
私は息子を育てるまで、知らないことがたくさんありました。
病気になれば病院へ行く。必要なら薬を飲み、手術を受ける。困ったときには福祉制度を利用する。
以前の私は、それを当たり前のことだと思っていました。
でも、息子を育てて分かりました。
今ある治療法も、最初からあったわけではありません。
たくさんの人が研究し、何度も挑戦し、医療者が日々学び続けて、今の医療があります。
福祉も同じでした。
困っている人たちや、その家族、支える人たちが声を上げ続けて、少しずつ今の制度や権利をつくってきました。
誰かが動いてくれたから、私たちは今、その恩恵を受けています。
私は息子を育てなければ、そのことに気づかなかったかもしれません。
ホルト・オーラム症候群には、まだ根本的な治療法がありません。
だから今度は、私たちが動いてみようと思います。
大きなことができるかどうかは分かりません。
それでも、何もしなければ何も始まらない。
いつか、この病気にも治療法があることが当たり前になる日が来るように。
当たり前なんて、一つもない。
それを私は、息子を育てながら学びました。



