しばらく更新が途切れてしまいました・・・m(_ _)m・・・きょうはシソの芽生えの話です。 シソの種子も小さいですが、その種子から生えてくる芽生えも小さいです。種子が持っているエネルギーも少ないので、芽生えは、一生懸命光合成をしてエネルギーを作ります。しかし、なにぶん小さいために、作れるエネルギーもあまり多くはありません。このため、シソの芽生えの生育はとてもゆっくりです。イネだったら、種子のエネルギーだけで4枚目の葉まで生長できるのですが。シソの芽生えを苗床から畑に出すまでに1ヶ月以上もかかり、その後の生育にも影響するため、シソの栽培管理ではとても重要な時期になります。 一方、シソの小さな種子が驚異的な生命力を秘めています。秋に稔った種子は、次の春まで休眠しますが、その眠りの深さがバラバラで、翌年の春だけではなく、2年後、3年後にも目を覚まして発芽してきます。野生のシソでは、このように発芽する時期をずらせることで、子孫が全滅するリスクを減らしているのでしょう。ただ、シソを栽培する立場からすると、揃って発芽して欲しいのですが・・・。 ところで、上の写真の芽生えの葉の色は「緑」ですよね。ほとんどの場合、アカジソでもアオジソでも発芽したての「ふたば」は緑色をしています。アカジソが紫色になるのは本葉がでるころです。とにかく光合成を頑張らなくてはいけないので、赤くなっている余裕がないということでしょう。 上の写真は少し大きくなった紀州在来アカジソの葉です。この種類の紫蘇の葉は、他のアカチリメンジソとは異なって、黄色みを帯びた赤銅色の金属光沢を持っています。写真では、なかなかうまく表現できなくて残念です。
今日の午前中、雨の合間を縫って栞に使う紫蘇の葉を摘んできました。 押し葉にして栞を作るつもりですが、紫蘇の葉の形を栞にどのように活かすか、デザインは学生さんたちが考えてくれています。ポップなデザイン、大学生らしいアガデミックなデザイン、ちょっとシュールなデザインも・・・。来週には、どのデザインを採用するかみんなで相談して決めたいと思います。どのような栞ができあがるか、もうしばらくお待ちいただければと思います。
早速ですが・・・写真はシソの種子です。 大きさは1mm程しかありません。しかし、その生命力は驚異的で、畑に自然にこぼれた種子は翌年だけではなく、その翌年も、またその翌年も・・・パラパラと発芽してきます。5年経ってもまだ発芽してきます。特に、紀州在来紫蘇は野生型の特徴を色濃く残している古い系統ですので、種子の「休眠」が深く、何年にもわたってたまたま目を覚ました種子が発芽する傾向が強いです。 そもそも、野生の植物では、同時に発芽したあとに干ばつ、水害、病虫害などで全滅するのを避けるため、同時に発芽しないように「休眠」というシステムが発達しています。それも、同じように「休眠」するのではなく、ひとつひとつの種子が異なる「休眠」の深さにあることが、発芽後のリスクを分散させるために重要です。 このような「休眠」は、栽培植物(作物)ではとても迷惑な特性です。なにしろ、種子を播いても期待通りに芽が出ないわけですから。そこで、紀州在来紫蘇の場合は、発芽しない種子があることを前提に、必要な株数よりもかなり多くの種子を播くようにしています。 また、播種後の環境が「紀州在来紫蘇様」の気にくわないと、芽を出さずに引きこもってしまいます。それで、今年のように、発芽がうまくいかず苗が育てられないという事態にもなってしまいます。野生に近い紀州在来紫蘇のご機嫌はかなりデリケートです。
みなさま はじめまして 近畿大学生物理工学部の堀端です。 当プロジェクトをご支援下さったみなさま、本当にありがとうございます。 みなさまのご支援を得てプロジェクトをスタートすることができました。 梅雨の晴れ間の今日、圃場に植えた紀州在来紫蘇の写真を撮ってきました。今年は発芽後の生育が不安定で、予定よりも移植するのがやや遅れましたが、今のところ順調に育っております。写真では少しわかりにくいですが、このシソの特徴でもある赤銅色の金属光沢をもつ葉が太陽にきらめいております。 これから、このサイトを利用して、このシソの研究だけではなく、植物育種学研究室の様々な研究にまつわる話題を提供させていただきたいと思っております。しばらくの間おつきあいの程お願い申しあげます。 なお、予定よりも遅れておりますが、ご支援いただいたみなさまへのリターンの準備も進めております。ご心配をおかけして申し訳ありません。今しばらくお待ちいただきますようお願い申しあげます。