提の社会でさまざまな活動や生活をすること、さらにその時に通訳がいない場合の大変さを、逆の立場で想像することができました。通訳派遣や情報保障など、社会ではまだまだ環境が整備されていないと思います。私も今後、できることをやっていこうと思いますし、こういう映画の撮影現場があると、聴者の私がサポートしているというよりは、逆に学んでいる面が大きいということを感じました。 撮影の空き時間に食べた「せんじがら」と「ホルモンうどん」美味しかった!
撮影・照明担当の上田謙太郎から現場報告みなさん、こんにちは!『白いまよい子』の撮影・照明担当の上田謙太郎です。今回は、私が活動報告をお知らせします。写真の緑Tシャツでメガネが私です。広島南特別支援学校での撮影の様子。まず自己紹介をします。私は愛知県在住の映像作家・大学教員で、手話を勉強している聴者です。これまで映画、CM、ドキュメンタリー映像の現場でキャリアを積んできましたが、4年前から手話の勉強を始めて、今はデフ・ムービーの支援を活動の軸にしています。今年の3月に今村彩子監督の『どうする松本くん!』という映画をプロデュースしました。その時、広島の徳門彩夢さんからメールが来て、「ろう女優を目指しているので出演したい!」と書いてありました。残念ながら、すでに出演者が決まっていました…。ですが!徳門さんはわざわざ広島から愛知県来て、短いセリフのある役で出演してくださり、さらに2日間みっちりと現場を見学をして帰りました。 『どうする松本くん!』撮影風景(左から2番目が徳門監督) デフ・ムービーはこれからもっと盛り上がる!地方からも!最近、海外作品も含めるとデフ・ムービーの数が増えています。ただ、地方都市でろう者による映画がたくさん作られているわけではありません。徳門さんが、ろう女優として映画に出演する機会を待っているより、自分で作ってみて、歴史ある映画祭「京都さがのデフ・ムービーフェスティバル」に応募してみてはどうか?と徳門さんに勧めてみました。つまり、自分で監督して、自分で出演するということ!考えてみれば、有名なろう者の方々は、俳優だけではなく、監督や演出もやる方は多いですよね。 自分で撮ってみたら?と言った三ヶ月くらいあと、徳門さんから連絡が来ました。映画を撮るので手伝ってほしい、まず脚本を読んでくださいと言われました。正直、本当に撮るとは思っていなかったです笑。しかもこんなに早く!美術で使った絵は監督が描いたもの 脚本の内容は、ファンタジックな想像力に満ちたもので、子どもから大人まで楽しめる映画になると思いました。最初の脚本が送られてきてから、何度も改稿した脚本が送られてきて、内容はどんどん良くなっていきました。撮影が近づく時期には、出演者である広島のろう学校の現役生徒たちと稽古を重ねて、試し撮りをした映像が送られてきました。おかげで多くのショットがビデオコンテ通りに撮って、うまく行きました。 こちらが試し撮り(ビデオコンテ)の画面です。 こちらが実際に撮影した本番の映画の画面です。 徳門さんはとてもプランがしっかりしていて、カット割りのセンスがある監督だと思いました。監督のやりたいことが明確なので、カメラマンとしてはとても仕事がしやすく、カメラワークや照明のプランを立てやすかったです。また今回、照明にこだわりたいと言われたので、ワンオペでできる最大限の照明セッティングで撮影しました。俳優に、力強い光や柔らかく優しい光が当たると、演技にもっとエネルギーが宿ります。自然光も生かして、追加の光を照明で補強するシーンも。ハウススタジオではビニールを張って、光をソフトに。 『白いまよい子』は、全て手話で会話がされている映画です。音もつけない無音映画になると聞いています。でも、単純に手話を使っているだけではなく、ろう者が撮る映画「ならでは」のちょっとした要素もあることに気づきました。内容と書くとネタバレになるのですが、癖とサインネームがヒントです!ぜひ本編を見てください!
撮影3日目の様子をお届けします!こんにちは!自主制作短編映画『白いまよい子』です。前回の活動報告から少し時間が経ってしまいましたが、今回は撮影3日目の様子をお届けします!実は、今回の撮影では予想外のハプニングもありました。まさかの撮影延期に!今回の撮影場所は、レンタルルームをお借りした家のシーンです!真宵の父親役として参加してくださったのは、signの代表である菊田順一さんです。そしてスタッフとして、OhaiAli”iで写真撮影を担当し、普段からサポートメンバーとしていろいろ助けてくださっている麻生さんも来てくださいました!ところが、真宵役の木村さんが体調不良で欠席することに。上田さんや菊田さん、スタッフのみなさんと話し合い、撮影を翌週に延期することになりました。翌週、無事にみんなで集合!そして迎えた翌週。木村さんも元気に回復し、無事に撮影を再開することができました!この日は麻生さんがご都合により参加できませんでしたが、代わりに同級生役の矢崎くんと、2日目にも手伝ってくださった島崎さんがスタッフとして参加!再び力を貸してもらえて、とても心強かったです!お父さん役にも注目!今回、菊田さんには真宵の父親役を演じていただきました。菊田さん自身にも娘さんがいて、ダンスパフォーマンスの経験もあるためか、撮影中に見せる表情がとてもお父さんらしく感じられました!ただ、手話でセリフを表現することにはまだ慣れていない様子で、少し苦戦する場面も。それでも現場のみんなで応援しながら、何度も挑戦!無事にセリフのシーンを撮影することができました!撮影を支えてくれたスタッフたちこの日は、ご飯を食べるシーンも撮影しました!撮影に使う料理は、矢崎くんと島崎さんが買い出しに行ってくれました。矢崎くんは別の用事があり途中までの参加でしたが、忙しい中でも時間を作って手伝いに来てくれて、本当に感謝しています!そして島崎さんは、料理の準備も担当!お皿に綺麗に盛り付けまでしてくださり、とても美味しそうな食卓になりました!出演者だけでなく、こうして裏側で支えてくれる人たちの存在も、映画制作には欠かせないものだと改めて感じました。ついに、すべての撮影が終了!そして、最後のシーンまで無事に撮り終えることができました!撮影が終わった後は、みんなでワイワイ!振り返ってみると、初めての監督として分からないことや大変なこともたくさんありました。それでも、出演者やスタッフのみなさんに助けてもらいながら、最後まで撮影を進めることができました。特に、愛知県からカメラ担当スタッフとして何度も足を運んでくださった上田さんには、本当に感謝しています!そして撮影後は、木村さん、島崎さんと3人でカフェへ!デザートを食べながら、いろいろなお話をして、とても楽しい時間を過ごしました。撮影が終わった後まで、素敵な思い出ができました!改めて、今回の映画制作に関わってくださったみなさん、本当にありがとうございました!次はいよいよ編集へ!撮影は無事に終わりましたが、映画制作はまだまだ続きます!次は、撮影した映像を一本の作品に仕上げていく編集作業です。実は編集でも、いろいろな苦労や発見がありました……!次回の活動報告では、そんな編集作業の裏話をお届けしたいと思います!いつも応援してくださっている皆さま、本当にありがとうございます。『白いまよい子』完成まで、引き続き応援していただけると嬉しいです!
撮影2日目の様子をお届けします!こんにちは!自主制作短編映画『白いまよい子』です。今回は、撮影2日目の様子をお届けします!この日もまずは、撮影スタッフの上田さんと打ち合わせ。確認を終えた後は、再び学校へ向かい、2回目の撮影が始まりました!今回の舞台は図書室!この日は、学校の図書室でのシーンを中心に撮影しました。そして今回は、私の友人でもある砂田ルツさんが司書役として参加!1日目に同級生役として出演してくれた矢崎くんと髙石さんも、この日はスタッフとして撮影を手伝ってくれました。出演が終わった後もこうして力を貸してくれて、とても心強かったです!この日は雲が多かったものの、太陽もしっかり見えていて、とても綺麗な天気でした!テイク6で成功!みんなでハイタッチ図書室での撮影の中でも特に印象に残っているのが、真宵役の木村さんが図書室から外へ走っていくシーン。ワンシーンが少し長めだったこともあり、途中でちょっとしたハプニングも。何度か撮り直しを重ねて……テイク6で、ようやく成功!無事に撮り終えた瞬間は、みんなでハイタッチしました。何度も挑戦していたからこそ、成功した時は本当に嬉しかったです!学校での撮影を手伝ってくれた矢崎くん、髙石さん、砂田ルツさんとはここでお別れ。たくさん応援の言葉もかけてもらいました。ありがとうございました!学校を出て、次の撮影場所へ!学校での撮影を終えた後は、場所を移動。次に撮影したのは、真宵が妖怪と出会う場面です。そして次の撮影場所では、私が所属している手話ダンスチーム「OhaiAli”i」のメンバー・島崎さんにもスタッフとして手伝っていただきました!そして私自身も、このシーンでは妖怪役として出演しています。衣装とメイクもチェンジ!ただ、白いつけまつげやアクセサリーが視界に入ったり、慣れないウィッグがアクセサリーに当たって取れそうになったり……。撮影とは別のところでも、少し苦戦しました。また、小道具として使用する絵を、真宵役の木村さんに4枚描いてもらいました。出来上がった絵がとても可愛らしくて、作品の中で使うのが楽しみになるものばかりでした!気がつけば、日付が変わる頃までそこからも撮影に集中していると、気がつけばかなり遅い時間に。この日の撮影は、0時頃まで続きました。木村さんは保護者の方に送迎をお願いし、無事に帰宅。レンタルルームの担当者の方にも事前に相談し、延長について柔軟に対応していただきました。本当にありがとうございました。長い1日になりましたが、図書室でのシーンから妖怪との出会いまで、たくさんの場面を撮影することができました!出演者・スタッフのみなさんに助けてもらいながら、少しずつ『白いまよい子』の世界が形になっています。まだ撮影の様子がありますので、引き続き活動報告でお届けしていきます。『白いまよい子』完成まで、応援していただけると嬉しいです!
撮影1日目の様子をお届けします!こんにちは!『白いまよい子』監督の徳門彩夢です。少し遅くなりましたが、今回は撮影1日目の様子をお届けします!この日は午前から、撮影スタッフの上田さんと合流。少し撮影をしたり、学校での本番に向けて打ち合わせをしたりしました。私にとっては、今回が初めての監督、そして初めての本格的な映画撮影。本格的な撮影機材を目の前にして、「映画の撮影って、こんな感じなんだ……!」と驚くこともたくさんありました。そんな中、上田さんと確認しながら撮影に挑みました!そして、撮影場所の学校へ!打ち合わせを終えた後は、今回の撮影場所となる学校へ向かいました。実はこの学校、私の母校です!撮影が始まると、出演してくれる生徒たちだけでなく、先生方や他の生徒たちも興味津々。「何を撮っているんだろう?」と、撮影の様子を見に来てくれる人もいて、思っていた以上ににぎやかな現場になりました!そして私自身も、久しぶりに会う先生方や懐かしい人たちにたくさん会うことができました。映画の撮影に来たはずなのに、母校に帰ってきたような懐かしさも感じられて、とても嬉しい1日でした。生徒たちも撮影モードに!出演してくれた生徒たちは、撮影が始まる前からウキウキ。でも、いざ撮影が始まるとしっかり集中!慣れない映画撮影の中でも、一生懸命取り組みながら、撮影そのものを楽しんでくれていました。さらに、出演だけでなく撮影の合間にはスタッフとしてもいろいろ手伝ってくれて、本当に頼もしかったです!出演者としても、スタッフとしてもたくさん助けてもらいました。ありがとう!写真は、撮影1日目のみんなでの一枚です!こうして実際に『白いまよい子』を撮影するところまで進むことができたのも、応援してくださっている皆さまのおかげです。改めて、本当にありがとうございます!まだまだお見せしたい撮影の様子がありますので、2日目以降の様子も少しずつ活動報告でお届けしていきます!『白いまよい子』完成まで、引き続き応援していただけると嬉しいです!



