一昨年から自然乾燥して干して置いた欅の木いよいよバンドソーで大きめに丸く挽く段取りを始めました。 欅、山桜、栗、赤松等ですが、中には日割れが入りどの辺まで日割れがあるのかが気になるところです。 丸く木取をして更に寝かせ自然乾燥その後木工旋盤で粗挽きですが、 仕上には杢目を挽きだして更に木肌の感触が味わえるように、大子の盛りの漆を丹念に摺り込み拭漆で仕上げます。 日事の更なる御支援御協力をお願い致します。
上の写真と下の写真の中間にある黒いリング100年以上前の物で、左側のカップに油を塗り中間のリングを入れて右がわを上に天井から吊るし、ドアを4枚取り付けます。現在のベアリングの構造と同じ。日光金谷ホテルの木製の回転ドアの心臓部にあたる軸、今でもグリスを塗り軽快に動いています。いにしえの知恵は広葉樹の環孔樹の中に穴が開いている特徴を利用して頭で考え工夫することで勉強になります。
写真に有る木工旋盤の右端では大きなものに取り組む事を目指して、蕎麦やうどんを打つ時に使うこね鉢を80㎝の大きさまで作る事が出来ます。 クロサキ工芸に有る在庫の中には欅の輪切り、クリの木、栃の木等、木工旋盤が決まればまず取り組みたい事の一つ、 小さなものから大きなものまで作る事が出来るので、様々なものに取る組む事が出来ます。この様な中で作られたものを、漆で仕上げることも出来るのでレパートリーが広がります。
栃木県が誇る世界遺産、日光神橋の麓に金谷ホテルがあります。その金谷ホテルの玄関にある木製の回転ドア、多くの御客様をお迎えしたが長い年月経て傷んだドアの修復をクロサキ工芸で再生をしました。 ヨーロッパスタイルの回転ドアを分解して分かったことは、日本の指物の仕口と呼ばれる技術、回転ドアの上に有る天蓋の作りは宮大工の仕口。回転ドアの周りの曲線は曲げ木を作り組み上げて曲面に水楢の縁甲板を張り、日本の技を活かしています。 ドアの押し板が真鍮で、『PUSH』と『をす』と日本語でタガネで打ち込んで100年近くあるいはそれ以上の年月の擦り減りで文字が不明になりこれも再生をしました。 回転ドアの仕組み、鋳物の器の中に広葉樹の丸いリングがありグリスを塗り、此れが現在のベアリングの役目をしています。初めて慧眼しました。今でも当時のままで、古に人の知恵は素晴らしく感激しました。東北大震災の直前に修理が終わり無事何ごとも無く納まりほっとしました。お陰様で大変貴重な体験をさせて戴きました。
山桜の木で直径270㎜の丸い板が欲しい、昨年からの話ですが。桐の木を持参して155㎜の丸い加工が出来ないかとまだ木工旋盤が無いのに問い合わせが来る、と言うより持参してくる。 今クラウドファンディングのチャレンジ中と訳を話してお待ち唯く状態です。有り難いお話です感謝致します。