イノシシの味の違いがわかるお料理とレシピの報告会、多数のご参加ありがとうございました。報告会と名付けたのですが、まだ『イノシシの味の違いがわかるレシピ』は確定できておりません。 今日でプロジェクトの募集最終日ですが、現段階での候補になっているお料理3つをご紹介します。 どの料理も、めちゃくちゃ美味しいです。いっそのこと、全部レシピ化してパトロンの皆様に送ってしまおうかと、美味しい悩みを抱えています。・イノシシのシャリアピンステーキ シャリアピンステーキとは、事前に肉をマリネして、柔らかい食感にしているステーキのことです。今回、マリネに使ったのは玉ねぎとらっきょでそのまま上にのせて食べてもらいます。 また焼く直前にすり下ろしたワサビをぬっています。生のワサビはものすごく辛いですが、熱を加えることによって辛みがなくなり、香りだけがステーキに残ります。・イノシシのブランケット ボワヴェールの川口さんらしい料理だなぁと思いました。『イノシシの肉は、ブタ肉より牛肉に近い』 というイメージから、仔牛の代表的なフレンチ料理、ブランケット・ド・ヴォーのイノシシ肉版の発想を得たそうです。 今回使っているイノシシ肉は脂がのっている大人のイノシシなので、マルカッサンではなくサングリエ。フランス風に料理名をつけるなら、ブランケット・ド・サングリエといったところでしょうか? ブランケットとよく似た料理にフリカッセがあり、両者の違いはあいまいなのですが、ブランケットのポイントは煮汁が美味しいこと。煮汁を美味しく食べてもらうために、ショートパスタをあえた料理です。・味噌漬けイノシシの炭火焼き このプロジェクトを進めるにあたって、川口さんがレシピ作成でこだわったのは、1.先人の知恵、伝統を重んじること2.家庭で(手軽に)作れるレシピにすること。だそうです。 味噌漬けイノシシは、日本の伝統を重んじた料理方法です。かの有名な北大路魯山人さんも、イノシシには赤い味噌があう、と書いています。 一晩、八丁味噌につけてから焼きました。という、非常にシンプルな料理方法ですが、イノシシの脂と味噌の甘味が混然一体となり、とんでもなく日本酒が飲みたくなる味に仕上がっています。日本では、古来から狩猟文化がありました。きっと昔のハンターさんもイノシシが獲れたら、シンプルに焼いて食べていたんだろうなぁと思います。 炭火は家庭で手軽に…とはいかないのですね。網の間から、おちた脂が熱されて煙になり、その煙がイノシシ肉に再度味付けをしてくれます。野外で炭火を使う機会があれば、ぜひ試してみたい料理です。もちろん、フライパンや魚焼き機などでも代用可能です。
味が的確に表現されることで、イノシシ肉を食べるシーンが開発され、イノシシ肉を食べる機会が増えます。「イノシシ肉って○○で美味しい!」の○○を明らかにすると、環境問題や食問題を解決する大きなきっかけとなり、美味しく食べることが問題解決に繋がります。 私たちの集合知で『食べる文化』を作りましょう!今回はレシピを作ってもらう、ボワ ヴェール (Bois Vert)川口シェフのイノシシ料理を堪能いただきながらイノシシ肉の味を知っていただける機会を設けるとともに、みなさんとお食事を楽しんていただける機会としてパーティを行いたいと思います。みなさまのご参加をお待ちしております!日時 :4月27日(土) 18:00~参加費 :5000円(会場にてお支払いください)料理 :川口シェフのイノシシ料理+七輪でセルフ焼きにもチャレンジ飲物 :乾杯とマリアージュ用で2ドリンクご用意しております。 もっと飲みたい方は、持ち込んでもOKですし、当日のキャッシュオンも可。場所 :「ボワ ヴェール (Bois Vert)」MAP :https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130103/13017110/dtlmap/参加のお申込みは、以下のFacebookのイベントページよりお願いいたします。https://www.facebook.com/events/622116328259510/
このプロジェクトの目的は、イノシシ肉を普及させるための壁──イノシシ肉の味を表現する言葉──をみんなで見つけること。今回、イノシシ肉と一緒に皆さんにお届けする『イノシシ肉の味がよくわかるレシピ』の作成を依頼しているボワヴェールのオーナーシェフ川口さんに、レシピ作成の進捗状況とイノシシ肉の味についてのヒントをお伺いしました。---------------------------------------------------------【本日のインタビュー】川口かずのり シェフ「現代青森料理とワインの店ボワ・ヴェール」オーナーシェフ。WEBSITE:https://www.bois-vert.jp/1974大阪府堺市生まれ。18歳でフランスに渡り、シェフへの道を歩みはじめる。フランス・ブルゴーニュ〈ル・ベナトン〉で修行後〈クラブNYX〉〈西麻布クリニャンクール〉で宮本雅彦氏に師事。日々シェフとして腕をふるいながら多くのフードプロデュースも実施。NPO法人伝統肉協会では設立時から理事として、ジビエの普及啓発に尽力している。今回のプロジェクトでは、リターン用の〈イノシシの味がわかるレシピ〉の作成を依頼しています。---------------------------------------------------------── 今回、川口シェフには『イノシシの味がわかるレシピ』の作成をお願いしています。そもそもシェフはイノシシ肉にどんなイメージを持っていますか?イノシシには2つのイメージがあります。1つは私のフランス修業時代で扱ったマルカッサン(marcassin)=(生後6か月以内の)仔イノシシのイメージです。脂がほとんどなくて柔らかい肉質のものが多いです。もう1つが、日本のイノシシ。日本産のイノシシで、マルカッサンを指定して仕入れた時には、想像以上に小さくびっくりしたことがあります。一般的に流通している日本のイノシシは、フランスではサングリエ(sanglier)という、大きいサイズのイノシシで脂が乗っているのが特徴です。フランスのマルカッサンはブタ肉と似ていますが、日本のイノシシの肉は、牛肉に近いイメージがあります。お肉の色や、焼き方、合わせるソースなんかもブタよりウシの調理方法のほうがあっている気がします。── 日本のイノシシ肉の味はどうですか?特に脂が美味しいと感じます。ボワヴェールで使う肉は、生産者が何を食べさせているかを確認してから使うようにしています。ひどい餌を食べさせてしまった家畜の肉は臭くなってしまいます。肉を見るだけではなかなか分かりませんが、どんな餌を食べさせたかで味の見当がつきます。逆に美味しい肉は良いものを食べさせたと言えると思います。その点、イノシシ肉は、野生動物の肉なので何を食べて育った肉かは確認できません。しかし、イノシシ肉の脂はさらっとしていていい香りがすることから、きっとイノシシが好きないい餌──体に良い自然の餌──を食べて育ったんだろうなと想像できます。── 香りって重要ですよね?そうですね。慣れがあってなかなか気がつかないのですが、牛肉、豚肉、鶏肉、それぞれの味の違いももちろんあるのですが、匂いの違いが一番料理に影響すると思っています。実際は、同じ種類の肉でも、匂いは違うことがあります。イノシシの脂の匂いは、どれもいい香りがします。同じ産地のイノシシでも香りは少しづつ変わります。きっと、イノシシの個性なんでしょうね。ごくまれにダメな匂いのイノシシもいるんですが……。── イノシシの味がわかるレシピに対する意気込みをお聞かせください。先月から相談を受けていて、考えているのですが、まだ完成していません。もう少々お待ちください。方向性は徐々に固まりつつあります。ポイントは2つあり、1つ目は先人の知恵を生かすことです。味噌を使ったすき焼き風の食べ方である北大路魯山人のレシピも参考にしています。塩だけで焼くというのも古来からの技法ですが、焼くという技法だけで美味しくさせるのは、一般家庭では難しいかもしれません。もう1つは、無理なく自然な感じの調理方法にしたいと思っています。木苺とかコケモモ等のソースで食べさせるフレンチの技法もあるのですが、イノシシ肉の味に加えるようなことはなるべくしたくないと思っています。味を加えれば加えるほどにイノシシのパワーがなくなってしまうような気がしています。個人的には、イノシシ肉を焼いた後のフライパンに春菊をサラッと浸して食べるとか、瓶詰なめたけとカリっと焼いた脂身をご飯に乗せて食べるとかが美味しいと思いますが、今回の趣旨とは違ってきます……ね(笑)相談を受けてから、2か月ぐらい、かなり悩んでいます。もう少し考える時間をいただきたく思っています。── ありがとうございます。レシピは来月中旬までに確定してもらえたら大丈夫です。よろしくお願いします。こちらこそ。一つ提案なのですが、イノシシ肉の味をもうちょっと深く知るための勉強会を開催しませんか?いくつか考えているレシピで調理したものを食べてもらうパーティです。イノシシ肉と牛肉が近いといっても、実際に食べてみると、よりイメージが持てると思いますし、どんなレシピがいいか、皆さんにも考えてもらいたいところです。── 面白そうですね。ぜひやりましょう。実際に食べながら楽しみながら、よりイノシシの味を深く研究していきましょう。石崎くんのプレッシャーがすごいから、レシピは勉強会までに考えておきます(笑)── プレッシャーなんてかけてないですよ!本日はありがとうございました。ありがとうございました。頑張ってね。-------------------------------------------------------------------------さて、いかがでしたか?イノシシの味について、いくつかヒントがあったような気がします。また、川口さんが言っていた、パーティに関しては4月27日(土)に開催を予定しています。詳細は、こちらのページでもご案内します。そちらも合わせて楽しみにしていてください!
こんにちは。石崎です。レシピがついているイノシシ肉をリターンとした今回のプロジェクト。パトロンになって、リターンを受け取ったあと、レシピ通りに調理を行い、試食してから、アンケートに回答してください…と、イノシシ肉を受け取った後も、皆様にはお手数をおかけします。ちょっとめんどくさいプロジェクトにチャレンジしようと思った理由の一つは、『北大路 魯山人』です。北大路 魯山人といえば、大芸術家で、ものすごい美食家だったそうですが、漫画の美味しんぼに出てくるキャラクターで主人公と喧嘩ばっかりしている『海原 雄山』をイメージする方も多いのではないでしょうか?私事ですが最近、漫画をあまり読んでいないので、海原雄山に孫ができるとかなんとか……で止まったままです。さて、海原雄山のモデルになった、北大路魯山人ですが、彼が書いた文章に、『猪の味』があります。まさに、今回のテーマ『イノシシ肉を表現する言葉』にドンピシャです。猪の味に関しては、作者の著作権保護期間が満了している作家の文章であるため、青空文庫で読むことができます。https://www.aozora.gr.jp/cards/001403/files/54960_48525.html少し、引用させていただきます。『食道楽七十年を回顧して、後にも先にも、猪の肉をこれほど美味いと思って食ったことはない。私は未だにそれを忘れない。私が食物の美味さということを初めて自覚したのは、実にこの時であった。』(北大路魯山人 猪の味より)と、書かれています。イノシシ肉を食べて、魯山人が食物の美味さを自覚した!と、とんでもなくイノシシ肉が持ち上げられています。あの海原雄山(=北大路魯山人)を海原雄山(=北大路魯山人)たらしめた猪の肉の味。具体的にどんな味なんだ!!と期待を込めて続きを読んでいったのですが、結局、魯山人も、めちゃくちゃ美味しい! としか書いていないんですよ。知りたいのは、どう美味しいのか? です。『美味しいは適切に表現しないと、食わず嫌いに食べてもらえない。』10年以上、野生鳥獣肉という現代ではちょっと珍しい食材を扱い、広げてきて感じていることです。魯山人の美味しい や、 私一人の言葉 だけではなく、より多くの人が感じる 『美味しい』を具体的するプロジェクト。ぜひ、皆様のご協力をお願いします。