日本でモータースポーツが普及し始めた70年代のころ、もっぱらモトクロスとトライアルだけでした。私も流行に乗ってモトクロスを始めましたが、万年ノービスで終わりました。当時は、本気でやっている人は毎年のようにでる新型モデルに買い替えるのが常識でした。私はそれほど本気でもなかったので、数台、モトクロッサーを買い替えてモトクロスは終わりました。それでもバイクには乗っていましたが、80年代になると耐久レース、一般林道を使ったレースが大流行しました。1回に1000台近くも参加者が集まる大会まで現れました。
当時は市販車を改造して出場することが多くて、はっきり言って大変でした。重くてパワーのない市販車ではどうやっても進むことのできないコースが多かったのです。轍にはまってしまい、コース員に押してもらったら、チェーンが外れてそこで終了なんて言うこともありました。車体が重くてとても持ち上げることができないこともありました。スタートして100m走らないうちに参加者の半数以上がスタックして動けなくなったレースもあったのです。
ところがバイクを外車に変えたらそんなトラブルはほとんどなくなりました。いままで悩んでいたのはなんだったんだ?という感じです。最初からレースを考えて作られたバイクと一般公道を走るためのバイクは、大きな違いがあったのです。いまでも古い国産車を大事に乗っている人は多いです。レースでもよく見かけます。でも、モータースポーツでバイクは道具なんです。いい道具を使わないと走っていても面白くありません。
一番びっくりしたのは、レースが終盤になるとコースが轍だらけになりますが、市販車でこの轍を走るのは非常に難しいのです。ところが外車になったら、簡単に轍を乗り越えることができるようになりました。これはサスペンションも違うが、フレームの剛性がまったく違うんだということに気が付きました。ななめに轍に入ったとき、市販車ではフロントがよじれてしまい、はじかれるのですが、外車はそのまままっすぐに轍を切っていきます。走ることが楽になりました。
XN125も最初からレースを考えて作られています。頑丈なフレームはヨーロッパ車のつくりを踏襲しています。古い国産車を大事に乗るのも楽しいですが、最新の設計のバイクを試してみることをお勧めします。