こんにちは!TORICOTORの「ぼを」でございます。お蔭様をもちまして、本日、無事に10万円の目標額を達成する事ができました。今回はAll-or-Nothin形式でのプロジェクトですので、これにて無事に企画を進められる事になりました。本当にありがとうございました。これより、プロジェクトのスケジューリング、調達物品の詳細な選定作業等に入ります。そして、プロジェクトは完了まであと10日ほど残っております。という訳で、新たな目標達成を目的としたストレッチゴールを設定したく思います。新たな目標は、大きく2つあります。 1.ウェアラブルリコーダーの商品名の商標登録 2.ウェアラブルリコーダーの出願中特許の審査請求1については、現在まだ決まっていないウェアラブルリコーダーの商品名を考えた後に、それの商標登録をするのに必要な印紙代2については、前回の活動報告で書きました「特許の審査請求」に必要な印紙代では、合計でいくら必要になるか計算してみましょう。計算には、特許庁が公式に用意している「料金をサクッと計算」という、およそ特許庁らしからぬネーミングのサービスを使います。料金をサクッと計算https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/jidou-keisan/index.htmlまず、1ですが、個人出願をした場合の印紙代金を計算します。ポチポチっと…。・商標登録・出願料:商標登録出願・登録料:商標登録10年・区分数:1「区分数」というのは、その名前で商標をとるカテゴリの事です。例えば「ウェアラブルリコーダー」で商標出願をする場合、「楽器」というカテゴリだけで権利を持てばいいなら1区分。他にも「食糧」「飲料」「キッチン用品」など、他の区分でも権利をとりたいなら、その区分数を登録します(例示の区分名、適当に書いてます)。※因みに、「ウェアラブルリコーダー」は一般名称の組合せなので、この名称では恐らく商標登録は通りません。出願料は、3,400円+8,600円×区分数です登録料は、28,200円×区分数です結果は…40,200円…。登録まで行うと、そこそこかかりますね。次に、特許の審査請求料です。特許については出願は終えているので、・出願審査請求:通常出願・特許料:3年間・請求項:6結果は… 151,900円。う~ん。このプロジェクトよりもかかる…;^^という訳で、ストレッチゴールとして、商標登録を念頭に入れた「合計15万円」を第一目標審査請求を念頭に入れた「合計30万円」を第二目標に据え、ストレッチゴールに設定したいと思います。商品名については、いくつか案を考えた後に、また皆さんに意見をお伺いしたいと考えておりますので、よろしくお願いしますね。
こんにちは!TORICOTORの「ぼを」でございます。Twitterで応援くださっている方より「ウェアラブルリコーダーの公開公報が出ていたよ」と教えて頂きました(自分で気づかなかった…)。勿体ぶって「見せられないよ」なんてやってましたが、現在、どなたでもウェアラブルリコーダーの出願概要を確認できる状態となっています。「公開公報って何?」と思われるかもしれません。特許権の取得について、ざっくり流れを説明します。1.特許出願:決められた様式に従って出願します2.出願公開:出願後、18ヵ月経過すると公開公報により特許庁より出願概要が公開されます3.審査請求:出願後、3年以内に審査請求を行います4.特許化:審査請求の結果、発明性が認められれば特許権を得られます(出願日から20年有効)現在、ウェアラブルリコーダーは2の段階にある、という事になります。実は、全ての出願が、4の特許化まで進む訳ではありません。当然「発明性が認められないから特許化されない」場合もあるのですが、「わざと審査請求をしない」パターンも多々あります。というのも、特許化にはお金がかかるのです。1の特許出願だけであれば、個人で出願すれば印紙代の14,000円だけで出願可能です。が、審査請求に進むには、約15万円の印紙代が必要となってきます(正確には13万8千+4千円×請求項数)。弁理士事務所にお願いをすれば、当然そのお金も乗っかってきます。つまり、出願した特許が「ビジネスにならない」場合、特許権を取得する事にはメリットがないため、審査請求に進まない、という判断ができるのです。ですので、「審査請求までの、特許出願による先願権を保持できる3年間」以内にビジネス化できるか否か、が重要になってきます。よく、街中で目にする「特許出願中」と書かれた商品が「特許取得済」ではないのは、そういった理由があるわけですね。折角? 公開公報が出ましたので、少しだけ出願画像をお見せしますね。公開内容を見たい方は、特許庁の検索サイトで検索してみてください;^^「リコーダー」では出て来ませんけどね。。。
こんにちは!TORICOTORの「ぼを」でございます。前回に引き続き、プロジェクト成功後の試作実施について考察を重ねていきます。試作の回数を最適化(最低回数で最良の結果を得る)為には、どの順番で開発を進めて行くか、が重要になってきます。今回はちょびっとだけ学術的な話をさせて頂きますね。ご存じの通り、一般的なリコーダーは大きく以下3つの部品からなります。1.頭部管(吹き口やエッジ窓のある部品)2.中部管(穴の沢山ある筒ですね)3.足部管(お尻の穴が開いている部品)恐らく皆さんが小学校で使ったソプラノリコーダーは、これら3つの部品を分解できたのではないでしょうか?ウェアラブルリコーダーは一体型ですので、同様の部品概念はありませんが、部位の役割としてこの3つをとらえる事で開発の方針が明確になります。まず、リコーダーの音を正しく鳴らすのに最も基本となり、かつ重要なのが頭部管になります。つまり、吹き口の形状、窓のサイズといったウィンドウェイを正しく設計し、最適なカルマン渦を発生させ、美しい音色と音量を得る事が重要です。単純に「吹き口があり、窓のエッジがある」だけかと思われるかもしれませんが、実際のリコーダは非常に複雑な形状をしています。木工で作る場合は、やすりなどを使って細かく調整していきますが、3Dプリンタであれば設計さえうまくいけば、一気にプリントできます。次に、足部管です。ここからは「アドミタンス」という概念を使います。電子工作をやられた事のある方や、ヘッドフォンに詳しい方は「インピーダンス」という言葉を耳にした事があるかと思います。交流回路の世界で、アドミタンスは、インピーダンスの反対の概念の言葉になります。・インピーダンス:電流の流れにくさ(impede:邪魔をする)・アドミタンス:電流の流れやすさ(admit:通る事を許す)※アドミタンスはインピーダンスの逆数となります。リコーダーに応用した場合、これは管全体における「息の通り易さ」と考えます。したがって、アドミタンスが大きいほど、音は高くなります。↑こういう笛は、管径と管長でアドミタンスを調整し、音程を作っていますリコーダーのアドミタンスは、「エッジ窓」「指穴」「尻穴」の合計値からなり、穴の大きさや管の長さの影響を受けます。例えば、穴のサイズが大きければ、息は通り易いのでアドミタンスが大きくなります。また、同じサイズの穴でも、吹き口から離れると息が通りづらくなりますので、比較してアドミタンスが小さくなります。このアドミタンスが管内の実効長(物理的な長さではなく、アドミタンス上の長さ)を形作り、音程を作る事になります。(運指が必ずしも足部管から順番にならずに、途中の穴をふさがなかったりするのは、アドミタンスを的確に調整するためです)今回は、エッジ窓と尻穴以外のアドミタンスが0の状態(=中部管のすべての穴をふさいだ状態)で「C管」の調律を目指します。通常のリコーダーであれば、音程は管径と管長に左右されます。従いまして「正確に16.5cm」にしようとした場合、管径を変化させる必要があります。これを足部管のアドミタンスを調整する事で「物理的な管径と管長を確保したままC管を作る」事を目指します。そして、中部管です。ここからも、アドミタンスの概念に従い、穴の位置と大きさを調整していく事になります。実効長の調整は、アドミタンスが小さい順の方が行いやすい為、低い音程から順に調整をしていくのが適当と考えられます。以上より、今回のウェアラブルリコーダーを試作する最適な手順は、以下だと考えられます。1.頭部管の設計をする2.中部管のアドミタンスが0(中部管の穴がすべてふさがれている状態)において足部管を設計する(C管)3.中部管を、音程の低い順から穴を開け、チューニングしていく(チューナーを使って正確な音程に合わせます)4.変形ギミックを調整する5.ギミックによる調律のずれを微調整する今にも試作を開始したくてウズウズしております。引き続き、ご支援の程、宜しくお願いします。出典:バロック木管図書館https://woodwind.at.webry.info/200604/article_8.html
こんにちは!TORICOTORの「ぼを」でございます。おかげさまで目標額の80%を超えました!が、クラウドファンディングの立ち上げや、ご支援の経験がある方ならご存知かもしれませんが、この最後の一息が想像以上に大変です。というのも、前半戦での「新着プロジェクト」からの流入は完全にありませんし、勢いをつけるためのSNSでの拡散も効果がきれ始めるからです。さて、プロジェクトの達成可否については正直まだ解りませんが、これからの試作等について、検討を進めて行く必要があります。完成に向けて、沢山の試作が必要になるのは既知の事ですが、闇雲に試作を続けていくのは時間的にもコスト的にも非常に非効率的です。特に「光造形式」3Dプリンタの場合、紫外線照射に使うLCDなどは完全に消耗品で、150時間程度しか耐久性がないと言われています。1回のプリントでの照射時間が5時間とすると、30回程度試作を重ねたら、LCDを交換する必要があります(1万円くらい追加費用が発生します)。もちろん、1回のプリントで複数個の試作をプリントできますので、30個しか出力できない訳ではないのですが、時間とコストは大きな壁になります。今回の試作で探っていかなければならないのは、主に以下の項目です。・ふきくち(サイズ、形状)・窓(高さ、サイズ、形状)・管内の形状(テーパー、お尻の窄め)・デフォルトの長さ調整(c3のドの音を予定:88鍵で64) ⇒16.5cmでC管となるように穴の位置やサイズを調整します ・それぞれの穴の位置、サイズ・変形ギミック ⇒0.1mmのオーダーで嵌合すれば、部品ごとに分けてプリントせずに行ける予測です ⇒予定通り(特許出願技術通り)嵌合しない場合は、ゴムパッキンなどのガスケットで遊嵌させる事も検討しています(遊嵌の場合は、ユーザーが自分でリコーダーを分解できる予定です)開発段階では、透明度の高いレジンを使い、プリント後に中の様子をある程度目視できるようにする予定です。最終的には色のついたレジンを使い、最後にサーフェスを吹くなどして凹凸をなくし、皆様の手にお届け出来る予定です。プロジェクトも残り2週間足らず。最後まで、なにとぞよろしくお願い致します。
こんにちは!TORICOTORの「ぼを」でございます。今回は、ウェアラブルリコーダー企画当初の設計図やギミック考案時の試作品について少しだけ紹介します。まずはギミックですが。。。企画当初に買ってきたのは、ホースとカーテンリングでした。え???って感じですよね。結局ホースの方は使わなかったんですが、以下みたいな感じでギミックの試作をしました。カーテンリングを切ってつないだものです。この時点で、すでに現在と同じ形をしていますね。ここから、クライネソプラニーノリコーダーの壁厚や内径、穴の位置や大きさを研究して図面を引いたのが、一番↑の画像になります。方眼紙なんて何年ぶりにつかったかしら;^^この時点では、まだ接合部分の仕組みについて全く触れられていません。実際、壁厚が1mmしかありませんので、この厚みの中で「回転」と「固定」を実現するためには、それなりの設計を行っています(特許出願技術なので詳細は触れないでおきますね)。この図面をスキャンしたものを、3DCGソフトに読み込んだ上で、コンマmmのオーダーで3Dデータを作成し、3Dプリンタで試作を作っています。いかがでしたか?プロダクトの企画当初というものは、どんな商品も似たようなものかもしれませんね。ウェアラブルリコーダーのプロジェクトはまだまだ続きます。残り、あと一息です(と昨日も言ってましたが;^^)引き続き、ご声援、拡散のほど、よろしくお願いします!